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読まれるエンタメ物語のテンプレ集 ~テンプレは悪じゃない!読者の期待を外さない物語の組み立て方~  作者: 夕月 悠里
ファンタジー・SF系でよくあるテンプレ

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VRMMO/LitRPG/ゲームファンタジー

やあ(´・ω・`)


ようこそ、ゲーム世界のテンプレ「VRMMO/LitRPG/ゲームファンタジー」へ。


ステータス画面、スキルツリー、ジョブ、レベル、パーティ編成、レイドボス、PvP、ギルド戦、レアドロップ、隠しクエスト。


ゲームを遊んだことがある人なら、こうした言葉を聞いただけで、何となく胸が高鳴るはずだ。数字を上げ、装備を整え、スキルの組み合わせを考え、強敵に挑む。そうしたゲームの快感を、小説の中へそのまま持ち込んだものが、このジャンルだ。


日本では、ヘッドギア等の機器を被って仮想現実のネトゲにダイブするVRMMOものとして一大ジャンルを築いてきた。


一方、海外ではRPG的な数値やシステムが明示される小説をLitRPG(Literary Role-Playing Game(文学的ロールプレイングゲーム)の略称)と呼んで爆発的な人気を誇っている。これはVRゲームに限らず、剣と魔法の異世界なのにステータス画面が存在する物語や、現代社会に突如としてダンジョンとレベルシステムが出現する物語(現代ダンジョンもの)なども広く含んでいる。


呼び名は違うが、どちらもゲーム世界での物語であり、両方とも大人気の設定だ。


ということで今回は、ゲーム世界のアイデアジャンル「VRMMO/LitRPG/ゲームファンタジー」の強さを見ていこう。


◆ ◇ ◇ ◇ ◇


1. VRMMO/LitRPG/ゲームファンタジーとは


VRMMOとは、Virtual Reality Massively Multiplayer Online の略称であり、日本語では仮想現実大規模多人数オンラインゲームといった意味になる。簡単に言えば、多くのプレイヤーが同時に参加する、仮想現実型のオンラインゲームを舞台にした物語だ。日本ではソードアート・オンラインの登場により爆発的に人気が加速した。


このジャンルでは、主人公は現代社会に生きるプレイヤーとして、ゲームにログインする。そこには広大なフィールド、ダンジョン、街、NPC、モンスター、イベント、ギルド、アイテム、スキル、レベルといったゲーム的な仕組みが存在している。主人公はその世界で、他のプレイヤーと協力したり、競争したり、時には対立したりしながら、ゲームを攻略していく。


ただし、広い意味では、VRMMOだけがこのジャンルではない。ゲームに似た異世界へ転生する場合もある。かつて遊んでいたゲームの世界に入り込む場合もある。現代世界に突然ステータスやダンジョンが出現する場合もある。ゲームではないはずの異世界に、なぜかレベルやスキルや称号のシステムが存在する場合もある。


LitRPGは、こうしたRPG的な数値システムが明示される小説全般を指す言葉として使われる。


主人公がレベルアップし、スキルを取得し、ステータスを確認し、クエストを受け、経験値を稼ぐ。そうしたゲーム的な成長の仕組みが、物語の中ではっきり描かれるのが特徴だ。


VRMMOとLitRPGは厳密には違うがWeb小説としてのアイデアジャンルでは、同じように語られることが多い。どちらも、ゲームのルールを読み解き、攻略し、成長していく快感を中心にしているからだ。


このジャンルでは、ゲームシステムそのものが物語の土台になる。ステータス、スキル、職業、クエスト、ダンジョン、レア装備、称号、ペット、ギルド、レイド、PvP、イベント、ランキング、アップデート。こうした要素が、主人公の行動や成長を決める重要な仕組みとして描かれる。


