俺はお荷物じゃねぇ……!
キャルドンはダーシーを舐め回すように見つめ、
「貴様下界で人間を何人殺した?」
「女を一人、悪魔を一匹。それがどうした」
キャルドンは腹を抱えて笑い、
「分からないのか? 貴様は、“お荷物”なんだよ」
そして、剣を抜いた。
「ほう……言ってくれる」
ダーシーも構えた。
しかし彼は分かっていた。
彼の異能は聖なる天使には通用しない。
この戦いに勝算などないということ。
一ミリの可能性を除けば。
「キャルドン」
ダーシーはそう言い放ち、《キラー・チューン》のときの白いスーツに変身した。
「悪は……作れるんだ」
「は?」
「私の創造主の神よ……お許しください」
ダーシーは強い憎しみの悪感情をキャルドンに抱いた。
「殺す殺す殺す殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺」
ダーシーの中に渦巻く悪感情は、いつの間にか悪霊を呼び始めていた。
「いい子たちだ」
ダーシーは笑い、憎み、キャルドンを睨み、歌った。
すると悪霊に聖なる弾丸が込められ、それがエネルギーを持ったものとしてキャルドンにぶつかっていった。
「ぐふぅぅぅ……!?」
キャルドンは悪感情に耐え切れず、後ずさりした。
息を荒げ、肩で呼吸をしていた。
ダーシーに勝機が見えたかのように見えた。
しかし、キャルドンは笑っていた。
「ダーシー。否、大天使シミラ。貴様は自分が大天使シミラという名前であったということ、そして、天使は死ぬとき亡骸なくして消滅することを忘れるな」
「もう一度言う。私は、強いんだよ」
「《フィスト》」
キャルドンの右腕が、巨大な鉛に変化しようとしていた。




