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刻の檻刀ーKAGEGIRI-<AIノベル版>  作者: 慧依琉:えいる


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第三話:喪失の楽園




人は誰しも、誰かに「見てほしい」と願う。


 その想いが叶わぬとき、心の奥底に空洞が生まれる。


 そしてその隙間に……………悪鬼は忍び込む!!














 深夜のテレビ局の非常階段で


 一人の少女が欄干に手をかけていた。




「もう、誰も本当の私なんて見てくれないんだよ……。」






 桐原ルナ(きりはら るな)――17歳。


 人気急上昇中のアイドルグループ“LuvBeat”のセンターだ。SNSでは常に話題にのぼり、バラエティでも引っ張りだこな彼女。




 だが、


そこにいるのは、笑顔を貼り付けた孤独な少女だった…。






『そうだ、もう終わらせよう。虚像を演じるのは、もうやめよう…………。』




 ルナの影が………不自然に揺れる。


 階段の下に、黒い渦が広がっていた。




ヒヒヒ…


どこからとも無く聞こえてくる声…






その瞬間、ルナは──────────










……………………………








…………………






…………






……












「自殺未遂………?」




 満流がスマホでニュースを確認しながら眉をひそめる。




 幸いルナは命を取り留めたものの、意識は昏睡状態。病院では脳波異常の報告が上がっていた。








「悪鬼が、もう………半分以上、喰ってるわ。」




 輝夜は静かに呟く。




 このまま放置すれば、ルナは魂ごと“向こう側”に引きずられる。迷っている暇は無い。




「今夜、病室の影、断つしかない!」




輝夜は強く決意をした。




満流は静かに頷く………。










────────深夜の病院。


 監視の目を避け、ふたりはルナの個室へと忍び込む。




 ベッドに横たわる少女の顔は、テレビで見た明るさとは全く違う。




 目の下のクマ、痩せた腕……………


それが“本当の彼女”だった。






彼女の姿を見て輝夜の瞳が揺れた………。






〝こんなになるまで……………。〟






その瞬間!


 突如、影がベッドの下から盛り上がり、一瞬で部屋一面に広がった!!








『誰も、気づかなかった……誰も、私の中身なんて見てくれなかった!』




 影から現れたのは、ルナの“隠れたの顔”そのものだった。


 笑顔をひっくり返したような歪んだ表情が、満流に襲いかかる。






「--------------------------満流っ!!」




「うぐっ……!! こいつ、ただの悪鬼じゃねぇ。彼女の“演じた感情”が混ざってやがる!」






 輝夜が刀を抜くが、影は逃げるように天井や壁を這いまわる。


 まるで、舞台裏に隠れた本音のように。






その様から輝夜は感じた


〝影とルナさんの心が一体化してる?…〟






それでも輝夜は諦めなかった!必死に追いかけながら言葉を振り絞る!!




「ルナさん!!……あなたが本当に伝えたかった言葉は、どこにあるの?」




 輝夜が叫ぶ。


 その声が、わずかにルナの心に届いたのか、ベッドの指先が動く。




『だれか……私を、“ホントの名前”で呼んで……』






「わかったわ!桐原瑞穂さん!!」




 その瞬間




 ルナの影が、一気に巨大化し、輝夜に牙を剥く─────!!





「今だ!」




満流の声にすかさず反応した輝夜は自身の霊力を込めて




「────断つ!!」




 影喰い刀でルナの影を貫いた。




 闇は裂け、悲鳴とともに悪鬼が霧と化して消える。




 その直後、ルナの目がゆっくりと開かれた。


窓からの月明かりに瞳がゆっくり揺らいでいる。








 ルナは命を取り留めた。


 引退は決まり世間は騒いだが、彼女の表情は穏やかだった。




「少し休みたいんです。自分を…………、ちゃんと見つめ直すために!」




 そう微笑んだルナに、輝夜は優しく頷いた。








 帰り道。夜の高層ビルの上で、ふたりは並んで立っていた。




「よくホントの名前がわかったな。」




「ん、彼女の母親に聞いたのよ。彼女は…瑞穂とるなは一卵性の双子だったそうよ。ホントのるなが失踪して穴埋めをする為に急遽代わりをさせられて、当たり前の事だけど、〝ルナ〟にはなりきれなかったのね。」




「そりゃそうだな、〝その人〟は〝その人〟でしかないんだから………。」




「うん…。そして、るなを心配する暇でさえなくなってしまうって………。どれだけ追い込まれていたのか…。」




「そうだな…。」




輝夜の言葉に満流は静かに答えた。








「人の心って……本当に深くて、痛いわね。」




「だからこそ、お前は強い。そこに踏み込めるから。」








満流の言葉が心地よい………


崩れそうになる気持ちに勇気を与えられる-----------------------。


輝夜の口角が少し上がった。








「……満流。」




「ん?」




「もし、私がいつか影に呑まれたら……ちゃんと斬ってね。」




 その言葉に、満流はしばし沈黙し




「……嫌だな。お前だけは、俺が喰われるまで守るつもりなんだけど。」




 輝夜は小さく笑った。満流への信頼と共に…。


 その影は、確かに今、光に向かっていた。





ご覧下さりありがとうございました。AIノベルです。いつものお話と読み比べて頂くと面白いと思います。

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