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【第四部】忘れじのデウス・エクス・マキナ 〜外れ職業【ゴミ漁り】と外れスキル【ゴミ拾い】のせいで追放された名門貴族の少年、古代超文明のアーティファクト(ゴミ)を拾い最強の存在へと覚醒する〜  作者: アパッチ
第三部:方舟大戦篇『最後の希望』

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序幕①:女神アーカーシャの子どもたち


「まったく……何故、私がこんな事を? 私以外の『四大しだい』なんて()()()()()ばかりだと言うのに……」



 ――――グランティアーゼ王国某所、時刻は明朝。王都【シェルス・ポエナ】消滅事件『グランティアーゼの落涙』から数時間後。レイ=フレイムヘイズこと、“アグニ”と呼ばれたエルフの女騎士は不満に満ちた表情で長椅子に腰掛けていた。


 場所は王都からすぐ近くにある小さな農村、其処に在るアーカーシャ教団の所有する小さな教会。祭壇に置かれた女神アーカーシャをまつった彫刻を眺めながら、“アグニ”はある者たちを退屈そうに待ち続けていた。



『あら……久し振りやねぇ、“アグニ”はん。どないしたん、右腕が無くなってもうてるよ? くすくす……腕、取るなんて“アグニ”はんは酔狂なお方やなぁ?』


「――――チッ、腕なんぞ幾らでも再生できる、貴様も知っているだろうが……! 相変わらず陰険な奴だな、“アプ”!」



 そんな“アグニ”にからかうように声を掛けながら、祭壇の側に立体映像ホログラムとして現れたのは一人の少女。


 額から生えた白い二本の“角”、煌びやかな金塊のように妖しく輝く魔性の瞳、やや尖った形状の耳、金色こんじきに光るかんざしで飾られたつややかな黒髪、睡蓮スイレンの描かれた紺色の着物を肩を露わにするように着こなした魔人の女。


 彼女の名は“アプ”――――原初の魔人と謳われた『四大しだい』の一角。



『にゃっはっは! 随分と妖艶な格好してるのね〜、“アプ”っち。それが()()()に伝わる“花魁おいらん”の衣装か〜?』


『そうやよ〜♪ 最近のうちのお気に入り、綺麗な衣装べべやと思わへん? なぁ、“プリティヴィー”はん?』



 次に立体映像ホログラムとして教会に現れたのは弾むような声が印象的な少女。


 頭部から長く伸びた狐色の獣耳、腰部から生えたほのかに輝く九本のふわふわとした尻尾、はにかんだ口元に見える鋭く尖った犬歯、魔女が身に着ける黒いとんがり帽子、光を吸収して逃さないような漆黒のローブに身を包んだケモノ


 彼女の名は“プリティヴィー”――――原初のケモノあがめられた『四大』の一角。



『まったく……いつも通りの呑気っぷりだな、貴様達は。呆れを通り越して感心するよ……』


「お前も同じ穴のムジナだぞ、“ヴァーユ”。天空大陸の引き籠もりが……!」


此方こっちは暇じゃないんだ。国をおこしては潰す遊戯ゲームふけっている貴様達と一緒にしないでくれるか?』



 三番目に立体映像ホログラムを通じて顔を出したのは、気怠そうな雰囲気で空中に足を組みながら浮かぶ少女。


 側頭部から伸びた漆黒の“角”、背中から生えた黒い竜の翼、腰部から伸びる真っ黒な尻尾、蛇のように鋭い金色こんじきの瞳、見る者を魅了する銀色の髪、黒と赤を基調とした軍服を身に纏った竜。


