食事に行こう
オウルが部屋から出て行って再び二人きりになる。
そして僕はクルツとオウルの関係が気になる。
オウルは兄さんと呼ばれるのを嫌がっていて? クルツは兄さんと呼びたがっているようだ。
そこでクルツが僕に気づいたらしく、
「どうした?」
「あ、いえ。オウルさんとクルツさんはどういった関係なのかなって」
「さんは俺にはつけなくていい。名前は呼び捨ての方が良いな」
「は、はい」
「いい返事だ。それでオウル兄さんは、父が再婚した母の連れ子でね。オウル兄さんと俺は血の繋がりがないんだ。でも昔から俺はあの人を兄さんだと俺は思っているし、ああ見えて不器用だけれど……ルネにいろいろ説明してくれたりといったように、親切で優しいから俺の自慢の兄なんだ」
「仲がいいんですね。僕には兄弟がいないからうらやましいです」
「そうか? そう言ってもらえるとおれも嬉しいな」
そこでクルツが壁にかかった時計を見る。
どうやらこの世界も12時間でひとくくりにされているようだ。
ただ不思議なのは文字が僕に読める事。
でもこの程度、ハムスターの耳が生えるくらいに当たり前の事なのかもしれない。
そもそもクルツたちと会話もできるし。
僕がそう自分を納得させているとそこでクルツが、
「……さて、そろそろ時間も時間だから食事に行こう。それからギルドでルカの能力を見てもらおうか」
「特殊能力ですか、どんなものが僕にはあるんだろう」
「楽しみにするといい」
そう言って僕はクルツに連れられて、食事処に向かったのだった。
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