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Fly*Flying*MoonLight  作者: あかし瑞穂
???
56/88

???

「……なかなかやるわね、和也さん」

 水晶玉を見ながら、ふふふっと笑みがこぼれた。


「あらマリー。カエデの結婚式、見てるの?」

「そうよ、ブレンダ。綺麗でしょう、私の孫は」


 ブレンダが、はあとため息をついた。

「マリー。過去のカエデにあのハーブ送ったの、あなたでしょ?」

「あら、バレていたのね」

 楓にはバレなかったのに。さすがはブレンダ。

「ぎりぎり干渉値内よ? だって楓は『魔女』だもの」


 ……魔法で人間界に関わる事は、魔女にとってご法度だ。

 だから、助けたくても助けられない事も、たくさんあった。


「それにしても……」

 水晶玉に映る、幸せそうな二人を見て、ブレンダが言った。

「この、カズヤだったかしら? 変わった力の持ち主ね。マリーの御主人に似てるわ」

「そうね……」

「ある意味、魔女にとって天敵になるかもしれないわね、彼は」

 ……和也さんの、力。


 ……それは……


「魔力を吸い取り、無効化もできる力の持ち主と一緒にいて、大丈夫なの、カエデは?」

 私はブレンダに笑いかけた。

「それくらいが、楓にはちょうどいいのよ」

 

 楓は強大な魔力を持ってはいるけれど、身体は人間。軽自動車に、スポーツカーのエンジンを載せているようなもの。

 ……いずれは、魔力が暴走する。


 かつて、交通事故がきっかけで、幼い楓の魔力が暴走し……海人(息子)菫さん(義娘)を亡くしたように、悲劇が起こりかねない。


 ……でも、和也さんが傍にいれば。

「余計な魔力は、彼が打ち消してくれると思うわ」

 ……もう、楓は安全だ。


 ブレンダはあきれたように、私を見た。

「マリー。あなた、どこまで計算してたの?」

「あら、失礼ね。この二人が出会ったのは、必然で、私の力じゃないわよ?」


 水晶玉に映る、きらきら輝く二人の未来。

 ……まあ、それは、ここを訪ねて来てくれた時に、少しだけ教えましょうか。








 『ねえ、楓?


 ……名前は二人分、考えておいた方がいいわよ?』


 ……と。



<Fly*Flying*MoonLight 本編完>

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