つまり、VRMMO/LitRPG/ゲームファンタジーとは、ゲームの仕組みそのものを、成長、戦闘、人間関係、競争、承認、攻略と合わせて楽しむジャンルなんだ。


◆ ◆ ◇ ◇ ◇


2. VRMMO/LitRPG/ゲームファンタジーのここがすごい


このジャンルが読者に刺さる理由は、主に三つある。


【理由1:努力と報酬が直結する成長の可視化】

ゲーム好きの読者は、ただ物語を眺めているだけではない。ステータスを見れば、どこを伸ばせば強くなるかを考える。スキルを見れば、どの組み合わせが強いかを考える。ボスの行動パターンが描かれれば、攻略法を考える。装備や職業の説明が出れば、自分ならどんなビルドを組むかを想像する。


これは、普通のファンタジーとは少し違う楽しみだ。普通の物語では、主人公が強くなる理由は修行や才能や血筋として描かれることが多い。


しかしゲーム世界では、強さが数値やシステムとして見える。レベルが上がれば強くなる。スキルを取ればできることが増える。装備を変えれば性能が変わる。だから読者は、主人公の成長を非常に具体的に理解できる。


この「成長の見える化」が、このジャンルの大きな強みでもある。現実世界では、自分の努力がどれだけ積み上がっているのか分かりにくい。勉強しても、仕事をしても、人間関係を頑張っても、ステータス画面は出てこない。だがゲーム世界では違う。経験値が入り、レベルが上がり、スキルが増え、称号が手に入る。努力と報酬が見える形で結びつく。


読者はそこに安心感を覚える。努力すれば数字が上がる。工夫すれば成果が出る。仕様を理解すれば、より効率よく強くなれる。現実では曖昧になりがちな成長と報酬の関係が、ゲーム世界でははっきりしている。この分かりやすさは非常に強い。



【理由2:仕様をハックする知的な攻略欲】

さらに、このジャンルには「攻略の納得感」がある。たとえば、主人公が一見弱そうなスキルを組み合わせて、想定外の強さを発揮する。防御スキルと反射スキルを組み合わせる。状態異常と範囲攻撃を重ねる。生産職の素材知識を戦闘に応用する。誰も使っていなかった不人気スキルが、特定条件下では壊れ性能になる。


読者はその瞬間、「確かにその組み合わせなら強い」と納得する。これはゲーム攻略wikiを読んだり、実況動画で変わった攻略法を見たりする時の知的な興奮に近い。単に主人公が強いのではなく、仕様を理解しているから強い。そこが気持ちいい。



【理由3:掲示板やコミュニティによる客観視】

VRMMOものの場合、他のプレイヤーによる第三者視点も人気だ。主人公がソロでレイドボスを倒す。隠し職業を発見する。誰も知らない攻略法を見つける。イベントランキングで上位に入る。

すると、その偉業はゲーム内の多くのプレイヤーに知られることになる。掲示板がざわつき、ギルドが勧誘し、運営が困惑し、ランキング勢が警戒する。


この「不特定多数からの驚愕」は、異世界の村人や少数の仲間から褒められるのとは別の快感がある。オンラインゲームには観客がいる。噂が広がる。スクリーンショットが貼られる。攻略スレが立つ。配信で話題になる。主人公の活躍が、コミュニティ全体を動かしていく。この大規模な承認構造が、VRMMOものの大きな魅力だ。



つまり、このジャンルの強さは、ゲーム実況、攻略wiki、オンラインコミュニティ、育成ゲーム、RPGの快感をすべて小説に取り込めるところにある。ゲームを遊ぶ楽しさと、物語を読む楽しさが重なっているんだ。


◆ ◆ ◆ ◇ ◇


3. 男女向けの差


VRMMO/LitRPG/ゲームファンタジーは、基本的には男性向けと相性がいいジャンルだ。理由は、攻略、数値成長、効率プレイ、仕様の穴、ランキング、PvP、レイド攻略といった要素が、男性向けWeb小説の快感と噛み合いやすいからだ。


【男性向け:限界突破の攻略、検証、ランキング制覇】

男性向けでは、廃人プレイ、ソロ攻略、ランキング制覇、隠し職業発見、バグじみたビルド構築が好まれやすい。


主人公は、サービス開始初日から長時間プレイし続ける。誰も選ばない不人気職を選ぶ。初心者ゆえに常識外れの育成をする。βテスター時代の知識を使う。あるいは、攻略勢ですら見落としていた仕様の穴を発見する。


