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雑音と雑踏。
「人間なんて、みんなゴミじゃないか。」
行き交う人の波、忙しなく響く足音、混雑する町の中で、少年は声をひそめるでもなく呟く。
誰も少年の言葉など気にも留めず、何か怒っているような表情で、何かから逃げるような早足で通り過ぎていく。
なぜそんなにも急いでいるのだろう。どうせそんなに急いだって、その分寿命が延びるわけでも、やらなきゃいけない事から逃避できるわけでもない。何も変わらないのに。
まだ中学二年生の少年は、全てを悟ったような、そして、全てのモノから興味を失ってしまったような、硝子玉みたいに全てを写しているようで、全てをただただ反射しているだけの瞳で、行き交う人々を、宙を舞う無数の埃でも見るかのように眺めている。
なぜ少年はこんなにも同族嫌悪するのだろうか。それはあるいは、少年の生まれつき持っている、いや、持ってしまっている、能力のせいかもしれない。




