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読まれるエンタメ物語のテンプレ集 ~テンプレは悪じゃない!読者の期待を外さない物語の組み立て方~  作者: 夕月 悠里
第1章:基本のテンプレ

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ストーリー構造の22段階の道程

やあ(´・ω・`)


ようこそ、ストーリーの骨格標本「ストーリー構造の22段階の道程」へ。


これまで様々な構成を紹介してきたが、君はこう思ったかもしれない。


「紹介されたものを使ってみたけど、なんだか機械的で不自然だ。これはプロットの箱にイベントを詰め込んでいるだけじゃないの? 物語はもっと有機的な生き物であるべきなんじゃないか?」


そう思った君は、ある意味で非常に鋭い。そんな君におすすめなのが、今回紹介する「ストーリー構造の22段階の道程」だ。


これは単なる「いつ、どこで爆発を起こすか」というイベントカレンダーではない。「欠陥を抱えた主人公が、ライバルとの血みどろの闘争を通じて、どうやって自分の道徳的な過ちに気づき、真人間になるか」を追う、徹底的な心理の解剖図だ。


もし君が、これまで紹介してきた構成ではキャラクターの深みが足りない、表面的なイベントしか起きないと感じているなら、この構成を学んでみるといいだろう。


今日は、この「22段階の道程」を、Web小説という戦場で使えるように解説していこう。


◆ ◇ ◇ ◇


1. ストーリー構造の22段階の道程とは?


この理論はジョン・トゥルービーの名著『ストーリーの解剖学(The Anatomy of Story)』で提唱されたものだ。ハリウッドや世界中のストーリーテラーたちに多大な影響を与え、今もバイブルとして読まれ続けている。


『ストーリーの解剖学』において、トゥルービーは物語を「生き物(有機体)」として捉えている。


三幕構成が「外枠(箱)を作ってそこに出来事を放り込む」アプローチなら、トゥルービーのアプローチは「種(キャラクターの欠陥)を植え、それがライバルとの摩擦によって成長していく様を追う」というものだ。


彼の提唱する22段階は以下の通りだ。

1.自己発見、欠陥、欲求

2.亡霊とストーリー・ワールド

3.弱点と欠陥

4.誘因の出来事

5.欲求

6.仲間または仲間たち

7.ライバルおよび/または謎

8.仲間のふりをしたライバル

9.最初の真実の発見と決断―欲求と動機の変化

10.プラン

11.ライバルのプランとメインの反撃

12.駆動

13.仲間による攻撃

14.疑似的敗北

15.第二の真実の発見と決断―執拗な衝動、欲求と動機の変化

16.観客による真実の発見

17.第三の真実の発見と決断

18.門、ガントレット、死の国への訪問

19.決戦

20.自己発見

21.道徳的決断

22.新たなバランス状態


「多すぎるだろ、ふざけんな!」と思った君。安心してくれ。


トゥルービー本人も「これらすべてを使用しなくてもいい」と言っている。彼によれば、最低限、以下の7つの段階(物語の7大要素)さえあれば物語は成立するという。


【最低限必須の7段階】

3.弱点と欠陥(主人公の抱える問題)

5.欲求(主人公が外側で求める目標)

7.ライバル(目標を邪魔する、同じものを求める存在)

10.プラン(目標達成のための計画)

19.決戦(ライバルとの最終対決)

20.自己発見(自分の本当の問題に気づく)

22.新たなバランス状態(問題が解決した新しい日常)


これら7段階はストーリーの核であり、人生における問題を解決させるために辿らなければいけない基盤だ。まずはこの7つを意識し、そこから22段階へ肉付けしていくのが正しい使い方だ。


この22段階を使用するメリットとデメリットはこうだ。


【メリット】

・キャラクターの内面の深みが出る:「彼にはどんなトラウマ(亡霊)があり、どんな道徳的欠陥があるのか」を執拗に問うため、薄っぺらい主人公になりようがない。

・ライバルの存在感が爆上がりする:ライバルは単なる「悪い奴」ではない。主人公と「同じ目標」を巡って争う存在であり、主人公の欠陥を浮き彫りにする鏡として機能する。

・サスペンスと驚きが途切れない:22段階の中に真実の発見というステップがなんと3回(+観客向けの1回)も用意されている。情報が次々とひっくり返るミステリー的な快楽を生み出せる。


