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Fly*Flying*MoonLight  作者: あかし瑞穂
次の日
10/88

AM5:15 薔薇園

「んん……」

 おばあちゃんに教わった歌を歌いながら、薔薇の花を摘む。満月の光をたっぷり浴びてから、朝露に濡れた薔薇の花は、魔力も強大。花びらの一枚一枚が、生き生きしてる。

(うん、いい感じ。この分だったら、エキスにしてもいいかな……)

 そういえば、化粧水とクリーム、また作って欲しいって言われてたっけ。今日の薔薇なら、いい出来になりそう。

……そんな事を思いながら、薔薇の花を籠に入れていた。


 ――昨夜は私もいろいろあって疲れてたのか、ぐっすり寝ちゃった。和也さんはどうだったのかな……。

 おじいちゃんの部屋を見上げると……

 ……こちらを見ている和也さんと目があった。


 おじいちゃんもあんな風に、自分の部屋の窓から、私とおばあちゃんが薔薇を摘むのを見てたっけ……。

なんだか懐かしくなって、思わず笑みがこぼれた。

「……おはようございます」


 和也さんは、ちょっとびっくりしたみたいだったけど、

「……おはよう」

と、返してくれた。


「もう終わりますから。朝食は六時ぐらいでいいですか?」

「……ああ」

「じゃあ、玄関ホールの右手が食堂ですから。そこに来て下さいね」

 ちょっとぼさぼさ気味の髪。ストライプのパジャマ姿。普段のびしっとした感じは、どこいったんだろ。和也さんは、こちらが驚くほど……無防備、に見えた。


 もう一度、会釈して、家の中に入った。

 ホール奥にある、地下室への扉を開く。ドライフラワー用とアルコール漬けにするのと分けなくちゃ……。

 私は朝食の準備の前に、薔薇の花を乾燥用と抽出用に仕分け、それぞれ処理を行った。

(三日後にもう一度様子を見て……それからね)


 地下室の扉を締めて、階段を上がる。そうして、私は台所へと向かった。

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