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ベネット遠征伝~女を汚す奴は、許さねぇ!~  作者: 神羅神楽
第十章 ローズ~天使の矜持~
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敗北

 

「──《フィスト》」


 そう言い放ったキャルドン。巨大な鉛の腕が現れ、それは人一人分を呑み込もうというぐらいの大きさだった。


(──なんだ、こんなもの)


 ダーシーはひょいとよけた。

 しかし。


 鉛の腕が地面にぶつかると同時に、そこから衝撃波のようなものが現れ、あろうことか、ダーシーとベネットは、衝撃で腰を浮かせ、そのまま空中で静止した。


「なっ……!?」


 そして地面についた拳は、刃をむき出しにして、その刃がぐるぐる回転し、よこにスライドしてダーシーのわき腹を刃で抉った。


「があああああああっ!!」

「ダーシー!」


 ふたりは身動きが取れるようになったが、ダーシーの身体からは大量に出血した。

 キャルドンは勝ち誇った笑みなど浮かべず、ただゴミを見る目のまま、ダーシーの近くまで寄り、その頭を踏みつけ、


「わかったかねこわっぱども。ベネット、貴様が私と相まみえても同じことだろう。諦めて死ね」


 そしてキャルドンは腕を引き、また腕を鉛に変えた──。






『ダーシー、ダーシー!!』


 聞き慣れた女性の声がした。

 ダーシーはうっすら目を開けた。


 病院のベッドの脇。

 ダーシーにしがみついて目を真赤にして泣いているコリンズ女史の姿が、あった。



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