安心していればいい
クルツの話を聞いている範囲では、よほど魔力が強くないと、この世界では呪文などがないと魔法が発動しないらしい。
でもそういえば、
「僕の魔力はすごく強かったはず。その力があれば呪文なしで魔法が使える?」
「確かに使おうと思えば使えるが、あまりお勧めはしない。酷く疲労してしまうからな」
「でも少しだけなら試したい。駄目かな?」
「……だからどうして下から見上げるようにあざとくお願いを……」
「え?」
「いや、何でもない。でも少しぐらいなら構わないだろう。俺もそばにいるし」
「本当! じゃあさっそくやってみる。氷だから解けるような熱? でも森に燃え移らないようなものが良いな」
そう僕が思って氷の方に手をかざした。
すると目の前に、今度は見たことのない模様の光の魔法陣が現れる。
今回は赤い光を出していて、そして。
ゴオオオオオオオ
そんな轟音がして、魔法陣から炎が噴出し、先ほど凍らせてしまったそれを溶かしてしまう。
それを見て僕は、
「ど、どうしよう」
僕は魔法が怖いものではと思って震えてしまう。と、
「呪文なしでこの威力。これが異世界人の特殊能力か。話には聞いていたが、野放しにはできないな」
「え?」
「その力は巨大だから、そのせいでルネに何かあるといけない。だから俺がずっとルネと一緒にいよう。保護しないと危険だから。力も、ルネ自身も。だから安心していればいい」
「う、うん。よろしくお願いします」
それにクルツがさらに強く抱きしめてくれたのだった。
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