PM5:00 楓のおばあちゃんの家
白い布にくるまれた、小さな赤ん坊を優しく笑いながら抱く、髪の長い女性。その二人を愛おしそうに見守っている、背の高い男性。
「……こ……れ……」
楓が呟いた。
彼女が優しく微笑む。
「……まるで、これからの未来を見ているようでしょう?」
……俺は言葉が出なかった。古い写真に写っている、その女性は……
……楓にそっくり、だった。
そして……男性は……
「……和也……さん……?」
楓が呆然とした声で言った。
少し髪が金髪っぽい感じだったが……
……俺と瓜二つ、だった。
……黙ってしまった俺達に、彼女が言葉をかけた。
「……きっと二人も喜んでいると思うわ。こうして楓が運命の人と結ばれて」
どこまでこの人は判っていたのだろう。
……そんな思いが胸をよぎった。
「ねえ、楓。あなた体調があまり良くなかったでしょう? お風呂に入って来なさい。身体がほぐれるハーブを入れてあるから」
「う……ん……。和也さん、先にお風呂よばれるね?」
楓が写真立てをテーブルに置いて、立ち上がった。
彼女が楓の背中を抱いて、部屋の奥の扉へと連れて行った。
俺は写真をじっと見た。
『これからの未来を見ているようでしょう?』
……いつか。
こんな風に……俺と楓と……赤ん坊で、写真を撮る日が来る、のか。
そう思うと……胸の奥が熱くなった。
「……和也さん」
はっと気が付くと、彼女が後ろに立っていた。
「……心配しなくても大丈夫、ですよ」
「え……」
……心配?
彼女の蒼い瞳が俺を捕らえた。




