イベント
俺は公園に仕掛けた映像付き盗聴器でエフィドとフーラの会話を聞いていた。
『今日は楽しかったね、特にカフェ止まり木のケーキ美味しかったね!また行こうよ』
『……うん、楽しかったわ』
『どうしたの?何かあった?』
『言えないわ、言えば貴方を巻き込んでしまうから……』
『そんな事を気にしなくていいよ、僕は強いし!見たでしょ、学園長に一太刀入れたとこ!遠慮なく頼ってよ、フーラとはもう友達なんだから』
『……分かったわ、実は』
(これでフラグが立った。これでスノアもプライド公爵の証拠を集めれれるだろう、多分1時間くらいで連絡くるかな)
第2章の大ボス『プライド・サリー・マレリック』には10の犯罪組織と繋がりがあり、その1つに彼を破滅に追いやる証拠がある。その他にアルテと原作のクルトも1つずつ所有しており、この中のどっちかと合わせてプライド公爵を倒すと第2章クリアとなる。
俺もちゃんと回収してある、第1章で回収していた奴隷取引書だ。原作クルトはお助けキャラであり犯罪組織で鉢合わせした時にクルトから証拠を貰う事が出来るようになっている。
(盗聴を終わろうか)
電源を切ろうとした時俺は画面越しに違和感を覚えた。エフィド達の後は草木生い茂っているのだが、枝や草の間から所々視認しにくい緑色の服が見える。
(この感じプロだな、多分〈虚無の構成員かな)
一昨日大きな犯罪組織が2つ潰されそこはプライド公爵関連の組織だった……成程気付いたのか、この世界の仕組みに。この世界はゲームでもある為、フラグを立てないと次のステージに進めない。今回だとこの対話があって初めて犯罪組織から証拠を手に入れることが出来る。
(だか犯罪組織に行く為のフラグを構築が必要、そして潜入をさせていない彼は原作よりショートカットしたフラグ構築でも最低でも5時間かかる。だが俺はスノアから証拠を受け取ったらフラグが成立する。だから差が生まれ初手で当たりを引いたとしても、もう俺が回収した後。この章も勝ちを拾わせてもらうぞ)
――――
その日の夜
「クルト様これが貴族派に潜入して得た情報です」
「よくやってくれた、ありがとう」
(マフィア『深淵』のトップ『切断魔マッドジェイ』がプライドの悪事の証拠を秘密裏に持っているようだな)
原作では各犯罪組織のトップのうち1人がプライドを脅す為に証拠を秘密裏に集めていたと書かれている。この謀反を起こす奴はランダムで決められるから絞り込めたのは大きい。
「あなたの任務無事果たせたのね、良かったわ……ならご褒美にいつもの、いいかしら?」
スノアが頭を差し出してくる。それを俺が優しく撫でるといつも笑顔を浮かべている顔の表情筋が溶け更に弛緩した。
「にゃへへ…」
(あっ、とてもいい匂い……)
「……」
(猫みたいだな……)
撫でるのをやめ少しほっこりした気分で計画を練る。
(そうだな、これなら原作のルートで進めた方が早いか。確か今日か明日のどちらかの闇オークションに行けばよかったよな、ならグラトは今日限定のルートを進める。だから今日行こうか)
スノアは優秀で闇オークションの場所まで調べ上げている。
「バガックスとフランチェはいつ帰って来るかわかるか?」
「バガックスは明日でフランチェは今日帰ってくると」
(行き先は闇のオークション会場だからドレスコードでスノアを連れて行こうかと思ってたが……スノアにはただでさえ負担をかけてる、フランチェが帰ってくるならフランチェにするか。それにしてももう王国北部の犯罪組織を潰したのか、騎士団が指名手配してもまだお縄にできなかったのに。噂では『三武聖』の剛剣のラグイナンが出張ってくるかもと言われていたが…早いな、腕を上げたか)
「そうか、ならフランチェに『帰ったら作業部屋に来てくれ』と伝えておいてくれ」
「分かったわ」
「それと休暇を取って君も帝国に向かってローズと合流してくれ、王国内は少しの間グランに任せる」
「すぐに向かうわ」
「いや、だから休暇を取っていいと」
「あなたから与えられた任務よ、休暇なんて取れないわ」
「……そうか、体調を崩されては俺を含め皆心配する。肩の力を入れすぎるなよ」
(重い……そこまで力を入れなくていいのだが)
「!……ありがとう」
(私を心配してくれた!!!なんてお優しいの……)
(伝わってなさそうだな……こりゃあダメだわ)
ーーー
この世界の元となるゲームは星の数ほどのエンディクがありグラトにすらヒロインとの結婚(?)エンドがあるくらいです。ですのでグラトが気付いて自分の計画通りに進んでいれば自分がフーラと対話し先に進めていました。




