戦いの果てに
次回よりジョーカーズ総力戦となります!!
コリンズ女史の頭に、そっと手をやるダーシー。
「女史……いや、コリンズ……俺はどうなっちまったんだ?」
「こっちが聞きたいわよ! 何よ! いきなり姿を見せないと思ったらズタボロで帰ってきて!」
ダーシーは、力なく笑った。
そうして、退院後、自宅。
高層マンションの最上階で、ダーシーは、歯を磨いていた。
それから服を着替え、トーストにバターを塗っていたとき。
呼び鈴が鳴った。
ダーシーは姿を確認し、息を飲んだ。
「……ローズ?」
そこにいたのは、ローズとベネットだった。
ベネットは実に面白くなさそうな顔をしている。
ダーシーは急いでドアを開けた。
「あなたが……ダーシーさん」
ローズはブラウスを纏っており、三つ編みと丸渕眼鏡が特徴的で、まるで文学少女のようであった。背も、小柄なダーシーより頭一つ分小さい。
「入れろや」
「……ああ」
ベネットは乱雑な言葉を投げてから、靴を履いたままダーシーの自宅に上がった。
ダーシーはベネットをリビングまで通した。
ベネットは座り、
「あの後どうなったか知りてえだろ?」
「それを言うために来たんだろうが、てめぇは」
そう言って冷蔵庫からウィスキーを取り出す。
「この嬢ちゃんの話によれば、だ」
ベネットは切り出した。
あの後、ダーシーはほぼ瀕死になった。
ベネットはダーシーをどうすることもできず、キャルドンに刃向った。
しかしそこで、“ダーシーの父親”を名乗る人物が現れ、その男がキャルドンを処刑したのだそうだ。そうしてローズは解放されたらしい。
「俺の……父親?」
「姿は見えなかったが、そう自称していた。ホントに、お前何もんなんだ?」
「知らねぇよ」
「……あの」
ローズが恐る恐る口にした。
ダーシーは柔和にほほ笑み、
「なにかな、ローズさん?」
ローズは俯き、かぶりを少し振ってから、
「……私のギフテッドは《6センス》。未来のことが分かるんです。それによれば……」
「近日中にイライザ姐さんが、あなたたち相手に戦争をしかけるようです……」
ベネットとダーシーは、顔を見合わせた。




