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ベネット遠征伝~女を汚す奴は、許さねぇ!~  作者: 神羅神楽
第九章 小夜~イジワール紳士とオリジン・イヴの剣~
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オリジン・イヴの剣

やっぱベネットたちが主役の話の方が書きやすいなぁ……。

「これが例の遺跡か……」


 イジワール紳士は中に立ち入ろうとする。

 すると桃介が目を覚まし、


「おい、なんだあれ」


 イジワール紳士は舌打ちする。潜入は一人でやりたかった。


「ついてくんじゃねぇガキ。てめえらは寝てろ」

「なんだと? おい、小夜、竜一、起きろ、すげえぞこれ」


 二人も目を覚まし、三人は光輝く透明な遺跡に見惚れていた。


「これ、中に入れるの?」


 小夜は入り口が妙に暗いのを見て指摘する。


「どうやら違う空間につながってるみたいだねぇ」


 竜一が一人で納得する。


「おい、イジワール、俺らも連れてけ」

「断る」

「そんなの許さないわよ!」

「お前ら、死ぬぞ」


 三人はその言葉に黙った。イジワールも本気で死ぬかどうかは分からずそう言ったが、危機を感じていたかれは、ここは子供のくる場所ではないと分っていた。


「俺様は行く。死んでもいいなら勝手にしろ」


 イジワールはステッキを突きながら遺跡内部に入って行った。

 彼は発明王で、いくつもの発明品を開発していたが、特許は取っていない。彼は『どこでもテラスくん』という、ダサイ名前の光源を手にし、遺跡の内部に潜入した。桃介たちも後を追った。


 狭い石造りの階段を降りていく。

 最下層までいくと、広い部屋があった。


「なんだ? この石碑は?」


 石碑には、謎の文章と絵が刻まれていた。


「しょうがない、『なんでも読めるくん』で解読しよう」

「そのダサイネーミングセンス、どうにかならないの?」


 小夜のツッコミを無視し、イジワールは虫メガネの発明品を使って石碑を読んでいった。


「オリジン・イヴ、ここに眠る……」


 オリジン・イヴは自殺するとき、死に場所を神から与えられた。それがこの『眠らない月』という遺跡。神に憐れまれたオリジン・イヴは美しい死に場所を選ばれたのだ。ここに立ち入った者は暁までに出ないと一生でられない。

 ここの遺跡には、オリジン・イヴがオリジン・アダムと闘うのに使った剣がある。そこにオリジン・イヴの魂は眠っている。


「ざっと解読するとこんな感じか……つまり、オリジン・イヴの剣っつーのはここにあるわけだ」

「どうやって探すんだよ」

「なぁに、たやすいことさ。暗号が遺跡に書いてある。IQ180の俺様ならすぐに解ける」


 イジワールは読めるくんであちこち探索したかと思えば、自分の指の皮を噛み切り、血で六芒星を壁に描いた。


 すると、天井が光輝いた。


「うわっ!!」


 桃介たちは驚いて目を瞑った。


 そこには、金色に輝く剣が落ちていた。


「案外容易く見つかったねぇ」

「こいつを持って帰るぞ。ガキ共、一緒に来い。もう寝る時間だからな」


 そして出ようとしたとき──。


「ハーイ! そこにいるのはベネットかい? ん? 違うのかい? ベネットと同じ匂いがしたんだけどなぁ……!?」


 アメリカンポリスの恰好をした男が、階段の入り口で腕を組んで壁に背をもたせかけていた。


「誰だ、てめえは?」


 フハハハハハと彼は笑い、


「ジョーカーズ十三部隊、エヌさんだよ。君たちと友達になりたいんだ! 大丈夫! 宗教の勧誘じゃないよ! その剣、欲しいなぁ……」

「嫌だと言ったら?」


 Nは高笑いして、


「僕の友だちが嫌だなんていう訳ないじゃないか。そんなことを言ったら僕に殺されちゃうからねぇ!!」


 桃介たち三人は身震いした。


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