第一王子は別に恋しなくても良いよね?
他の作品の息抜きで書いた感じです。
なので、短めです
あまり見直してないので、おかしな点、等あるかもです。
みんなの声が今日も黄色く俺の耳に届く。
「エヴァ第一王子様!!あの、この間のお礼がしたくて」
「いつ見ても凜としたお姿に何度でも心を奪われてしまいますぅ」
「エヴァ様!今日もお美しいです!」
……知ってるよ?
「ありがとう。でも、君達の方が可憐で僕には眩しいくらいだよ」
まぁ、この一言で彼女らは満足してくれるから楽だよね。
俺はいつも通り、学校が終わると車で家に帰り、ちょっと弟をいじってからご飯食べたりして寝るだけ。
俺の楽しみなんて弟いじることくらいしかないよ。
もう、女の子達はあしらったし、帰るか────
「あ、ねぇエヴァ?」
え?
俺が振り向くと周りの女の子達も頭にハテナを浮かべて声の主を見る。
今、エヴァって言った?
「な、何かな?えーっと...」
会ったことあったっけ?
でもたまにいるんだよね。一回話しただけでなんか親しげになる子。
「あぁ、知らなかったわね。私はリリアーネよ。覚えておいて?」
「いや、覚えておいてって.....」
何この子。凄くグイグイくるじゃん。
「で、リリアーネちゃんは何の用かな?」
「あ、出来ればリリアーネ『ちゃん』はやめて。リリアーネで良いわ」
「……」
えー。
何この子。
本当に何なの?
選択肢ガンガンいこうぜしかないの?
「あ、リリアーナでも良いわよ?」
リリアーネは俺の耳元まで来て囁く。
「っていやいやいや」
ダメでしょ。リリアーナはダメでしょう?
リリアーナはこの国の王妃の名前だよ?ダメでしょう。
……まぁ、死んでるけどね
「流石に、母上の名前を使うのは頂けないかな?」
「母上?母さん、って呼ばないの?」
「呼ばないよ!」
何で知ってるの!?
俺、本人の前以外で呼んだことないよ!?
ってかそれ、俺が2歳までのことだしね!
2歳で母さんが死んじゃったからだけどね。
「あ、じゃあ取り敢えずここじゃあ落ち着かないから、城で話しましょうか」
「え?何言って────」
「松岡さん。城まで行ってくださいな」
「……松田ですよ、お嬢様....?」
おっとまずいぞ?
この松田さんとの絡みは見たことあるぞ?
よく母さんがやってたぞ?
松田さんも『?』出てるし。
あれ?
「おお!リリアーネではないか!!」
おい、そこの王よ。自分の息子より他人を優先するなよ。
ってか
「リリアーネは父上と知り合いなのかい?」
「はっはっは!聞いて驚け我が息子よ。この者はお前達の新しい母親に────」
父さんが何か言いかけるが即座に上段蹴りが顔面にクリーンヒットし、王城の壁にめり込む。
「なりませんよ?いやですねぇアハハハ」
「と、とうさーーん!!」
「あっはっはっは!リリアーネは元気があって良いなぁ!」
「国王陛下、私は第一王子殿下とお話があるので....」
そこまで言うと何か殺気のような物を放ちながらにこりと微笑む。
「邪魔です」
「失礼しましたぁ!」
王よ。俺は情けないぞ。
息子として恥じるぞ。嫁以外のものに尻に敷かれるとは...
俺とリリアーネは俺の部屋に入った時から何故か2つあった椅子に腰掛ける。
爺やさん、仕事早すぎですよ。
「それで、リリアーネさんは僕にどの様なご用事で?」
いや、別に敬語になったのはビビってるわけじゃないよ?
「まぁ、そうね。特に用事はなかったけど」
え。用事なかったの?
そしてリリアーネは意を決した様に口を開く。
「貴方はしっかりしているし、多分所々で手助けもしてくれると思うので言います」
何か、その場の雰囲気が変わった様に感じる
「エヴァ・ブリタニア、良く聞きなさい?」
俺は唾を飲む。
その唾を飲む音さえ静寂とした場では、何よりも音が響く。
「私は、ブリタニア王国王妃、リリアーナ・ブリタニアの生まれ変わりです」
は?
「いや、え!?」
何言ってんの!?
「まぁ、混乱するのも無理はないでしょう。ですが、これは事実です。ですので、これから2人の時ははリリアーナとして話しかけなさい。エヴァ」
いやいやいや、無理でしょう!急にどうしたのこの子!?
とか、思ってる時期が俺にもありました。
いや、話してたらどうやら本物みたいなんだよ。
もともと、前世での生は17年、こっちでは18年になるから、口調は変わっているけど記憶は確かにそのままだった。
俺が2歳の頃にはどうしてた、とか。
もう、俺が知らないことも知ってたしね。
それに、なんか安心するんだよね。この子といると。
リリアーネが言っていたのは『他の人に私の事を言ってはいけません』ということだった。
そして、嵐の様に去って行った。
まったく。とんでもない子だよ
でも、どうするかな。
本当に母さんが言った通りみんなに言わないか。
父さん.....はダメだな。
生前の母さんの顔も見れなかった弟だけには教えるかな。
でも、母さんが言うなって言ったってことは何かしらデメリットがあるはずだよな。
なんだろう。
…………
……
…
「ま、いっか」
取り敢えず、これからはリリアーネの事は見張る必要がありそうだな。
何故かって?
そりゃあ
……面白そうだからに決まってるじゃん
っでも、母さんのガードも固いらしくてなかなか良い情報が入ってこない。
とは言っても、爺やさんに聞いたら少しだけ面白い情報も入ったよ?
うちの父さんと弟は彼女に好意を寄せているらしい。
ついでに、母さん、リリアーネは忌子として扱われているのだとか。
ん?
嫌だなぁ。
俺は弟や父さんとは違って母さんに惚れたりしないよ。
むしろ、母さんって知ってから好きになるとか、もうやばいやつじゃん。
でも、他の女の子の相手は出来なくなりそうだな。
これからはリリアーネの事で弟をいじれるし。
楽しいことが増えまくりだな。
これからも母さんを見張....見守って、時々手を貸してあげなきゃかな?
今名前わかってるのは..........
(リリアーナ・ブリタニア)リリアーネ(転生王妃) 1
エドワード(男性教授)
エリーゼ・グレモアリー(悪者?令嬢※悪役ではなく悪者です) 2
グレン・ブリタニア(国王陛下) 3
(ロミオ・モンテッキ)ロミオ・オスカー(前世ロミオ) 5
ジュリエット・グレモアリー(前世ロミオ姉) 6
(ジュリエット・カプレーティ)リネ・J・カプレーティ(前世ジュリエット) 7
エヴァ・ブリタニア(第一王子) 8
になります。
数字は話の目線主の順番です。書いてない4は爺やです。