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第57話:祝宴と挑戦者

皇帝が回復してから3日後。


帝国では、盛大な祝賀会が開かれた。


「皇帝陛下のご回復を祝して!」


「乾杯!」


豪華な宴。


帝国中の貴族、重臣が集まっている。


「ケント殿、こちらへ」


オズワルドさんに案内されて、上座に座る。


「恐縮です……」


「いえいえ、あなたは帝国の恩人です」


「当然の待遇です」


宴は、盛大に進んでいく。


音楽、舞踏、豪華な料理――


「すごいね……」


リナが、目を輝かせている。


「こんな宴会、初めて見た」


ユウも、感動している。


その時――


一人の男性が、俺の前に来た。


40代くらいだろうか。


鋭い目つき、威圧的な雰囲気。


「お前が、ケントか」


「はい……」


「私は、帝国料理長のガストン」


「料理長……」


帝国料理長――


つまり、帝国料理界の頂点に立つ人物。


「お前の料理で、陛下が回復したと聞いた」


「はい」


「だが――」


ガストンは、不敵に笑った。


「帝国料理界の頂点は、私だ」


「お前ごときに、負けるわけにはいかない」


「……」


「料理対決をしよう」


「明日、皇城の厨房で」


「勝者は、『帝国最高の料理人』の称号を得る」


周囲がざわめいた。


「ガストン様が、挑戦を……」


「あの伝説の料理長が……」


「どうだ、受けるか?」


ガストンが、迫ってくる。


俺は、少し考えた。


正直、疲れている。


皇帝を救って、まだ3日しか経っていない。


でも――


断る理由もない。


「……分かりました」


「受けます」


「よし」


ガストンは、満足そうに頷いた。


「明日、楽しみにしているぞ」


そう言って、去っていった。


その夜。


部屋で、みんなと作戦会議。


「ガストンって、どんな人なんですか?」


ユウが聞いてきた。


「帝国料理界の頂点だ」


レオンさんが説明した。


「技術、知識、経験――全てが一流」


「俺も、何度か彼の料理を食べたことがある」


「どうでした?」


「完璧だった。隙がない」


「強敵ですね……」


「ああ。だが――」


レオンさんは、微笑んだ。


「お前には、彼にないものがある」


「それは?」


「心だ」


「……」


「お前の料理は、心で作られている」


「それが、お前の最大の武器だ」


「ありがとうございます」


「ケント、頑張って」


リナが、励ましてくれた。


「私たちも、応援してるから」


「ありがとう、みんな」


「さあ、明日に備えて寝よう」


レイナさんが言った。


「はい」


でも――


なかなか眠れなかった。


明日の対決――


勝てるだろうか。


「いや、勝つしかない」


そう自分に言い聞かせて、目を閉じた。


ーー第58話に続く

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