表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/312

3.交渉の成立

暗闇の小部屋の中で、イーグルは静かに耳を澄ませていた。

上の階から、複数の足音が聞こえる。

そして――

「大勢で失礼する!」

怒鳴るような声がBARの店内に響いた。

「私はキラー曹長だ!ここに軍人が来なかったか?」

その声を聞いた瞬間、イーグルの背筋が凍る。

――キラー曹長。

かつての戦友。

そして今、自分を処刑しようとしている男。

キラー曹長は続ける。

「背は180ほど。銀と白の中間のような長髪の男だ」

数秒の沈黙。

そしてバーテンダーの声が聞こえた。

「さぁ……どうだったかな」

いつも通りの落ち着いた声だった。

「生憎こっちは閑古鳥が鳴いてるんでね。あんたらが酒でも飲んでくれれば、探してる奴も来るかもしれないが」

キラー曹長の声が低くなる。

「もし見かけたら通報してくれ。賞金も出す」

「ほう。指名手配か」

バーテンダーは皮肉っぽく笑った。

「よっぽど悪どいことした奴なんだろうな」

「それは貴様が知ることではない!」

キラー曹長が怒鳴る。

「匿ったら貴様も犯罪者だ。覚えておけ!」

バンッ!

扉が乱暴に閉まる音が響いた。

しばらくして足音が遠ざかり、店内は再び静寂に包まれる。

そして、バーテンダーが小さく呟いた。

「……テロリストが軍人の真似事とはな」

暗闇の中で、イーグルは声をかける。

「なぜ助けた?」

間髪入れず、返事が返ってきた。

「アンタ、追われてるんだろ?」

バーテンダーの声は静かだった。

「うちの組織で仕事をしないか?」

イーグルは懐から煙草を取り出し、火をつけた。

暗闇の中で小さな火が灯る。

「アンタら……どこの組織だ?」

「それは教えられない」

少しだけ笑う気配がする。

「だが、真っ当な仕事ってことは確かだ」

イーグルは煙を吐き出した。

「何を基準に真っ当かは疑問だがな」

「ハハッ、違ぇねぇ」

数秒の沈黙。

そしてイーグルは言った。

「衣食住と、少しの金があればいい」

「今は追われてる身だからな」

バーテンダーは頷いた。

「交渉成立だな」

そして名乗る。

「俺はCode Name:アリエル」

「アンタの情報はこっちにある。だが名前を聞かせてくれ」

イーグルは短く答えた。

「イーグル・メタルバレット軍曹」

一拍置く。

「……いや、元・軍曹だ」

「ようこそ、イーグル」

アリエルの声が少しだけ柔らぐ。

「それじゃあ、まずはアンタの情報を確認してもらおう」

そして続けた。

「今、上に戻す」

その瞬間。

暗闇の中で――

カチッ

と、小さな音が鳴った。

イーグルの座っている椅子が、ゆっくりと上昇を始める。

「驚くなよ」

アリエルの声が聞こえた。

「うちのBARは、ちょっとした仕掛けが多くてな」

椅子は静かに上へと運ばれていく。

やがて薄い光が差し込み――

再びBAR【プラチナ】のカウンターが見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