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【第四部】忘れじのデウス・エクス・マキナ 〜外れ職業【ゴミ漁り】と外れスキル【ゴミ拾い】のせいで追放された名門貴族の少年、古代超文明のアーティファクト(ゴミ)を拾い最強の存在へと覚醒する〜  作者: アパッチ
第九章:グランティアーゼの落涙

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第318話:Awakening The Chaos


「あぁ、しっかりと見届けたぜ、『ⅩⅠ(イレヴン)』。アインス=エンシェント、見事な生き様だったよ……」



 ――――グランティアーゼ王国、雪の降る小さな丘にて。


 朝から降りしきる雪を羽織ったフードで防ぎながら、ホープ=エンゲージは憂いた表情で王都の在る方角を眺めていた。



「ノア=ラストアークたちは内通者が仕掛けた『転移陣ポータル』で無事に脱出、ラムダ=エンシェントもアルテリオンの機動力で機械天使ティタノマキナの追撃を撒いた。全部、あんたの予測通りになったぜ、『ⅩⅠ(イレヴン)』?」



 耳元に装着した通信機で『ⅩⅠ(イレヴン)』と呼ばれた人物と会話するホープ。その言葉には助かった者の無事ヘの安堵、犠牲になった人々への追悼、全てを見通していた『ⅩⅠ(イレヴン)』への複雑な感情が渦巻いている。


 ラムダ=エンシェントたち“反逆者”の脱出、“暴食の魔王”グラトニスの復活、女神アーカーシャによる“粛清”、グランティアーゼ王国の崩壊。その全ての事象を聞かされていながらホープは何もせず、ただ起こった出来事の観測に努めた。


 それが『ⅩⅠ(イレヴン)』と呼ばれた人物の指示だったからだ。



「オレたちが『グランティアーゼの落涙』に介入すれば大勢の人命が救えた筈、グランティアーゼ王国の崩壊は防げた筈だ。それを制してオレたちは“落涙”をただ見守った。ラムダ=エンシェントが親兄弟を失って、今まで築いた尊厳を全て打ち砕かれるのをただ黙って観ていた……それで良かったんだな?」


『――――』


「あぁ、分かった、それがあんたの意志だな? なら、もうゴタゴタ文句は言わねぇよ!」



 グランティアーゼ王国はアーカーシャ教団による“粛清”で実質的な崩壊を辿る事になった。


 国王ヴィンセントや元老院貴族たちは“落涙”による王都消滅によって殆どが死に絶え、運良く生き延びた王族たちも全員が教団に狙われ、為政者の失った王国は完全に機能不全に陥ってしまった。


 残されたのは政治にうとい民草や、地方を治める一介の領主だけ。彼等に広大な王国を指揮する手腕は無い。となれば、アーカーシャ教団が王国領を実質的に占拠するだろう。


 そこまでの予想を立てながら、ホープは事態をただ見守る事しか出来なかった。それが彼女には歯痒くて仕方なかった。



「だが、これでようやく“スタートライン”には立てたな! “神殺しの騎士”はグランティアーゼ王国と言う『鳥籠ケージ』から解き放たれた。こっからが本当の喧嘩の始まりだ!」



 だが、ホープ=エンゲージと言う名の“人形マキナ”の瞳から闘志が消える事は無い。何故なら、『グランティアーゼの落涙』によって女神アーカーシャは()()()()()()()を覚醒させてしまったのだから。


 “憤怒イラ”“怠惰アケディア”“暴食グラ”“色欲ルクスリア”、四つの魔王を傘下に従え、“強欲アワリティア”“嫉妬インヴィディア”を喰らった“傲慢スペルビア”の体現者。そして、“アーティファクトの少女”ノア=ラストアークとかたい絆で結ばれた少年。


 名をラムダ=エンシェント――――“神殺しの魔剣”を携えた『神の敵』。彼は遂にグランティアーゼ王国と言う“しがらみ”から解き放たれ、女神アーカーシャへの明確な敵意を抱いてしまった。それが、世界の“分岐点”になるとも知らずに。



「永きに渡り続いた偽りの平和、支配された『反理想郷ディストピア』は間もなく終焉を迎える! 世界は遂に“混沌カオス”を覚醒させた! 女神アーカーシャよ、手前テメェが創った世界の“いびつ”の化身こそがラムダ=エンシェントだ! さぁ、オレたちの時代を滅ぼした罰が遂に降り注ぐぞ!!」



 ホープは待ち望んだ()()()に歓喜し、寒空に大声を張り上げる。


 女神システムアーカーシャによって滅ぼされた古代文明の復讐の時を、十万年の歳月を我が物のようにもてあそんだ報復の時を、悪戯に殺さた人々の無念を晴らす時を、宣戦布告のように歌って。



「聴こえているか、反逆者ども!」


『――――通信良好。よく聴こえていますよ、エンゲージさん。いよいよ始めるのですね?』


「その声はトリニティか! あぁ、待たせたな、いよいよ出陣だ! いかりを上げろ、帆を張れ、翼を広げろ、反撃の牙を剥け! 歴史の表舞台に殴り込みを掛けるぞ!!」



 そして、ホープに掛け声と共にいよいよ()()()()は動き出す。


 グランティアーゼ王国と魔界【マルム・カイルム】との間で起こった『アーティファクト戦争』の裏方うらかたで暗躍し続けたホープ=エンゲージたちの組織。“最後の希望(ラストアーク)”を旗印はたじるしに集った反逆者たちの決起の時。



「先ずは『転移陣ポータル』で廃教会に逃げ延びたラムダ=エンシェントたちを迎えに行くぞ! ”木馬“の準備は出来ているな、レイチェル?」


『はい、いつでも発進できます、エンゲージさん!』


「よぉし、上出来だ! 逃げ延びた連中はじきに追手に包囲される。オレたちの役目はその包囲網を突破することだ! 行くぜ、ラストアーク騎士団――――出陣ッッ!!」



 その名は『ラストアーク騎士団』――――女神システムアーカーシャへと反旗をひるがす反逆者たちの名前。機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナに支配された世界に残された最後の希望の名。


 彼女たちが世界にもたらすのは“混沌カオス”か“希望ホープ”か。



――第二部:王立騎士団編『アーティファクト戦争』〜了。


 第三部:方舟大戦編『最後の希望(ラストアーク)』へと続く――

これにて第二部:王立騎士団編が終了しました〜♪


続いて第三部:方舟大戦編が始まりますので、引き続きよろしくお願い致します\(^o^)/



感想や評価、レビューなどもお待ちしています(人∀・)

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