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転生悪役令嬢はお茶漬けが食べたい【長編版】  作者: 藍銅 紅@『お姉様はずるい』コミカライズ連載中


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第57話 アンズー干し!

梅果肉のクリームチーズあえを食し、ビールも飲んで。

完全に、飲み屋モード……。

とすると、今から食べる梅茶漬けは……飲み会の、締めですか⁉


あはははは。


合うよね。締めに冷やし梅出汁茶漬け。


では、参りましょう!


「それでは皆様! 麦飯はお手元に渡りましたでしょうか⁉ 今回は大麦半分、もち麦半分の比率で炊いてみました。そこにアンズー干しの果肉をほぐしたものを乗せて、ゴマを乗せて、ボーラス・リーベルの塩漬けを千切りにしたものも載せてください!」


皆様、手に茶碗……ではなくて、スープボール。そこに麦飯ともち麦を炊いたものを一口分ほどよそいます。そして、アンズー干し……と言っても、まだ漬けただけで、三日三晩の天日干しはしていないんだけど……を乗せる。


「ここに加えますものは、あったかいだし汁。冷やしただし汁。あたたかい麦茶。冷やした麦茶。四種類をご用意していますので、お好きなものをかけて食してください!」


もちろんわたしもナイジェル様も、四パターン、全部試すつもりよ!

だから、麦飯が一口分なの。

ガッツリ食べたら、お腹いっぱいになっちゃうからね!


そうして、まずは温かいだし汁から食します。


うひょひょひょひょい!

香るお出汁。そこに梅。酸味と塩気のコラボレーション!

その上、ゴマもいいアクセントになっています!


「海苔、欲しいなー。ここに海苔があったらきっと完璧」


いや、完璧なるお茶漬けには遠いのは分かっている!

やっぱり白米様の高みには届いていないからね!

だけど、そうね、満足までは行かないけど、許容範囲。


なんて、偉そうに言いながら、四パターン、すべて試します。


うむ。

季節的に冷やし麦茶梅干し茶漬けが一番かな⁉

でも、冬の寒いときならきっと、温かな出汁茶漬けがいいわよね。


ああ、甲乙つけがたし


とりあえず、及第点よ!


ナイジェル様は、無言でお茶漬け四種類をがっついて食し。

村の皆様は、あれがいい、これがいい……などとわいわい言いながら梅茶漬けを食べています。


皆さん、顔が明るいわ!

梅干し駄目っていう人はあんまりいないみたい。あんまりというか……、子どもたちは梅抜きの、麦茶をかけただけのお茶漬けのほうが好みみたいね。


「さて、漬けただけのアンズーですが。これ、このままでも食せますけど。保存性を高めるためには、本来はこの後、三日三晩の天日干しを行わなければなりません!」


そう、梅干し作りの最終段階。

わたしの作り方だと、晴れた朝に、ざるに入れて梅を干して、夜にはまた梅壺の中に戻す……っていうのを三日間繰り返すのよねえ。


でも、アンズー干しはどうかな。

干さなくても、漬けただけで充分おいしい。


んー、でもやってみますか!


「でも、食べ比べて、研究をしたいので。四分の一はこのまま漬け込んだまま。四分の一は、一日だけ天日干し。四分の一は二日間の天日干し。残りの四分の一は三日三晩干してみましょう!」


やってみた結果。食べておいしいのは二日間干したアンズーを、壺に戻して保存したバージョンだった。


でも、三日間干して、かなりの水分を抜いたアンズーを黒焼きにしてみたら……。

何と、生理痛や頭痛に効果があったのよ! わー……。

梅干しの黒焼きが生理痛にいいと、書物で読んだことがあったからねえ。

たまたま生理痛の村人がいたから試してもらったの。


ボーラス・リーベルの葉っぱで、アンズーをぐるぐる巻きにして。それを真っ黒になるまで焼くのね。で、それをコップに入れて、熱湯を注いで、冷めた頃に飲んでもらったのね。そうしたら……効果があった!


これが、後に、カイエン男爵領の特産品になる、アンズーの黒焼きの発祥となったのよ……。そして、アンズー干しは一大産業化。よっしゃー!




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