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森でネズミに会う



人は常に闘争の状況に身を置くものですがその時どれだけ自身を省みているのでしょう

ココと悪魔達が道なき森を行く

両手いっぱいに葉を広げるのがどこかの稲だ

農夫がくま手を持ち歌う

「一体どれくらい進めばこの森を抜けられるかしら」ココが言った

騒がしい森が下馬評をしている

お前達に何がわかる

レモンが投げつけられ檄を飛ばす

ココと悪魔達が開けた場所に出た

「どの方角に行けばいいのかしら」ココが言った

「俺達は道に迷っている。誰かに道を尋ねなければ」悪魔レキュスタが言った

「すみません、誰かにいませんかぁ〜」悪魔タタンが言った

木の裏側からネズミが現れた

血を流すことが闘争ならば血を流さぬこともまた闘争なのです

闘争を失った我々の意識は一体どこへ行くのでしょうか

「もし、旅のお方、道に迷われたようですね。ささっ。ここは危険ですゆえ、私達の村においで下さい。森を抜ける道はそこで教えます」ネズミが言った



ココと悪魔達がネズミについて行くことにした

掘り返された土の上で女がのたうち回っている

血を流した目が見ていた未来とは何か

警察の安全靴が流されるままにこの森に辿り着いてネズミに履かれている

腐葉土と青い実が居場所を求めて叫ぶのだ

農夫がこちらに近づいてくることはない

ココがネズミの腰にさしてあるナイフを見た

「あなたはどうして腰にナイフを挿しているの?」ココが言った

「それは村に潜り込んだスパイを殺すためですよ」ネズミが言った

「なんでスパイがいるの? なぜそれを殺すの?」悪魔タタンが言った

「それはネズミの村は滅ぶべき悪かと聞いていることと同じです」ネズミが言った

森がココに語りかけることはない

意志の勝利が名無き衆で木洩れ陽の渦なのです

まやかしの主体が祭りに等しいうねりの中でたった一度だけの国為です

年輪が示した未来の歴史とは何か

掘り返された土の上で人智がのたうち回っている



ココが最後尾で何者かの物音を木の陰から聞いた



「身を伏せて! そいつはスパイです! カエルの愚劣め! 討ち取ってやる‼ それ‼このナイフを喰らえ‼」ネズミが言った

ネズミのナイフが何者かの心臓目掛け飛んだ

抉られた木が破片となるとココの頬に当たったのだ

木の陰からカエルが現れた

「ぐぅ、ネズミめぇ‼」カエルが言った

闘争を一つの道とするならばその道を誰に尋ねるのでしょう

人は常に迷子だといえます

陽の射す方が正しいとは限らない

ネズミがカエルに飛びかかった

カエルを地面に押し付けると血が出る

お前達に何が見える

騒がしい森が下馬評をしている

ネズミのカエルにナイフを突き刺した回数が今何回目だ

学生が棒を持ち盃を交わす

ナイフで刻み込んだ傷が敗北の証よ

ココと悪魔達が赤いカエルの肉を見た

ネズミのカエルの上でナイフを振り上げる姿が畑を耕す農夫ときっと同じなのです




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