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22話 敵襲

 俺とパックは組合に向かって走りだした。

 歩くと一時間以上かかるが、緊急事態だっ事もありあってか俺は早く組合に着きたい一心で、距離が縮まるイメージを無意識にしていたらしい。

 【縮地瞬歩しゅくちしゅんぽ】とやらが行使され一瞬で駆けつけた。

 自分でも驚いた。改めて自分の魔法創生というスキルは凄いと感心した。

 出しゃばるのも良くないから陰に隠れて組合の動きを監察する。

 組合の指揮はシャネが直々にやっているが、冒険者はシルバー20人程度とカッパーが50人程度で少し頼り無いようにみえる。

 牛とか蛇でチタンプレートの冒険者が必須だって言ってたのにチタン以上の冒険者が一人もいない。


「組合のみんな聞いてくれ!!

 誰かが我が領地に攻撃をしてきた!!

 我々の力で敵を追い返してやろう!!」


「おぉぉおぉぉ!!!」


 コイツらもしかして敵の情報ゼロで挑む気なのか?

 冒険者が馬車に乗って移動し始める。

 俺はこっそりシャネの元に向かった。


「ぉぃ!」


 小さい声でシャネに話しかける。


「ハクレイ!?

 ちょっとこい!」


 組合の中に連れて行かれた。


「お前何でこんな所にいるんだ!?

 今から戦闘が起こるんだぞ?

 早く避難しろ!避難場所は教会だ!」


「避難するのはいいけどお前相手をわかった上で冒険者を向かわせたのか?」


 不思議そうな顔をするシャネ。


「ハクレイは何か敵の情報を知っているのか?」


「索敵で確認しただけなんだが、ファイティングブルが3匹とレッドスネークが6匹確認できた。

 だがそいつ等は雑魚だ。

 多分本命はその後ろにいるミノタウロスだろう」


「ミノタウロスってミノスか!?

 そんな・・なんで・・・

 そこまで強力な魔獣は王国騎士団が来ないと勝てないじゃないか!!

 どうすれば・・・」


 叫び、泣き崩れるシャネ。

 ギャンギャン泣いている横で申し訳ないが俺は冷静だった。

 だって牛の5倍だろ?

 そもそも王国騎士団が必要なのか?

 ファイティングブルの親戚みたいな奴なら大して強くないと思うのは俺だけ?


「んん~パック、どう思う?」


「ハクなら大したことないね。

 多分試験の時みたいに一瞬で終わっちゃうしぃ。

 それに君もこの現状をみて、この世界のレベルがやっと理解できたんじゃない?」

 

 確かに。

 申し訳ないが牛蛇レベルで英雄だとか言ってるようじゃ相当弱いんだな。

 なら俺のやることは決まった。


「シャネ!

 敵は俺が一掃してくるからお前は全力で俺がシルバープレートになれるように努力しろ!

 いいな!シルバーってのが重要だからな!!」

 

 俺は組合の最上階に飛んで索敵をした。


 組合員と魔獣はあと30分位で対峙しちゃうな。 

 誰にも感知されずに牛と蛇を瞬殺して、死体を転がしておけば組合員の進行も止まるだろう。

 ミノスはその間に倒せばいいか。

 俺の思念が伝わったのかパックも頷いている。


「用意はいいか?」

 

「ハクの好きなタイミングでどーぞ」


【ーー縮地瞬歩ーー】


 牛の前に移動してきた。

 闘技場の牛より一回りデカいな。

 

「ンモォォオォォ!!」

 

 急に飛び出したから牛も怒っているのかな?

 

【ーーー瞬殺ーーー】


 牛の首を落とした。次!


【ーー縮地瞬歩ーー】

【ーーー瞬殺ーーー】次!!


【ーー縮地瞬歩ーー】

【ーーー瞬殺ーーー】次!!


【ーー縮地瞬歩ーー】

【ーーー瞬殺ーーー】・・・・・牛と蛇はOK


 後は入口でふんぞり返っているミノスだけだ。


【ーー縮地瞬歩ーー】


 目の前にすると見上げるほどデカくて迫力あるな。これは勝てる気がしないが大丈夫か?

 パックを見ると何故かうんうん頷いている。


「アゥァァヴァモォオォ!!」


「なんか訴えてきてる感じだけどパックは牛語わかるか?」


「なんか逆らうなら殺す的な感じだね。

 あぁそうだ、生きてるうちに角だけ切り落としてね。

 殺してからだと素材の劣化が防げないから」


 パックは魔獣を素材としてみているのか?