【デメリット】

・細かすぎて窒息する:22個ものステップを初心者がいきなり全部埋めようとすると、プロットをこねくり回しているだけで時間が経っていく。まずは最低限の7つを決めて取り組もう。

・道徳的成長がWeb小説の読者層と衝突する危険:この理論は「主人公の道徳的欠陥(人間的なクズさ、エゴイズム)」を描き、それを最後に反省させることを強いる。だが、Web小説の読者は「初手から性格の悪い主人公」を嫌う傾向にある。使い方を間違えると、最初の3話で「主人公不快、ブラウザバックします」と言われて即死する。


◆ ◆ ◇ ◇


2. 22段階の使い方


この22段階は細かすぎるため、大きく4つのブロック(序盤、展開、闘争と発見、結末)に分けて、それぞれの機能と意味合いを詳細に解説していく。


ファンタジー(落ちこぼれ治癒師)と現代ドラマ(地味な会社員)の2つの例を交えながら進めよう。


■第1ブロック:病理と目標の提示(1〜5)


ここは主人公を診断するパートだ。なぜ彼が不幸なのか、その根源を描く。


【1. 自己発見、欠陥、欲求】

物語の最後に主人公が到達すべき「自己発見(悟り)」を逆算して、現在の「心理的・道徳的な欠陥」を提示する。ここでの道徳的欠陥とは、他者を傷つけているが、本人は無自覚なエゴや弱さのことだ。主人公はその欠陥を最後に学ぶことになる。

ここでは「自己発見、心理的な欠陥、道徳的な欠陥、欲求、最初の間違い」を定めておこう。


例:落ちこぼれ治癒師は「責任から逃げる癖(欠陥)」があるが、心の底では「誰かを救いたい(欲求)」と願っている。/地味な経理部員は「嫌われたくないから他人に依存する(欠陥)」が、本当は「対等な愛と評価(欲求)」を欲している。


【2. 亡霊とストーリー・ワールド】

「亡霊(Ghost)」とは、主人公の過去のトラウマや、今も彼を縛り付けている呪縛のことだ。ストーリーが始まる前の主人公に起こったこと。これが主人公に欠陥をもたらしている。そして、その病理が反映された「世界ストーリー・ワールド」を描く。どんな場所に主人公は住んでいるのか、「環境、気候、建築物、技術、時間など」を設定する。


例:過去に妹を救えなかったトラウマ(亡霊)。そして、疫病に怯え、誰も他人を助けない辺境都市ワールド。/過去の屈辱的な失恋(亡霊)。そして、数字と結果しか見ない成果主義の冷たい会社ワールド


【3. 弱点と欠陥】

主人公が、その亡霊のせいでいかに愚かな行動をとっているか(弱点)を読者に見せる。彼はまだ自分の本当の問題(Need=成長の必要性)に気づいておらず、言い訳ばかりしている。弱点には心理的なものと道徳的なものがある。心理的なものは自分を、道徳的なものは他人を傷つけている。


例:責任から逃げ、誰かの指示がないと治癒魔法を使おうとしない。/会議で本音が言えず、手柄を他人に奪われてもヘラヘラ愛想笑いをして相手に合わせてしまう。


【4. 誘因の出来事】

外から事件が起き、主人公の停滞した日常が強制的に揺らぐ。主人公はたいてい弱点や欠陥によって身動きが取れない状況にあるのでそれを打ち破る出来事が必要だ。


例:疫病が爆発的に再流行し、嫌が応にも治癒師として最前線に徴用される。/絶対に失敗できない炎上プロジェクトに配属され、花形社員と組まされる。



【5. 欲求(Want)】

事件を受けて、主人公は「具体的な目標」を立てる。「あいつを倒す」「あの宝を手に入れる」「出世する」などだ。だが、この時点での欲求は、彼の「道徳的欠陥」を治すものではない。むしろエゴ(現状維持や承認欲求)を満たすための間違った目標だ。


例:疫病の原因をさっさと断ち、街を救って「安全な後方」へ逃げたい。/このプロジェクトを成功させて、“みんなに認められる(嫌われない)自分”になりたい。



■第2ブロック:網の目の構築(6〜8)


