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祟り屋・大阪難波店  作者: HasumiChouji
第二章:頼もしい薮医者
22/35

(1)

『はぁ?携帯電話を買い替えたはいいけど……何で、電話番号変るの?』

「仕方ないだろ。携帯電話にスパイウェアが仕込まれてて……」

『誰が?何の為に?大体、現実にあんたの漫画に出て来る自称ハッカーみたいな真似が出来る奴が居るの?』

「居るんだよッ‼」

 糞。

 糞。

 糞ッ‼

 糞糞糞糞糞糞糞ッ‼

 てめえ、何で、俺の嫁のクセにモノ判りが、こんなに悪いんだよッ?

 何で、こんな、すぐ感情的になるヒス女と結婚しちまったんだ?

 あ〜、俺の漫画に出て来る「祟り屋」が実在してたら……真っ先に、この馬鹿嫁を呪い殺してもらうのに……。

『ああ、そう。スパイウェアを仕込まれてたって、あんたの話が本当なら……ウチと職場のネット回線も解約した方がいい?あと、仕事用のPCを買い替えるお金は有るの?』

 おい……。

 何を言ってる?

 馬鹿嫁は、ヒスを起してる事を必死で隠そうとしているらしく、声はあくまで冷たく、俺の事を馬鹿にしてるような感じだ。

 しかし、俺には判る。

 馬鹿嫁はヒスを起こしてる。

 顔を真っ赤にしてる。

 口から泡を飛ばしている。

 見なくても判る、

「はぁ?意味が判んねえよッ」

『あのさぁ……あんたが知らない間に、あんたのスマホにスパイウェアを仕込めるようなスーパーハッカーなら……』

 ヒスを起こしてる馬鹿嫁は……「スーパーハッカー」という単語だけ、更に馬鹿にしたよ〜な口調になった。

『PCやルーターなんかにもスパイウェア仕込んでるんじゃないの?』

「そ……そんな事は無い。無い。絶対に無いッ‼」

『仕事用のPCも全部買い替える気?アシスタントさんが使ってるのも含めて?』

「やる必要ないって言ってるだろッ‼」

『じゃさ、そのどっかの誰かさんは、あんたの知らない内に、あんたのスマホにスパイウェアを仕込むって、どうやったの?』

「え……えっと……そ……それは、ああ、そうだ、アシスタントの中に内通者が居たんだッ‼」

『はぁ?』

「アシスタントの中に居た内通者が、俺や他のアシスタントのスマホにスパイウェアを仕込んで……」

『はぁ、その内通者さんは、触ってもいない、あんたや他のアシさんのスマホにはスパイウェアを仕込めるのに、普段、仕事で使ってるPCにはスパイウェアは仕込めない……と……』

「ああ、そうだ。納得してくれたか?」

『納得してないけど、もう、話は、これで打ち切りたい。もう好きにして。家計に影響が無い範囲内でね』

 はははは……。

 俺には判る。

 馬鹿嫁は、必死で平静そうな口調でしゃべくりやがってるだけで、ホントは電話の向こう側で論破された悔しさで泣き喚いているに違いない。

 女ってのは馬鹿だ。

 基本的に馬鹿だ。

 馬鹿だから付け上がる。

 馬鹿だから自分が頭がいいと思い込む。

 だから、時々、女どもには、自分が馬鹿だとわからせてやらねばならない……。

 ああ……でも、馬鹿嫁が阿呆な事を言いやがったせいで、貴重な時間が無駄になった……。

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