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読まれるエンタメ物語のテンプレ集 ~テンプレは悪じゃない!読者の期待を外さない物語の組み立て方~  作者: 夕月 悠里
ファンタジー・SF系でよくあるテンプレ

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冒険者 / 探索者 / ハンター / クエスト

やあ(´・ω・`)


ようこそ、異世界ファンタジーの万能のアイデア「冒険者、探索者、ハンター、クエスト」へ。


冒険者ギルドの壁に並べられた依頼書。ゴブリンの討伐、薬草の採集、行方不明者の捜索、遺跡の調査、商隊の護衛。


主人公は、その中から自分の実力に合った依頼を選ぶ。必要な装備や食料を買い、仲間と作戦を立て、町の外へ出発する。無事に仕事を終えれば、ギルドへ戻って報告し報酬を受け取る。


そして、次の依頼へ向かう。


この単純な繰り返しが、なぜこれほど多くのファンタジー作品を支えているのだろうか。


言ってしまえば、冒険者とは命を懸けて働く異世界のフリーランスだ。


国から与えられた使命に従うのではなく、どこへ行き、何を引き受け、誰と組むかを自分で決められる。この自由な生き方が冒険者という職業の大きな魅力になっている。


ということで今回は、依頼と報酬で回る冒険の世界「冒険者、探索者、ハンター、クエスト」の強さを見ていこう。


◆ ◇ ◇ ◇ ◇


1. 冒険者、探索者、ハンター、クエストとは


このジャンルは、主人公がギルドや個人から依頼を受け、戦闘、採集、護衛、調査などの仕事をこなしながら、経験値、報酬、名声を獲得していく物語だ。


それぞれの言葉の定義とニュアンスの違いを整理しておこう。


・冒険者: 魔物を討伐する戦士、迷宮に潜る盗賊、薬草を集める採取人、商人を守る護衛など、ギルドに属して依頼をこなす「何でも屋」の総称。仕事の幅が最も広い。


・探索者: 巨大なダンジョン、塔、地下迷宮、未知の異界などに潜り、地図を作り、資源や遺物を持ち帰ることに特化した職業。現代社会に突如ダンジョンが出現する現代ダンジョンものでよく使われる呼称だ。


・ハンター: 特定の巨大な魔物、賞金首、危険生物などを追跡・討伐または捕獲することに特化した職業。正面からの殴り合いだけでなく、痕跡を読む知識、生態の分析、罠の設置など狩猟の専門性が求められる。


