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攻略対象の妹だそうです。  作者: 天海姫香
10/10

公爵令息の独白

今回は成長したレオンハルト君視点です。

11歳くらいかな。

次はジェレミア殿下サイドです。

ーーーいつ頃からだろうか。

可愛かったはずのエレオノーラが、愛すべき対象であるエレオノーラが、疎ましく、そして恐ろしくなったのは。

はじめは単なるやっかみ…嫉妬だった。

けれども1度狂い始めた歯車は戻らない。

父が愛し、母が愛し、周囲の人々全てが讃える妹が、心底恐ろしくなった。


ーーこの女は、僕から何をどれだけ奪う気なのだ。地位も、名声も、全てを僕から奪う気なのか…?


可愛い顔も、柔らかい笑みも、お兄さま、と呼ぶ声も…全てがおぞましく思えてしまう。


ーーーなぜだ!?なぜだ!?なぜ僕はこうも上手くいかない!?



ああ、そうか。

『全てあの女のせいなんだ』



エレオノーラは気付いているのかもしれない。

突然の兄の豹変に。


だけれど、あの女の行動全てが、僕の居場所を奪っていく。僕にかけられる愛情を、関心を、奪っていく。



そんな時だった。


『君がレオンハルト・エル・アスリーヌ?』


第1王子殿下と出会ったのは。


穏やかな瞳に穏やかな物腰。

柔らかな微笑みに僕は直ぐに心を奪われた。


ーーーこの方に、お仕えしたい。

僕が一生涯、持てる全てを捧げたい。


そう思った。



「王子殿下。」


「ジェレミア、だろう?」


にこりと微笑んで否定される。

彼は、僕が王子殿下と呼ぶことを望まず、ジェレミアと呼ぶことを望んだ。

だけど、慣れない。

名前で呼び合うような同年代の友人などいなかったからだ。


「ジェレミア…様。」


「…よく出来ました。レオン。」


緩やかに細められる緑の瞳が好きだ。

僕をいたわり、褒めてくれるその手が好き。

美しい金の髪も。


全部が美しくて、大好きなジェレミア殿下。


この人だけは、エレオノーラに取られたくなかった。

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