この場合の快感は、「他のプレイヤーが到達できない領域へ行くこと」だ。主人公だけが隠しクラスを見つける。主人公だけがユニーク装備を手に入れる。主人公だけがソロでレイドボスを撃破する。主人公だけが運営の想定外の組み合わせでゲームバランスを壊す。こうした上位プレイヤー的な達成感が、男性向けでは非常に強い。


また、デスゲーム型では、ゲーム攻略そのものが生存に直結する。ログアウトできない。ゲーム内で死ねば現実でも死ぬ。クリアしなければ帰れない。この場合、レベル上げや装備更新やボス攻略は、遊びではなく命がけの戦略になる。


男性向けでは、このサバイバル性や高難易度攻略の緊張感も好まれる。



【女性向け:スローライフ、生産職、居場所と交流の構築】

一方、女性向けでは、ゲームシステムそのものの攻略よりも、ゲーム内での人間関係、居場所、生活系コンテンツ、生産職、ギルド運営、ロマンスに重心が移りやすい。


戦闘でランキング一位になるよりも、裁縫や錬金術や料理を極めて、攻略組から頼りにされる。小規模ギルドで和気あいあいと過ごす。ゲーム内で出会った相手と関係を深める。イベントの飾りつけや住居づくり、もふもふペット育成を楽しむ。


もちろん、主人公が高い能力を持つことはある。ただし、その能力は敵を倒すためだけでなく、仲間を支える、装備を作る、料理でバフをかける、ギルドを運営する、癒やしの空間を作る、といった形で使われることが多い。


つまり男性向けが「攻略と制覇」に寄りやすいなら、女性向けは「交流と居場所」に寄りやすい。


◆ ◆ ◆ ◆ ◇


4. どうカスタマイズするか


VRMMO/LitRPG/ゲームファンタジーを作るときは以下の要素を戦略的に設計してくれ。


■ 1. ゲームと現実の設定

・純ゲーム型: 現実の命に危険はなく、純粋にゲームとして楽しむ。スローライフや生産職、コメディと相性抜群。緊張感が薄い分、コミュニティの熱量やプレイスタイルの異端さで読者を引っ張る必要がある。運営を困らせ、掲示板で話題にすることが大事。


・デスゲーム型: ログアウト不能、ゲーム内での死=現実の死。常にサバイバルの極限状態になるため、命がけの戦略や仲間との絆、人間ドラマが主軸になる。安全なゲーム体験という気軽さを失うため、サバイバル、心理戦、仲間の死、攻略の重さをきちんと扱う必要がある。また、既存の有名作品との差別化も考えなければならない。


・異世界型:ゲームのような世界に主人公が転生、転移などをする型。異世界転移、転生ものと同じように自由度が高く物語を進めることが出来る。



■ 2. 主人公の立ち位置の決定

次に重要なのは、主人公の立場だ。主人公の知識やゲームスキルによって方向性が変わる。大きく分けて2つの立場がある。


・ド初心者: 常識を知らないからこそ、玄人が絶対にやらない変な育成(極振りなど)をして結果的に最強になる。


・廃人・検証ガチ勢: 効率とデータ検証を愛し、運営の想定外のバグや仕様の穴を見つけてシステムを破壊する。



■ 3. システム設定

そして何より、ゲームシステムの作り込みが重要だ。


このジャンルの面白さは、ゲームそのものの魅力に直結する。クラスの種類、スキル取得条件、隠しダンジョン、ユニーク装備、イベント、レイド、PvP、バグ、アップデート、ナーフ、掲示板、運営の対応。


これらが魅力的であれば、読者は「このゲーム、本当にあったら遊びたい」と思う。逆に、ゲームシステムが薄いと、「それなら普通の異世界ファンタジーでいいのでは」と感じられてしまう。