そしてクエストとは、職業名ではなく、主人公たちへ与えられる「仕事や課題の単位」を指す。


依頼人が困り事を持ち込み、主人公がそれを引き受け、問題を解決し、報酬を受け取る。一つのクエストが、一話、数話、あるいは一つの章になる。



つまり、冒険者、探索者、ハンターは「主人公がどのような立場で働くか」を示し、クエストは「物語をどのような単位で進めるか」を示している。


このジャンルを一言で表現するなら、「主人公が自分の能力と仲間を使って依頼や探索へ挑み、達成によって報酬、実績、成長を得る、仕事請負型の冒険物語」だ。


典型的なエピソードでは、まず依頼が提示される。


・村の近くにゴブリンが現れた。

・山道を通る商隊の護衛が必要になった。

・遺跡へ向かった調査隊が戻ってこない。

・貴重な薬草を採取しなければ、患者の命が危ない。


主人公は依頼内容を確認し、報酬と危険度を判断する。情報を集め、仲間を選び、道具を準備して現地へ向かう。


しかし、現場では事前情報どおりに進まない。


・ゴブリンの群れだと思っていたものが、実際には大規模な軍勢だった。

・護衛対象の商人が秘密を隠している。

・薬草の群生地には、危険な魔物が巣を作っている。


主人公は予想外の事態へ対応しなければならない。


依頼を解決して町へ戻れば、報酬と評価を得る。失敗すれば、金、仲間、信用を失うこともある。


この「依頼受注→準備→現地での異変→解決→帰還」という流れが、冒険者・クエストものの基本構造なんだ。


◆ ◆ ◇ ◇ ◇


2. 冒険者、探索者、ハンター、クエストのここがすごい


このジャンルが読者に与える快感は主に3つにある。



【理由1:読者を飽きさせないクエストループ】

一つのクエストを終えるたびに小さな完結と達成感が得られる。


例えば、敵を倒した、依頼人を救った、報酬を受け取った、新しい装備を買った、冒険者としての評判が上がった、といった小さな区切りがいくつもある。


物語全体の目的がまだ遠くても、一話や一章ごとに成果が返ってくる。そのため、読者は「次の依頼も見たい」「新しい装備をどう使うのか知りたい」と続きを読みやすい。


これはRPGのレベル上げに似た快感だ。最初は一人で薬草を集めていた主人公が、やがて仲間を率い、受付嬢から名指しで指名され、自分たちの拠点を持つ。


生活、装備、人間関係が明確にアップデートされていくため、読者は「次はどんな依頼が来るのか」「この新しい装備はどう活躍するのか」と、無限にページをめくってしまうんだ。



【理由2:自由と完全実力主義】

勇者には世界を救う重い使命があり、騎士には国や主君への絶対の忠誠がある。しかし冒険者は、基本的には「依頼を選ぶ権利」を持っている。


今日は町で休む。明日は森へ行く。ムカつく貴族の依頼は蹴り飛ばし、金にはならなくても貧しい村人の依頼を受ける。


家柄や身分がなくても、己の剣と魔法と交渉力だけでメシを食い、信用を積み上げ、這い上がっていく。この「しがらみのない自由」と「完全な実力主義」が、現代社会のしがらみに縛られた読者の願望を満たすんだ。



【理由3:ギルドという最強のアイデア】

ギルドは自由な働き方を支える物語装置だ。物語を進める要素を多く持っている。


・依頼人と冒険者を仲介する。

・危険度を調べる。

・報酬を預かる。

・仕事を成功させた者へ実績を与える。

・依頼に失敗した場合は、救援や処罰を行う。


ギルドがあるから主人公は新しい町へ行っても仕事を見つけられる。


受付へ行き冒険者証を見せれば、その地域で受けられる依頼が分かる。土地勘がなくても、危険な魔物や宿泊施設の情報を得られる。


作者にとってもギルドは非常に便利だ。


依頼掲示板を使えば次の事件を自然に提示できる。ランク制度を使えば主人公の強さや信用を示せる。受付、冒険者、依頼人を通じて、新しい人物を登場させられる。


世界に問題が起きた時、なぜ主人公がそれを知り、関わることになるのか。ギルドから依頼されたと説明すれば導入を簡潔にできる。


さらに、クエスト形式はさまざまなジャンルを一つの作品へ入れられる。


討伐依頼ならバトルになる。遺跡調査ならミステリーや探索になる。護衛任務ならロードムービーや人間関係を描ける。行方不明者の捜索なら、ホラーやサスペンスにもできる。


冒険者という共通の職業とクエストという共通の構造があるため、雰囲気の異なる話を同じシリーズへまとめられる。


この幅広さが、冒険者・クエストものを長期連載へ向いたジャンルにしているんだ。


◆ ◆ ◆ ◇ ◇


3. 男女向けの差


冒険者・クエストものは男女どちらにも使いやすい。


【男性向け:ソロ攻略、最強パーティ、ランキング制覇】

男性向けでは、冒険者としての実力、ランク、装備、討伐実績を伸ばしていく構成が強くなりやすい。


主人公は最低ランクから始まる。周囲からは弱い新人だと思われているが、実は珍しい能力や高い戦闘技術を持っている。初級依頼を短時間で終わらせ、誰も成功できなかった討伐を達成する。やがて上位ランクへ昇格し、最難関のダンジョンや災害級の魔物へ挑む。


ソロ攻略も人気のある構造だ。パーティから追放された主人公が一人で高難度ダンジョンを攻略する。他人へ頼らず、罠、地形、能力の相性を利用して強敵を倒す。


ソロには主人公の強さと自由を強調できる利点がある。ただし、会話相手や役割分担が減るため、従魔、案内役、受付、依頼人などを通じて人間関係を補う必要がある。



【女性向け:ギルド受付嬢、パーティ内ロマンス、裏方の活躍】

一方、女性向けでは、冒険そのものに加えてギルドやパーティ内の人間関係が重視されやすい。


主人公は前線で戦う冒険者だけでなく、受付、ヒーラー、鑑定士、薬師、荷物持ちなどの支援職になることも多い。


有能な受付が冒険者の能力と依頼の危険度を見抜き、事故を防ぐ。戦えないと軽視されていた鑑定士が、呪われた装備や魔物の弱点を発見する。回復役が傷だけでなく仲間の心を支える。