ここは「誰が味方で、誰が敵か」を配置するパートだ。敵対圧力は一人に限らない、網の目のように配置しよう。そうするとストーリーに深みが出る。


【6. 仲間または仲間たち】

主人公の欲求達成を手助けする仲間が登場する。だが、彼らはただのイエスマンではない。後に主人公の「道徳的欠陥」を痛烈に指摘する重要な役割を持つ。そのためには仲間にも欲求を持たせ彼らのゴールを設定するとよい。


例:現実主義の元傭兵、知識豊富な禁書庫の司書、変わり者の若いネクロマンサーが加わる。/口は悪いが優秀な先輩、お調子者の同期、社外の協力者が支えになる。


【7. ライバルおよび/または謎】

ここが超重要だ! トゥルービーにおけるライバルとは、単なる「悪の組織のボス」ではない。「主人公と全く同じ欲求(目標)を持ち、そのパイを奪い合う存在」だ。


主人公が「街を救う」なら、ライバルも「街を救う」ことを狙っていなければならない。ただしアプローチや価値観は変える。そこが違うからこそ、対立が生まれる。またライバルの謎を用意しておくのも大事だ。ストーリーに深みが出る。


なお主人公と比較させるために、バッドエンドルートに堕ちた主人公のようなライバルが使われることもある。


例:首都から派遣された冷酷なエリート審問官ライバル。彼も街を救おうとしているが、手段を選ばない。/同じプロジェクトで手柄を独占しようとする社内の出世競争相手。



【8. 仲間のふりをしたライバル】

味方の顔をして近づいてくるが、実は裏で主人公の足を引っ張る存在(トリックスターや裏切り者)。これを入れることで、人間関係の網の目が複雑になり、物語のテンションが格段に上がる。


例:仲間の一人が協力者を装い、主人公の治癒法を盗んで私物化しようとする。/親切な同僚が味方ヅラしつつ、裏で主人公の悪い噂を流して誘導している。



■第3ブロック:闘争と真実の発見(9〜17)


物語のメインエンジンだ。中盤のダレを許さない「計画と反撃」、そして「どんでん返し」の連続が待ち受ける。


【9. 最初の真実の発見と決断―欲求と動機の変化】

新しい情報が入り、主人公は「そういうことだったのか!」と驚き、目標へのアプローチ(動機)を変更する。「発見、決意、欲求の変化、動機の変化」が同時に起こる。ただし欲求はそもそもの欲求に近いもので、完全に新しいものではないことに注意すること。


例:疫病は自然発生ではなく、街の地下に封じられた古代の魂が原因だと判明する。→「病気を治す」から「地下の封印を調べる」へ目的が変わる。/花形社員が実は上層部のスケープゴート(生贄)にされていると知る。→「自分の評価を上げる」より「彼を守る」を選ぶ。



【10. プラン】

主人公がライバルを倒すため(欲求を満たすため)の具体的な計画を立てる。ただこのプランはその通りに進むことはない。たいていの場合、最初のプランは失敗する。


例:地下迷宮に潜り、封印核を奪取する計画を立てる。/隠し口座の証拠集め、根回し、提案書の抜本的な刷新で局面を変える計画を立てる。



【11. ライバルのプランとメインの反撃】

当然、ライバルも黙っていない。主人公のプランを上回る、エグい反撃を仕掛けてくる。ここで激しい火花が散る。


例:審問官が先回りして罠を張り、主人公たちを仲間割れさせ、地下への入口を封鎖する。/ライバルが情報をリークしてプロジェクトを炎上させ、主人公の信用を地に落とす。



【12. 駆動ドライブ

主人公はライバルの反撃に焦り、なりふり構わず計画を推し進めようとする。ここではライバルが強すぎるので、主人公は勝つことができない。そのため不道徳なことに足を踏み入れてしまうこともしばしば。


例:時間制限が迫る中、仲間の疲労を無視して、危険な別ルートで強行突破を続ける。/失点を取り戻すため、誰にも相談せず、グレーゾーンの手段で奔走する。



【13. 仲間による攻撃】

なりふり構わず突っ走る主人公に対し、仲間が「お前のやり方は間違っている! いい加減にしろ!」とブチギレる。これは主人公の道徳的欠陥に対する強烈なストッパーであり、主人公の孤立を生む。たいていの場合、主人公は自分の行動を正当化する。ただ、主人公はここで自分の行動指針や価値観に疑問を持ち始める。


