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第2話「社畜」


 「三森商事」に入社して、、2年が経った「笠原明菜」は、、毎日、、膨大な仕事量と残業で、、


 精神的にも肉体的にも追い詰められていた。。


 日々、、ギリギリだった。。


 ここ1週間、、深夜0時前に帰宅したことがない。。


 女性として、、事務員を任されていたが、、もうすべてを放棄して、、逃げ出したい気分だった。。


 

 「どうか、、1か月間、、休暇が欲しいです!! 神様!! お願いします!! 私に休暇を与えてください!!」


 夜、、会社から帰宅途中の道にある神社に、、5万の賽銭を投げ込み、、とてつもない想いを込めて、、祈った。。



 週6日勤務。日曜日しか休みがない。


 その休みも、、1週間の仕事の疲れで、、何もできずに泥のように寝るだけ。。


 笠原は本気で「1か月間だけでもいいので、、休みが欲しい。何もしなくていい環境をください」


 と祈っていた。。


 神社で、、 5万円を投げ込んだ。。来月までの食費をそっくりそのまま神様に与えたのだ。。


 「私は、、神様を信じています。。私は、、この5万を命を懸けて、、神様に奉仕します。なので、、どうか、、どうか、、私に1か月だけ、、仕事しないでいられる、、自由な生活を与えてください!!」



 笠原は心の中でそう叫んだ。。



 さあ、、食費はなくなった。。このままでは、、家に帰っても、、何も食べられない。。


 どうする?? 



 笠原は、、覚悟を神様に示した。


 神様はきっと見てくれていると、、信じていた。。


 そして、、きっと自分の心に応えてくれると本気で信じていた。。




 最悪、、死んでも良かった。。


 神様に最後に祈って、、見捨てられたなら、、このままずっと社畜で苦痛に満ちた人生を死ぬまで送るくらいなら、、今すぐに、、死んでも構わない。。



 ただ、、神様は本当にいるのかどうか。。


 それを笠原は確かめたかった。。





 笠原は仕事着のスーツのまま、、家に帰った。。


 

 家に着いて、、扉を開けた瞬間に、、笠原の目の前には、、見たこともない異世界が広がっていた。。



 「なに?? これ??」


 笠原は放心状態になっていた。。


 あり得ないことが起きている。。



 そして、、すぐ目の前に、、ある男が姿を現した。。


 「あなたを1か月のバカンスへとご案内しましょう!!」


 「これは夢?? 本当にこんなことが起きるものなの??」


 「こんにちは。私は、、あなたの夢を叶える使者、、願望実現委員会の『エナメント』と申します。あなたの強い願いと祈りがここまで届いてきました。。1か月間、、あなたは自由の身です。仕事しないで、、あらゆる遊びを、、あらゆる楽しみを味わいましょう。ここは夢の国。。あなたの願いがすべて叶う場所です」


 「漫画やアニメの世界だわ……でも、、現実に起きているのね……」


 「遠慮はいりません。。さあ、、行きましょう!! あなたはとにかく1か月間、、自由です。1か月間、、このバカンス世界では、、時が止まっていて、、進みません。。会社のことは考えなくていいのです」


 

 「私、、実は、、異世界に行くのではなくて、、この私が住んでいる現実で、、家で映画を観ながら、、コーヒーを飲んで、、スマホでインターネットをして、、小説を書いて、、小説を読んで、、って普通のことがしたいんです。。あまり、、外に行くのは疲れるから好きじゃないの」


 「おっと、、そうでしたか。。では、、この現実世界で時を止めて、、このあなたの家にいるときは、、時間が止まりますから、、1か月間、、好きなことをしてください。。私の部下であるこのミントと、、他、、5名の召使いを用意しますので、、外にご用の時は、、その召使いに、、頼んでください。。」


 「散歩に行きたくなって外に出たくなったら、、どうすればいいのかしら??」


 「その時は、、異世界のバカンス世界へとつなぐ扉から、、入り、、異世界で散歩してください」


 「私は異世界になんて興味ないの。。この現実世界で、、散歩しているときに会う近所の人や、、見知らぬ他人とか、、外の空気とか、、風景とか、、青空とか、太陽とか、、そういうのを楽しみたいのよ」


 「これまた失礼しました。。では、、1か月間の間、、私が裏から手続し、、あなたの勤務先の会社である、、三森商事に1か月間の有休を与えさせます。それなら、、外に出て、、自由に羽を伸ばせるでしょうから」



 「そんなこと可能なのかしら?? わたしの代わりがすぐに見つかるものなの??」


 「私が自ら、、代わりをします。。私たちに『不可能』の文字はありません。安心して、、1か月間を遊びまくってください」


 「ありがとう。神様は見てくれているのね。あの祈りは決して無駄にならなかった」


 「ちなみに、、私たち『願望実現委員会』のことは、他言禁止です。。絶対に他人や親しい人にも、、誰にも話さないでください」


 「なんでかしら??」


 「秘密裏に動くことがルールだからです。もし、、誰かに私たちのことをしゃべってしまった場合は、、あなたの1か月間のバカンスの記憶や、、私たちに会ったことなどの大事な思い出の記憶がすべて消去されてしまいます。記憶が無くなってしまったら、、それは、、体験してないのと同じことになり、、非常に、、もったいないですよね」


 「わかったわ。。じゃあ、、今日から、、1か月間、、自由ね。。ああーーーー最高!!」


 「1か月間、、大金も自由にご用意できます。。たとえ、、1000億使おうが、、自由です。。本当に、、したいことをすべて実現なさってください」



 こうして、、笠原は、、1か月間、、自由な生活を楽しんだ。。



 そして、、また社畜生活に戻ることになった。


 

 「時間が来ました。。これで1か月間の夢のような生活は終わります」


 エナメントは笠原にそう言った。。


 「1か月間、、自由を満喫して、、また仕事が恋しくなってきたわ。。でも、、仕事がほとんどの生活にはもう戻りたくないのよね。。適度に仕事したいんだけど、、また叶えてくれるかしら??」


 「あなたの祈りの強さしだいですよ。。我々の存在は、、誰も知りません。他言禁止ルールがあるからです。もし、誰かが我々の存在を広めようとしても、、噂しても、、その人たちの記憶を消してしまいますから、、、出会った本人しか認知できないようになっています。。もしかしたら、、、あなたの友達も、、我々に会ったのかもしれませんね」


 「秘密裏に出会った本人以外、、誰も知らないし、、誰も伝えることができない組織か。。楽しかったわ。。ありがとうございました。。また、、社畜に戻るけど、、この1か月間は、、本当に幸せだったわ」


 「あなたは食費を捨ててでも、、5万を神社に、、神様に訴えるつもりで、、捧げました。。それが大きかったです。。覚悟の強さ、、想いの強さ、、祈りの強さ、、願望の強さ、、それが全てなのですから!!」


 「私は、、本当は祈りより、、行動が大事だと思っていたの。。祈るなんて誰でもできるから。でも、、その祈りの想いにより、、動いてくれる神様もいるんだって信じていたの。。想いが強ければ、、自然と行動もするし、、やはり、、その想いの強さこそ一番大事なのよね」


 笠原明菜はまた1か月間の夢のような思い出と共に、、社畜生活へと戻っていった。。


 また仕事ができるとなると、、楽しみだとすら感じていた。。


 また、、願望実現委員会のエナメントたちを呼べるほどの強い想いによる祈りができるだろうか。。



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