表面的には地味でも、「この人がいなければパーティが成立しない」という評価を得ることが、強い報酬になる。


恋愛を入れる場合は共同任務を通じて信頼を築きやすい。


最初は冷たい態度だった前衛が、主人公の判断によって何度も命を救われる。危険な護衛任務やダンジョン探索を経て、互いの弱さや過去を知る。


恋愛だけを目的に接近するのではなく、仕事を通じて相手の能力と人格を認める。そこから関係が変化するため、冒険とロマンスを自然につなげられる。


◆ ◆ ◆ ◆ ◇


4. どうカスタマイズするか


冒険者、探索者、ハンター、クエストものを自作に落とし込むときは、以下の設計が骨格を作る。


■ ギルドの設計

ギルドがどのような組織なのかを考える。


・ギルドは国から独立した組織なのか。

・王国の行政機関なのか。

・商人や貴族が出資しているのか。

・誰でも登録できるのか。

・犯罪者や未成年は登録できるのか。

・登録料、税、保険、罰則は存在するのか。

・危険な依頼の情報が間違っていた場合、誰が責任を取るのか。

・冒険者が報酬を受け取って逃げた場合、ギルドはどう対応するのか。


あまり厳密に決める必要は無いが、設定を考えておくことでその世界の解像度が上がる。



■ ランク制度の設計

ランク制度は成長の物差しであり、物語のマイルストーンだ。あまり適当に決めすぎると後で破綻する。

・ランクの段階数(F〜Sの七段階、1〜10の十段階など)

・ランクアップの条件(依頼達成数、実技試験、推薦など)

・ランクによる制限(低ランクは高難度依頼を受けられない、特定の街に入れないなど)

この制度が物語に自然な「壁」と「目標」を提供してくれる。



■ クエストの多様性

モンスター討伐ばかりでは単調になる。

・護衛任務(商人、貴族、姫の護衛)

・調査・探索(遺跡、未踏の地、行方不明者の捜索)

・素材採集(希少な鉱石、薬草、モンスターの素材)

・対人依頼(盗賊団の討伐、犯罪者の逮捕)

・特殊依頼(ギルド間の競争、国家からの極秘任務)

依頼の種類が多いほど、物語の幅が広がる。



■ 依頼の裏ミッションを用意しろ

ただ依頼書通りに魔物を倒して終わる話は普通だ。なので依頼におけるテーマや世界設定を出すなどの、裏の課題やイレギュラーを用意しておくことが大事だ。


・薬草採取の依頼だったが、そこは未知の巨大魔物の巣だった

・ただの盗賊討伐だと思ったら、裏で貴族が糸を引いていた。


このような現場で発生する想定外の危機に対して、主人公がどう機転を利かせて解決するか。そこにこそキャラクターの魅力が光る。



■ よくあるパターン

・クエスト請負・一件解決型

ギルドや依頼人から仕事を受け、一件ずつ問題を解決する基本型。


依頼内容を確認し、情報を集め、現地へ向かう。現場で予想外の問題が判明し、主人公が判断によって解決する。最後にギルドへ報告し報酬を受け取る。一話または一章ごとに区切りを作れるため、長期連載に向いている。


毎回違う依頼人や地域を登場させながら、主人公と仲間の成長を継続して描ける。



・ランク上昇・冒険者成り上がり型

最低ランクの新人が実績を積み、上位冒険者を目指す型。


最初は採集や雑用しか受けられない。小さな依頼を確実に成功させ、信用を得る。昇格試験や推薦を通じて、より危険な仕事へ挑戦する。ランクが上がるたびに、依頼の規模、報酬、社会的な扱いが変わる。


最終的には、国家から直接依頼を受ける英雄級の冒険者へ到達することもできる。



・パーティ結成・仲間成長型

異なる職業、能力、目的を持つ者たちが集まり、一つのパーティとして成長する型。


最初は役割分担がうまくいかない。前衛が勝手に進み、後衛を危険にさらす。回復役へ負担が集中する。報酬の分配や方針をめぐって衝突する。失敗や危機を通じて、それぞれが仲間の得意分野を理解する。やがて、言葉を交わさなくても動きを予測できるチームになる。