例:元傭兵が「お前は結局、自分の手柄(逃げ道)が欲しいだけだろ!」と単独行動を激しく非難する。/先輩が「独りよがりな奴に付き合いきれるか」と身を引き、支援を打ち切る。



【14. 疑似的敗北】

駆動の間、主人公はライバルに勝てない。仲間に見放され、ライバルに計画を完全に潰され、主人公はどん底に落ちる。「もう終わりだ」という圧倒的な敗北感。

なおストーリーによっては疑似的勝利になることもある。ただその場合、最終的にはバッドエンドになる。


例:地下の封印核が審問官によって破損させられ、疫病が街へ一気に拡散し詰んだように見える。/花形社員が異動を決め、証拠も隠滅され、すべてが終わったように見える。



【15. 第二の真実の発見と決断―執拗な衝動、欲求と動機の変化】

どん底の中で、さらに隠されていた真実(より深い秘密)を知る。主人公は「もう後には引けない」という執拗な衝動に駆られ、最終決戦へ向けて決断する。

もしこの時点でそういった発見がなければストーリーは終わりである。ここではまだ逆転が可能なことを示す必要がある。


例:核は修復不能だが、代わりに「主人公の魔力そのもの」が封印の“鍵”だと判明する。/主人公は「私に必要なのは、彼に好かれることじゃなく、自分の自尊心を守ることだ」と悟る。



【16. 観客による真実の発見】

ここで主人公は知らないが、読者(観客)だけが知っている真実を提示し、サスペンスを極限まで高める。これにより観客がストーリーをより俯瞰的に捉えられ、主人公の変化を楽しみやすくなる。


例:読者だけが「審問官自身が、実は疫病の新しい器にされようとしている」ことを先に知る。/読者だけが「花形社員の異動は、実は主人公をクビから守るための自己犠牲だった」と知っている。



【17. 第三の真実の発見と決断】

主人公がついにすべての真実を知る。ライバルの正体、自分の置かれた本当の状況。これで、決戦の準備が完全に整う。


例:主人公も「審問官が被害者である」と悟り、彼を「倒す」から「解放する」へ戦い方を変える。/主人公は逃げずに相手の真意を追いかけ、共闘を申し出る。



■第4ブロック:決戦と魂の救済(18〜22)


主人公の魂の手術が完了するラストスパートだ。


【18. 門、ガントレット、死の国への訪問】

主人公はライバルと激しく戦う。そこへ至る道は、試練の連続だ。あらゆる方向からの激しい攻撃を浴び、狭き門やガントレット(狭いレール)を通って死の気配がする場所に進むのだ。


例:地下迷宮の最深部。過去のトラウマの幻覚と、アンデッドの追跡をくぐり抜ける。/役員会での最終プレゼン。針の筵であり、公開処刑級の場に単身で乗り込む。



【19. 決戦】

最後の戦い。主人公とライバルの最終対決。単なる腕力や魔法のぶつかり合いではなく、「どちらの価値観(生き方)が正しいか」という理念の衝突でなければならない。


例:疫病の魂と、器として暴走する審問官を同時に相手取り、命を削って治癒魔法を展開する。/悪意ある噂と社内政治が渦巻く中、圧倒的な証拠とロジックでライバルの不正を暴き、花形社員を救う。



【20. 自己発見】

激闘の果て(あるいは最中)に、主人公はついに「自分自身の本当の欠陥」に気づく。

「俺が求めていたもの(Want)は間違っていた。俺に本当に必要だったのはこれ(Need)だったんだ」という、魂の究極の覚醒だ。


例:救えない命があるという過去の現実(亡霊)を受け入れ、それでも「今目の前にいる人間から逃げない自分」になる。/誰かに愛されるために「自分を殺して縮む必要はない」と心の底から腹落ちする。



