第31話:美食結社の真実
クラウディアが去った翌日。
今度は、ゼンが再び店を訪れた。
「ケント、話がある」
「ゼンさん……」
「クラウディアを破ったそうだな」
「はい……」
「素晴らしい。予想通りだ」
ゼンは席に座った。
「実は、お前に謝らなければならない」
「謝る……?」
「ああ。美食結社のことだ」
ゼンは真剣な顔で言った。
「美食結社は、表向きは美食を追求する組織だ」
「でも、裏の目的がある」
「裏の目的……?」
「世界中の優れた料理人を集めて――」
ゼンは声を落とした。
「究極の料理を作り出すことだ」
「究極の料理……?」
「ああ。伝説によれば、完璧な料理を作れば――」
「神の祝福を受けられるという」
「神の祝福……」
「そうだ。不老不死、無限の富、絶対的な力」
「それを得るために、美食結社は暗躍している」
ゼンは続けた。
「だが、私はそれに疑問を持ち始めた」
「お前の料理を食べて、分かったんだ」
「本当の料理とは、神の祝福を得るためのものじゃない」
「人を幸せにするためのものだと」
「ゼンさん……」
「だから、私は美食結社を抜けることにした」
「え……!」
「ああ。そして、お前に協力したい」
ゼンは俺の目を見た。
「美食結社は、これからお前を狙うだろう」
「お前の『調理の祝福』は、究極の料理を作る鍵だと考えている」
「俺を……?」
「ああ。だから、気をつけろ」
「分かりました……」
「私は、影からお前を守る」
ゼンは立ち上がった。
「お前の料理は、世界を変える力を持っている」
「その力を、正しく使ってくれ」
「はい」
ゼンは去っていった。
「美食結社か……」
また、厄介な敵ができた。
その夜。
レオンさんに相談した。
「美食結社の真の目的……知っていましたか?」
「ああ、噂は聞いていた」
レオンさんは頷いた。
「彼らは危険だ。世界中の料理人を利用している」
「どうすればいいでしょうか……」
「逃げることもできる」
レオンさんは言った。
「でも、お前はそういう人間じゃないだろう」
「……はい」
「なら、戦うしかない」
「戦う……」
「ああ。お前の料理で、美食結社の野望を打ち砕け」
レオンさんは微笑んだ。
「私も、協力する」
「レオンさん……」
「それに、お前には仲間がいる」
レオンさんはリナとユウを見た。
「この二人も、立派な料理人だ」
「はい」
「だから、心配するな」
「ありがとうございます」
翌日。
リナとユウを集めて、全てを話した。
「美食結社が、ケントを狙ってる……?」
「そんな……」
二人は心配そうだった。
「でも、大丈夫」
俺は笑顔で言った。
「俺には、お前たちがいる」
「一緒に戦ってくれるか?」
「当たり前だよ!」
リナが即答した。
「私、ケントのために何でもする!」
「僕もです!」
ユウも力強く頷いた。
「ケントさんは、僕を拾ってくれた恩人です」
「恩返しがしたい」
「ありがとう、二人とも」
俺たちは、手を重ねた。
「じゃあ、これから特訓だ」
「特訓?」
「ああ。美食結社と戦うために、もっと強くなる」
「おお!」
こうして、俺たちの修行が始まった。
ーー第32話に続く