■ 4. 定期的な報酬

ゲーム的報酬も大事だ。


レベルアップ、スキル獲得、レア装備、称号、ペット、拠点、好感度、隠しルート、ギルド名声。こうした報酬は、読者にとって分かりやすい達成感になる。


特にWeb小説では、各エピソードの終わりに小さな報酬を置きやすい。新しいスキルを覚えた、称号を得た、掲示板で話題になった、NPCから好感度が上がった等、こうした積み重ねが、連載の推進力になる。



■よくあるパターン

・純VRMMO型:主人公が普通にVRMMOを遊ぶ型で、ログアウトもでき、現実の命も危険ではない。

安全な分、緊張感はやや弱くなるため、主人公のプレイスタイルやコミュニティ描写が重要になる。まったりプレイ、初心者の異常行動、生産職、ギルド交流、イベント参加などで楽しませるのが基本になる。



・デスゲーム型:ログアウト不能で、ゲーム内の死が現実の死につながる型。これは非常に強いが、扱いは難しい。ゲーム攻略の楽しさに、死の緊張感が加わるため、サバイバルや仲間との絆、攻略組の葛藤が中心になる。

既存作品との差別化を考えるなら、ゲームのルール、脱出条件、運営の正体、死の意味に独自性が必要になる。



・ゲーム世界転移・転生型:プレイしていたゲームの世界に主人公が入り込む。ここでは、もうゲームではなく現実として世界が動いている。

NPCも生きた存在になる。主人公はゲーム時代のステータスや装備を引き継いで最強状態から始まることも多い。この型は、ゲーム知識無双、NPC救済、悪役側転生、人外転生とも相性がいい。



・ゲーム仕様攻略型:ステータス、スキル、職業、レベルの仕様をハックする型。

主人公が初心者ゆえに変なプレイをして、結果的に壊れビルドになる。あるいは、ガチ勢として検証を重ね、運営の想定外の攻略法を発見する。

極振り、バグ利用、RTA、グリッチまがいの攻略と相性がいい。運営が「そんな使い方をするとは思わなかった」と困惑する展開も、この型の定番だ。



・掲示板・配信連動型: 主人公のイカれたプレイを、他のプレイヤーが掲示板や動画配信を通じて実況・解説する型。読者は観客の反応を楽しむことに特化できる。



・ロールプレイ型:主人公が効率よりもキャラクターになりきって遊ぶ。騎士らしく振る舞う。魔王ロールをする。商人として商売に徹する。聖女として人助けをする。

すると周囲のプレイヤーがそれを掲示板などで報告し騒ぎになる。これは勘違いものや正体隠しとも相性がいい。



・高難易度ゲーム攻略型:何度も死ぬような難しいゲームを主人公が攻略していく。ボスの行動パターンを覚え、最適な装備を探し、何度も挑戦する。

これはタイムループや死にゲー的な達成感に近い。読者が「そこまでやるか」と思うほどの試行錯誤が快感になる。アクションバトル系との相性がいい。



・生産・商人型:主人公自身が前線で戦うより、装備、料理、薬、建築、交易、情報で攻略を支える。トッププレイヤーたちが主人公の作った装備を欲しがる。主人公の料理がレイド攻略に必須になる。主人公の店がプレイヤーの集まる拠点になる。この型は女性向けやスローライフとも相性がいい。



・スローライフ・もふもふ型:主人公が攻略よりものんびりしたプレイを望む。釣り、料理、畑、ペット、インテリア、店づくり、ギルドハウス運営などを楽しむ。

しかし、本人はまったり遊んでいるつもりでも、なぜか異常な成果を出してしまい、トップランカーや有名プレイヤーになっていくことが多い。この「本人はのんびり、周囲は大騒ぎ」という勘違いものや無自覚無双などの展開が多い。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


まとめ


VRMMO / LitRPG / ゲームファンタジーは、不確かな現実を離れ、すべてがルール化・数値化された世界を攻略する快感がある。


現実と違って、この世界では強さが見える。成長が見える。報酬が確定している。

努力と結果がシステムで完璧に結びついているからこそ、読者は主人公の成長を自分のことのように喜び、安心して楽しむことができる。


このジャンルを書く場合は、読者が思わずコントローラーを握りたくなるような、最高のゲームを君の手で設計してみてくれ。


今回は以上だ、解散!

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