【21. 道徳的決断】

自己発見を経た主人公は、ここで「正しい選択」をする。主人公が何を学んだかを証明するためのものでもある。この決断をもって、ライバルとの戦いに真の決着がつく。


例:憎き審問官を見捨てる(復讐する)のではなく、自らの魔力を全て失ってでも彼と街の封印を救うことを選ぶ。/自分の出世や保身よりも、真実と公平性を優先し、不正を告発する。



【22. 新たなバランス状態】

すべてが終わり、主人公の欠陥は癒え、亡霊は消え去った。世界には新しい秩序がもたらされ、物語は幕を閉じる。ただし最初の世界からは変化していること。


例:魔力を失った主人公が、魔法に頼らない新しい治癒院の長として街の再建の先頭に立つ。/対等な関係で花形社員との交際が始まり、職場でも堂々と意見を言える状態へ。



◆ ◆ ◆ ◇


3. Web小説での使い方


では、22段階をWeb小説でどう使うべきか。3つのコツを授けよう。


【コツA:「亡霊」と「欠陥」を社会の理不尽にすり替えろ】

主人公を自己中心的なクズにするのではなく、過去の理不尽なトラウマ(亡霊)のせいで、他人を信じられなくなっている(欠陥)という設定にしてみよう。


例えば、「勇者パーティで散々利用され、裏切られて追放された(亡霊)」から、「もう誰も信じず、一人で生きると決めている(欠陥・弱点)」とする。


これなら、読者は主人公に同情できる。そして物語の終盤で「本当に信頼できる仲間」を見つけ、人を信じる心(自己発見・道徳的決断)を取り戻させればいい。



【コツB:「ライバル」を主人公の闇の鏡として設計しろ】

トゥルービーの最大の功績はライバルの設計だ。ライバルは「主人公と同じものを欲しがる存在」にしよう。


悪役令嬢モノなら、ライバル(ヒロイン)は「主人公と同じ王子からの愛、あるいは社交界のトップ」を狙う存在にする。そしてライバルは、「主人公がもし道徳的決断を間違え、エゴのままに突き進んだらこうなる」という最悪のifの姿として描くんだ。


ライバルとの戦いが、そのまま自分自身の心の弱さとの戦いになる。これができれば、ただ相手を貶めるだけのざまぁ展開が、読者の魂を震わせる劇的なカタルシスに化ける。



【コツC:3つの「真実の発見」を引き(クリフハンガー)に使え】

22段階には、9、15、17と、真実がひっくり返るポイントが複数用意されている。長編連載において、これは最強の武器だ。


「敵だと思っていた奴が、実は恩人だった(9)」

「味方の中に裏切り者がいた(15)」

「世界の成り立ちそのものが嘘だった(17)」


これを各章のクライマックスや、週末の更新のラスト(話の引き)に配置しろ。読者は「えっ!? そういうこと!?」と叫び、次の更新を血走った目で待つことになる。


◆ ◆ ◆ ◆


まとめ


ジョン・トゥルービーの「ストーリー構造の22段階の道程」は、物語を機械的なブロックではなく、キャラクターの病理を治癒するための究極の解剖学だ。


これを全て埋める必要はない。だが、以下の7つの強烈な問いだけは、絶対に持ち帰ってくれ。


君の物語に、この7つのメスを入れてみろ。


3.弱点と欠陥:主人公の心にはどんなトラウマ(亡霊)があり、どんな間違った行動をとっているか?

5. 欲求:主人公が表面上「欲しい」と思っている間違った目標は何か?

7.ライバル:主人公と「全く同じ目標」を争い、主人公の弱点を的確に突いてくる鏡のような存在は誰か?

10.プラン:ライバルを倒すための具体的な計画は?

19.決戦:ライバルとのイデオロギー(価値観)の衝突はどう描かれるか?

20.自己発見:主人公は戦いの中で、自分の「本当の欠陥」と「本当に必要なもの(Need)」にどう気づくか?

22.新たなバランス状態:欠陥を克服した主人公は、どんな新しい日常を手に入れたか?


これらが血肉を持ったとき、君のキャラクターはただの記号から、魂を持った人間に化ける。三幕構成の箱の中で踊るのに飽きたなら、この有機的な構成を試してみよう。


今回は以上だ。解散!

【参考】

ジョン・トゥルービー, ストーリーの解剖学

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