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東方紅氷譚 〜 Absolute or Phoenix.(旧)  作者: クルセイダー
氷の世界を脅かす滅炎
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第24話・T「焦土」

……金髪の黒い服の少女。

……至って普通の魔法使い。

……そんな彼女が、私の前に立っていた。


「……事情はよく分からん。ここを暫く彷徨ってたら、たまたまお前が荒れてたもんだから、『コイツ』を撃ち込んだ。……まあとりあえず、今のお前は『敵』という事で良いんだよな?」


……霧雨魔理沙。……お前までもが私を止めに来るとはな。

……だが。


妹紅「……来たばかりで悪いが……。」


私は、右手に炎のオーラを凝縮させた。


妹紅「……邪魔をするなら、消えろ!!」


そして、その炎のオーラを魔理沙目掛けて放った。


妹紅「フジヤマヴォルケイノ!!」


だが魔理沙は臆する事なく、


魔理沙「……マスタースパーク!」


極太レーザーを撃った。私のヴォルケイノと魔理沙のスパーク、2つの光は互いに拮抗し合い、そのまま爆発した。


妹紅「…………」

魔理沙「ほう、お前に私のレーザーが届かないか。……なら、今度は最大出力で撃ってやるよ。」


魔理沙はそう言うと、もう一度得物のミニ八卦炉を構え、そこに只ならぬ魔力を充填した。


……だが無駄だ。私の能力を忘れているのか?

……不老不死に何をしようと、直ぐに復活するのみだ。


魔理沙「ファイナル……マスタースパーーーク!!」


先程よりも、何倍も太いレーザーが、私を跡形も無く吹き飛ばした。



……無駄だ。


私は、瞬間的に魔理沙の背後で復活し、


妹紅「デスパレードクロー!」


炎のオーラを爪の様に具現し、魔理沙に青い炎の爪跡を残した。

魔理沙は膝を突いた。


魔理沙「ぐはあっ!……クソッ、どんなに火力を出しても結局は復活かよ……!」

妹紅「……ああ、それを思い出したのなら、去ればいい。ここで燃え尽きたく無ければな!」


そう言い放った時だった。


ヘカーティア「いい加減……目を覚ませよ!」

妹紅「がっ…!?」


右腕に思い切り蹴りを入れられた。


ヘカーティア「貴方ねえ……私達にどれだけ迷惑を掛けてると思うの!?……貴方は、倒しても倒しても何度も復活する、言わば永久機関。そんな貴方がそんな私欲でこの世界を滅ぼすなんて事をしたら、力じゃ誰にも止められないのよ!……私にもね。」


……迷惑。

……そうだよな。私は皆に多大なる迷惑を掛けてしまった。正直、私は皆を傷つけたくない。


……だけど、身体が言う事を聞かないんだ。

……ヘカーティアが言った私欲。私はそれに、完全に呑み込まれているんだ。


妹紅「……私は……ただ……。」



……氷華と、永遠にーー



その時、私の身体を、地獄の業火と見紛う様な途轍も無い火力の炎が包んだ。


妹紅「うぐっ!?」

ヘカーティア「えっ!?」


その炎は留まる事を知らず、私の周囲の全てを焼き尽くした。


……なんて事だ。遂に火力が制御不能になってしまった。

……このままじゃ……



皆諸共、この世界が灰燼と化してしまう……!



……クソッ、私は、本当に、なんて事を……。

私欲に呑まれ、かつての仲間を無慈悲に倒していった。

……何故だ、何故あの時私は欲のままに行動した……!

……クソッ、クソッ!


……後悔が止まらない。

……私の欲は……止まった。

……だが、炎は止まらない。

……皆は……?無事……な訳ないよな。私が本気で倒したのだから。そして、この炎に包まれた。


……止まってくれ。



…………


止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれぇっ!



…………



炎は無情にも、その火力を緩めない。



……ああ。

……もう、何もかも終わった。

……不老不死さえ無ければ、今頃私は死んでいただろう。


……もう、それで良い。

……輝夜?……もう、どうでもいい。

……私は、生きてはいけない、どうしようもない罪人だ。

……誰か、誰か。



……私をーー





「……厭い川の翡翠っ!!」



続く

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