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Fly*Flying*MoonLight  作者: あかし瑞穂
MoonLight*HoneyMoon
79/88

PM1:10 私の部屋

「……で……」

 頬にあたる、冷たい手の感触。

「ん……」

 目を開ける。あ……れ……?


「かず……や、さん……?」

 和也さんが、ため息をついた。

「……まだ、少し熱いな」

 和也さんの手……気持ちいい……あれ?

「和也さん……お仕事……」

「ちゃんと済ませてきた」

 ほっとため息が出た。

「良かった……」

 和也さんが、私の瞳を覗き込んだ。

「……身体、無理、させたか?」

「え……」

 うっ……うわわわわわっ!! い、一気に脈拍上がったっ!!

「だだだ、だい……じょう……」

 最後の言葉が、和也さんの唇に消えた。


 しばらくして、ぽそっと私は言った。

「……風邪、うつっちゃう……」

「うつした方が、治るだろ?」

「そ、そんなんじゃ、治りませんって!」

 お仕事あるのにっ……!

「……俺のせい、だからな。風邪ひいたの」

「……も、もう、それは言わないでっ……」

 恥ずかしい……っ。私は上掛けを顔まで引っ張り上げた。

「……和也~。楓ちゃん、起きた~?」

 ……晴人さんの声。上掛けから顔を出す。

「ああ」

 和也さんが答える。ひょこっと、ドアから晴人さんが顔を覗かせた。

「あ、随分顔色良くなったね」

「ありがとうございます、晴人さん……」

 にこっと晴人さんが笑う。

「ご飯作ったから、少し食べたほうがいいよ」

「……晴人さん、が?」

「うん」

 晴人さんは、ちょっと照れたように笑った。

「あ、和也にも食べさせてやるよ。お前も昼食べずに、すっ飛んで帰ってきたんだろ」

「……」

 じろり、と和也さんが晴人さんを睨む。

「じゃ、下に来てね」

 晴人さんはにやり、と笑って、廊下に消えていった。


 ゆっくり身体を起こす。あ、本当、良くなってる。

「じゃあ、下に……」

 床に足を下ろそうとした時、ふわっと抱きあげられた。

「か、和也さん!? 私歩けますっ」

 和也さんは、私を抱いたまま、部屋を出た。

「……抱かせてくれ。お前がしんどい思いをしてる時に、傍にいてやれなかったから」


 ……し、心臓がっ……

 顔を隠すように、和也さんの首に両手をまわした。


 なんか、また、熱出そう……。私は和也さんの腕での中で、ため息をついた。

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