能力の成長と同時に人間関係の成長を描ける型だ。



・ダンジョン攻略・階層踏破型

巨大な迷宮や塔を階層ごとに攻略していく型。


必要な物資を準備し迷宮へ入る。地図を作り、罠や魔物を突破し、安全地帯で休息する。最後に階層主を倒し、次の階層へ進む。階層ごとに環境やルールを変えれば、長い攻略でも変化を作れる。


深部へ進むほど、古代文明、世界の秘密、主人公の過去が明らかになる構造とも相性がよい。



・未知領域・地図開拓型

地図にない土地、海、地下世界、異界などを調査し、世界の空白を埋める型。


遠征隊を編成し、食料、道具、移動手段を準備する。地形、生態、資源を調べ、帰還のための道を確保する。戦闘だけでなく、天候、病気、資源不足、道迷いが脅威になる。


新しい土地を発見し、地図や記録として持ち帰ること自体が成果になるため、探索者らしさを強く出せる。



・モンスターハント・素材狩猟型

特定の巨大魔物、希少種、危険生物を追跡し、討伐または捕獲する型。


被害状況を調べ、痕跡を追い、生態と弱点を分析する。獲物に合わせて武器、罠、毒、装備を準備する。戦闘よりも、相手を発見し、有利な状況を作るまでが重要になる。


討伐後には、解体、素材利用、依頼人への引き渡しを描ける。魔物が単なる敵ではなく、生態系の一部であることも表現しやすい。



・宝探し・遺跡・秘宝争奪型

失われた財宝、神器、古代文明の遺物を求めて旅をする型。


古文書や地図から手掛かりを探し、暗号を解き、遺跡へ到達する。内部では罠や守護者を突破し、秘宝を発見する。しかし、見つけたものを持ち帰ればよいとは限らない。


秘宝を狙う別の冒険者や国家が現れる。遺物には危険な力がある。持ち出せば封印が崩れる。発見した宝をどう扱うかという選択まで含めると、探索に物語的な意味が生まれる。



・護衛・輸送・救助型

人物や物資を、安全に目的地まで運ぶことを中心にする型。


商人、貴族、難民、罪人、負傷者など、護衛対象によって物語の性格が変わる。旅の途中で、魔物、盗賊、災害、裏切りが起きる。主人公は戦うだけでなく、進路、食料、休息、護衛対象の事情を管理しなければならない。


移動する時間が長いため、最初は距離のあった人物同士が関係を築く物語にも向いている。



・災害・戦争・世界危機対応型

個人依頼を請け負っていた冒険者が、町、国家、世界を守る大規模な戦いへ参加する型。


最初は小さな異変として始まる。魔物の出現数が増える。複数の村から同時に救援が届く。迷宮から未知の存在が現れる。やがて一つのパーティでは対処できなくなり、複数のギルド、軍、国家が協力する作戦へ発展する。


主人公は、自由な冒険者として生きるのか、大勢を率いる責任を引き受けるのかという選択を迫られる。個人的な冒険から英雄譚へ規模を拡大しやすい型だ。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


まとめ


冒険者/探索者/ハンター/クエストの本質は、「依頼を選び、自分の力で問題を解決し、報酬と経験を得て、次の冒険へ進むこと」にある。


主人公は最初から大きな運命を背負う必要はない。


今日の目的は、村を荒らす魔物を追い払うこと。明日の目的は、森で薬草を探すこと。その小さな仕事を一つずつ成功させるうちに、技術、装備、仲間、信用が積み重なっていく。


やがて、新人だった主人公の名前が町に知られる。ギルドから重要な依頼を任される。小さな村の問題を解決していた冒険者が、国家や世界の危機へ立ち向かうようになる。


この段階的な拡大が成長を作る。


ただし、クエストを並べるだけでは物語は単調になる。


依頼の裏にどのような事情があるのか。依頼人は何を隠しているのか。契約どおりに仕事をすることが、本当に正しいのか。主人公は報酬、命、正義のうち、何を優先するのか。


一つの依頼が主人公の技術だけでなく、価値観を試すものであるほど物語は深くなる。


今回は以上だ、解散!

【参考】

冒険者(ピクシブ百科事典)

https://dic.pixiv.net/a/%E5%86%92%E9%99%BA%E8%80%85


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