第44話 神代桔梗は教わる
「特殊技能を持ってる人に共通していることのひとつに、圧倒的な強さを持つ魔物との戦闘中に特殊技能が覚醒したってことがあるんだ」
戦闘中に覚醒した?戦闘後に魔物から得た経験値がスキルになったんじゃなくて、戦闘をしている最中に覚醒したのか?
「わからないかな?その人たちが、特殊技能持ちとして名を覇せているってことは、その圧倒的な魔物に打ち勝ったってことだよ」
「そ、それって・・・」
「うん。よほどその魔物が馬鹿じゃない限り、実力が下の冒険者に負けることはない。
──ということは、特殊技能の覚醒により、その魔物を相手できる程度の強さになったってことだよ」
特殊技能は命の危険が迫ったときに、身を守るために目覚めるスキルってことか。
「でも、特殊技能が覚醒するためには、多くの魔力を消費する。上位の冒険者じゃないと魔力限界を突破して、体が動かないうちに魔物に食われちゃうんだよ。」
そっか。特殊技能持ちがそんなにいないのは、覚醒しても、それが確認されずに死んじゃうからなのか。
ギルド長が覚醒には数年かかるって言ってたのも同じ理由だな。
「それじゃあ迷宮に行こうか。魔力限界を突破したら僕が助けてあげるから」
◇
俺はイヅナに連れられて、ストラ迷宮の第9階層に来た。この前潜ったときは第3階層までしか行けなかったけど、イヅナの力で深いところまで来れた。《第壱階》は伊達じゃないってことがよくわかった。
「よし、これくらいでいいかな。桔梗君、いってらっしゃーい」
イヅナは風魔法で俺を上位アンデッドの群れに突撃させた。
あのトンデモ冒険者!後輩にする仕打ちかよ!