「出来るかわからんがやってみよう」


【ーーー瞬殺ーーー】


「どうパック?出来てた?」


「完璧だよ!」


「ンモォ?アヴォォンンモォォオォォ!!」


「あれ?なんで死んでないんだ?

 もしかして角のことばっかで首飛ばし損ねてる?」


「いやいやしっかり首は斬れてるよ。

 多分気付いてないね。

 あぁそうだ!死体は魔法で焼いて塵にしといてね。

 ミノスなんて知れたらこの国じゃ一大事だからさ」


「らじゃ!炎弾!」


 炎弾をミノスの体に撃ち込む。

 撃ち込んだ衝撃で首と体が分離した。

 ちゃんと斬れてて安心した。

 追加で炎弾を数発入れてその場を後にする。


 帰り道を急ぐ必要はないが、シャネに報告して安心させてやらなきゃな。


 【ーー縮地瞬歩ーー】

 

 シャネの前に着いた。

 珍しく俺が目の前に居るのに気付いていない。

 それどころか震えながら膝をつき、神頼みポーズをキメている。

 端から見れば俺が神様でシャネは俺を崇めているように見えるだろう。

 

「組合長!討伐完了であります!」

 

 シャネはバカっぽい顔をしている。


「いくら何でも早すぎないか?」


 信用してないな?


「これが証拠だ」


 ミノスの角を見せるとキメてたポーズを崩し地面に両手を着いた。


「ここはもう大丈夫なのか?」


「ん?そうじゃないのか?

 敵は倒してきたんだからもう襲ってくる奴はいないだろ」


「よかったぁ。

 ホントによかったぁ。

 ここまでしてくれたハクレイの要望にはちゃんと答えないとな!

 シルバープレートの件はまかせてくれ!!

 それより他の冒険者が帰ってくる前に家に帰れ。

 今はまだ冒険者じゃないから騒ぎに巻き込まれないように家から出るなよ」


「言われなくても大丈夫だ。

 もぅ飯食って風呂入って今日は寝る」


 そう言ってシャネと別れた。

 帰るとヴェルさんとサティさんが夕飯を用意してくれた。

 風呂に入り湯冷めしないうちに車に戻る。

 布団の中で魔獣の襲撃について色々考えていた。


「パック起きてるか?」


「なにぃ?」


「今日の魔獣の襲撃って偶然じゃないよな?」


「・・・言いたくないけどこの領地を潰す事を望んでる人間がいるんだろうね。

 結界の弱い部分にあの強さの魔物を突撃させるなんてそれなりに詳しい人間が犯人だよ」


「俺はてっきり魔獣の暴走だと思ってんだが人間同士の争いなのか。

 それだとミノスは操られていた事になるけどそんな事って出来るのか?」


「テイマーなら魔獣を操るのは動作もない事だよね。

 この世界で魔獣を操る方法は3つあるんだけど今回のは多分魔物使いのやり方じゃ無いね」


「3つもあるのか?

 思った以上に魔獣って簡単に操れるんだなぁ。

 俺にも出来そうならやり方教えてくれよ」


 少し困った顔をしてパックは悩んでいる。


「3つの内2つは正当なやり方なんだけどもう一つは邪道なんだよね。

 非人道的と言った方がいいのかな?」


「周りくどい言い方だな。

 死体を操るとかのゾンビ系か?」


「縛り付けて拷問だよ。

 痛めつける事によって忠誠心を植え付けるやり方が1番効率がいいんだ。

 テイマーの能力がいらないし、死んだら死んだでそれを倒した事で手柄にできるからな」


 聞くんじゃなかったな。

 痛めつけるイメージをして変な能力が生まれたら精神崩壊でも起こしてきっと立ち直れない。


「俺にそれは無理そうだな。

 1つはテイマーの能力としてもう1つはなんなんだ?」


「属性の力量差を見せつける事だね。

 ミノスなら上位悪魔を召喚すればビビって手下になるよ」


 テイマー以外はまともじゃ無いな。

 恐怖政治とか痛めつけるのとあまり変わらない気がする。

 痛めつけないだけマシなのか?


「ハクには覚えておいて欲しいんだけど、この世界はまだ奴隷が存在するんだ。

 エルフやサキュバスといった種族はあっちの奴隷として飼われていることがある。

 人間の欲によって罪もない人間以外のメスは拷問されて無理矢理・・・この話はやめよっか」


 おおぅ。そこまで言ったら理解出来ちゃいますよ。聞きたくなかった。

 そんなシーンが視界に入っただけで我を忘れて暴れてしまいそうだ。


 せっかく魔獣を倒していい気分だったのに最悪な気分だ。

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