第四話:真夜中の祈り
祈りは、声にならない願い。
誰かに届かず、風に消えても
心に刻まれた祈りは、いつか形になる─────
だが、それが「絶望」へと変わるとき………
悪鬼は、神を装って現れる。
ある地方都市の外れ、廃れた神社に深夜0時ちょうど、参道に一人の少女が現れる。
白いワンピース、長い黒髪、そして─────瞳には光がない。
鈴の音が鳴るたびに、社の周囲で不可解な事故が相次いでいた。
「事故の前、必ず“神様の声がした”っていう証言があるらしい。」
満流がスマホで情報を読み上げる。
「悪鬼が“祈り”の形をとってるのね。信仰に紛れ込んだ心の闇……か。やっかいね。」
輝夜はそう言って黙った………。
「ここね…。」
神社へと足を踏み入れた輝夜たちは、社の前で少女の霊を目撃する。
彼女の名はサナエ。
十年前にこの神社で行方不明となった少女だった。
「どうして……置いていったの? 神様、願いはちゃんと聞いてくれるんじゃなかったの……?」
サナエの影が、社の奥から黒く湧き出す。
誰にも見つけてもらえなかった孤独と、祈りが届かなかった絶望。
それが、悪鬼を呼び寄せていた。
サナエの姿を見て輝夜は深い哀しみを感じた。
だからこそ!解放してあげなくてはならないのだ…。
「サナエ、あなたはずっと待っていたのね。自分の願いが…、誰かに届くことを!」
輝夜はゆっくりと少女に近づく。
影は牙を剥き、鳥居を歪め、御神木を裂く。
それでも、サナエの本心は泣いていた。
『わたし、ここにいるよって……言いたかっただけなのに。』
それを輝夜は見過ごさなかった。
満流が影に斬りかかるが、影は祈祷札や鈴、結界を操って反撃してくる。
「くそっ……信仰そのものを“武器”にしやがるとは……!」
輝夜が刀を抜き、社の正面に立つ。
「サナエ。あなたの祈りは今、私に届いたわ。だから、─────終わらせていい!」
影が一瞬、躊躇した。
その隙を見逃さず、輝夜が飛び込む。
「─────影、断つ!」
影喰い刀が闇を裂き、強い光を発しながら社の周囲に満ちていた“怨念”が晴らしていく………。
その中心で、サナエの霊が静かに微笑んだ。
「……ありがとう。やっと、お母さんに会いに行ける。」
風が吹き抜け、少女の姿は桜の花びらとともに消えていった。
輝夜と満流はその様を黙って見送った………。
輝夜の口元が少しだけ緩む…。
〝お母さん…………か、〟
そして遠い目を夜空に向けたのだった。
満流は隣で輝夜を静かに見つめた。
神社は地元の人々によって整備され直し、再び参拝者が訪れるようになった。
「信じる気持ちって、時に救いになる。でも時に、呪いにもなるのね。」
輝夜の言葉に、満流が頷く。
「けど、お前が斬ることで、誰かの“声”は確かに届くようになってる。」
「……そうだといいわね。」
空を見上げながら、輝夜の表情はどこか穏やかだった。
祈りは、今度こそ届いていた─────!
ご覧下さりありがとうございました。AIノベルです。今までの作品と読み比べしていただけると面白いと思います。