 彼女の名は“ヴァーユ”――――原初の竜と畏れられた『四大』の一角。



「こうして『四大』が一同に顔を合わせるのは三千年ぶりだったか? 前は確か“強欲の魔王”が出しゃばっていた時期だったな……」


『思い出話はどうでもいい、要件はノア=ラストアークについてだろう、“アグニ”よ? さっさと始めろ、此方こっちは貴重な時間を割いているんだ』


『あら、“ヴァーユ”はん、せっかちやね〜? そないに“アグニ”はんの失態について聴きたいん?』


『にゃはは、オイラも早く“アグニ”っちの失敗談を聴きたいな〜♪ その腕の傷、ルクスリアちゃんにやられたって〜?』


「あぁ、うざったらしい……! これだからこいつ等とは顔を合わせたくないんだ!」



 教会に集った四名、彼女たちの総称は『四大しだい』。女神アーカーシャが生み出した()()()()の生物の原型プロトタイプとなった者たちだ。


 久しく顔を合わせていなかった四大達はお互いを煽るように会話する。その主な矛先は“アグニ”だ。


 教会の長椅子に尊大な態度で座る彼女の姿は他の三名には刺激的に映っている。原初の亜人として設計デザインされた“アグニ”、美しいくれないの光沢で彩られた騎士甲冑を装備したエルフの女騎士は右腕を欠損していたからだ。


 先の『グランティアーゼの落涙』で“暴食の魔王”ルクスリア=グラトニスと戦った彼女は、グラトニスの自爆攻撃によって右腕を失った。それが他の三名には滑稽だったらしい。立体映像ホログラムで映し出された“アプ”と“プリティヴィー”はケラケラと“アグニ”のさまわらい、“ヴァーユ”は『情けない』と言わんばかりの表情で大きなため息をついていた。



「いいか、アーカーシャお母様が危惧していたノア=ラストアークが遂に顕れたんだ! 私の失態なぞ気にしている場合か!?」


『気にするよ~、“アグニ”はん? だって……うち等は今から“アグニ”はんの()()()()()の尻拭いをせなあかん訳やし~』


「な……っ、違う、ノア=ラストアーク達を騎士団に引き込んだのはヴィンセントだ、私じゃない! それに、グラトニスを始末するまで連中を泳がせておけと命じたのはアーカーシャお母様だ、私は悪くない!」


『母様の裁定が不服なのか、“アグニ”? それに、お前が“暴食の魔王”亡き後の連中の始末について計画プランを練っていないのは事実なのだろう? 見苦しい言い訳をするな』


「その連中の始末が“粛清”だ! 私はお母様の計画プランに従ってテトラ=エトセトラの暗殺を実行したんだぞ! だが邪魔が入った、『エンゲージ』とか言う奴のせいでノア=ラストアーク達を取り逃がしたんだ!」



 前日に発生した『グランティアーゼの落涙』で、アーカーシャ教団と“アグニ”は『四名の魔王の処断』、『グランティアーゼ王国の粛清』、『ノア=ラストアークの抹殺』を敢行した。しかし、事は女神アーカーシャの思惑通りには進まなかった。


 四名の魔王は全員が健在で王都を脱出、ノア=ラストアークの抹殺も失敗に終わり、王族を取り逃がした事でグランティアーゼ王国の完全消滅は未達成。これらの現状を“アグニ”は『エンゲージの邪魔が入ったせいだ』と反論していた。



『その“障害”を事前に取り除く事が君の仕事ではないのかい、“アグニ”くん? 女神システムの立てた計画した通りに事が運ばなかったのはそれが原因だよ……』


「貴様は……まさか……?」



 だが、そんな“アグニ”の主張は、教会の内部に響き渡った少女の声と共にあっさりと否定されてしまった。そして、祭壇の真ん前に立体映像ホログラムを通じて現れた少女に四大達は目を丸める事になった。


 祭壇に現れたのは一人の“人形マキナ”――――淡く輝く翡翠エメラルド色の長髪、血を零したような朱い瞳、肩の露出した白いワイシャツと赤いリボンタイ、黒いミニスカートと黒いハイソックス、曝け出した右肩に個体識別用の縞模様バーコードが刻まれた少女。



『やぁやぁ、はじめまして、ボクの名前はトネリコ=アルカンシェル。今日から君たち四大を指揮する事になった“人形マキナ”だよ。どうかよろしくね』



 彼女の名はトネリコ=アルカンシェル――――女神アーカーシャの手で永きに渡る眠りから解き放たれた“人形マキナ”である。

第三部がいよいよ開幕です。

よろしくお願い致します\(^o^)/

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