第一話 転生
第一話 転生
ここは、どこ。
ふわふわした暖かく柔らかい空間に私はいる。
とても、目を閉じて何だかずっとこの空間で過ごしたいと思えている。
しかし、遠くから誰かに呼ばれる気がして重たい目をこじ開けその相手を探す。
だが、真っ白な世界で誰も見当たらない。
キキ…!
遠くからの声が段々と大きくなっていく。
トントンと肩を揺らされる。誰もいないのに。
その時、目の前が急に眩しい光に包まれた。
「キキ!起きて!」
八ッ!
と、目を覚ますと見たことない部屋のベッドで寝ていた。
ここは、どこだ?
そして目の前に口元のほくろが印象的に美少女がいる。
でも、ん?
これって現実の世界?
なんだかすごく疲れていて、とても眠い。
夢かな。
と、寝直そうとした。
そんな私に美少女が、すごい勢いでポンスカ叩いてきた。
「キキ!起きて!やっと、久しぶりに会えたんだから感動の再会をしようじゃないの」
何をいっているのだろう。
この子は…。
感動の再会って見たこともない美少女だ。
印象的なのは色っぽい口元にある【ほくろ】やたら色気を出している。
そんな彼女と私は知り合いなのか?まったく身に覚えがない。
ただ、すごく真剣な口調っぷりなので、
まったく見覚えがない彼女だったが、重たい体をやっと起こし彼女の話を聴く事にした。
「キキ!幼稚園ぶり!元気してた?」
と、とってもハイテンションな美少女。
「えっと…どちら様でしたっけ?」
全然まわらない頭の中で、彼女の事を思い出そうとしたが
まったく思い出せない。
それに、こんな美女一度みたら忘れるわけがない。
「ララだよ。幼稚園の時に先に天国いったララ!二人でキキララ~!ってよく遊んでたじゃない!」
ララ?
現在私は高校1年生である。
幼稚園の時に親友のララという友達を亡くしていた。
彼女は体が弱く重い病の果てに亡くなった。
今でも、1年に一度は必ずお墓参りは欠かさずいっているし、ご家族とも仲良しだ。
ララだよ。と言われても意味が分からず、ただ彼女の事をボーと眺めてしまった。
「キキ間抜けだから、野良猫助けようとして自分が死んじゃうだもん。もう天国で見てたけどビックリしたよ。もともとドジだけど、
野良猫助けようとして…?16歳にして死ぬ事ないでしょって思って見てたわ!」
ん?
死んだ?
誰が?
「声に出てるわよ。ええご説明しましょう!あなたは野良猫を助けようとしてトラックに引かれて、キキあなたはご臨終されました。」
「えええええええええええええええええええええええ!?」
死んだ。死んだはいいがココはどこ。
なぜ生きている。死んだはずなのにいる?
しかも、現実の世界とは、ん?雰囲気が…ちょっと違う雰囲気。
ここはどこ!?!?
私が声にならない声をだしていると目の前にいるララが口を開いた。
「なぜ生きているのか。気になってるのよね。しかも、ここはどこだ?
しかも、なぜ死んだはずの私ララが目の前にいる。
そりゃ不思議というか驚いて同然のことよね。いいわ!ララ様がご説明してあげましょう!」
「まず、キキは死にました。ララも死んでいます。ただ私達は一旦天国に行っているわ。
そこが、また夢のようなところでね。報われない死に方、いい事をして死に方、過労死、ご年配の方…。
まぁ、そんな悪さしてない場合、また新しい生き方を、与えてくれる神様って方ががいるの…。
んで、私も、いつ生き返ろうかな~。どんな世界で第二の人生歩もうかな~っワクワクて思っていたけども、
なんせ死んだのが6歳。まだ自分では簡単に第二の人生なんて決めれなかったわけ。
そこで下界の様子を除き見しながら考えてたの。
天国ではね、ほぼ下界と同じような暮らしに近い状況を与えられたわ。
学力面のサポートに、生きるすでにいるものは大体ね。だから私と同じように早くに亡くなった子も
同様に親がいないだけで良い状況化で成長していたの。
そんな時、神様に言われたわ。そろそろ第二の人生決め時じゃないのかって。
でも決まらなかった…。で下界を除いてた時にあなたがハマってる「ロードバイクに魅せられて」を天国で読みながら、
ゆる~く第二の人生となるものを考えていたわけよ。
そ.こ.で、私も、まんまと、「ロードバイクに魅せられて」に、ドハハマりしたの推しのキャラも同じよ!【嗣永玲】
だから転生先はココしかない!
って思ってた矢先にキキあなたも死んだのよ」
うそみたいなララの話を、とりあえず聞いていた。
「で、【神様に、天国で良い子にしてたから、「ロードバイクに魅せられて」の世界に転生したいです!
なんなら、ナイスバディーで容姿も少年漫画のヒロインより格上、性格はこっちで何とかします
って無理難題押し付けたの。で、神様に他には?って言われたから、あなたを双子の姉として転生させろ】と
託して天国とサヨナラしてきたわけ。ってな感じで、私達がここ「ロードバイクに魅せられて」の世界にいるわけです。」
双子?
ララと?
「不思議そうに私を見てるわね、私達は双子の姉と妹になるの。姉はキキで、妹は私ララでーす。」
ん?
双子っていった?
「あ、また声に出てる。いいじゃん双子。」
「いろいろ、えええええええええええええええええ。なんですけど」
「やっと、会話する気になった??」
と、ララが満面の笑みを浮かべる。
女である、私が照れるほどの美少女だ。
ララが言う神様って方は、すごい。
本当にララのお願い通りを叶えたって事なの?
まって双子ってことは…
「ララ、事情はよくわからいけど、鏡、鏡!」
「ほれ、あそこ」
と指刺され全身が見える鏡の前に立つ。
そこには、びっくりするほどの美少女(まぁララと顔もスタイルも同じ)がいた。
まさに、少年漫画に必要不可欠なヒロインに相応しい容姿だった。
ララと違うところは、ほくろの位置だ。よく見ると私には目のしたに【ほくろ】がついていた。
「きゃぁあああああああ!まさに、これは理想のヒロイン像…」
私は、ミラクルな容姿と美少女の顔とツヤツヤな肌を手で確かめながら
感動していた。
「でしょでしょ!ただ…ね。転生先を…。ちょっと誤ったっぽいのよ」
誤った?
確かに、絵タッチも、まさに「ロードバイクに魅せられて」。
何が違うの?
まだキャラ一人にも会ってないから、わからないけれども。
「えっとね、キキが推しキャラである「嗣永怜」まぁ私の推しでもあります。彼の高校じゃないのよね」
「え、まってララ、嗣永君に会えないなら転生した意味ないじゃん…」
そう、私達が一推しでハマってるのは「ロードバイクに魅せられて」で一番人気の「嗣永怜」という人物である。
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担当ジャンル:クライマー
彼はロードに乗るクライマー。
外見の美貌や色気を持つ超スーパーイケメン。
美しいダンシングを魅せつけ山や坂を昇る。
その美しさから、男女問わずに人気の持ち主でファンクラブの人数ももダントツ1番
真の姿は一本気な信念と、仲間と自転車を愛する情熱家。
ついた異名は“山頂のビューティー“
ただ、そんな口数が多いタイプではなく背中で語るタイプ…。
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と、彼の簡単な紹介はこんなものなんだけども。
そう、ドハマリしているのだ。
彼がいるから、転生前も人生楽しく送ってこれた。
そんな言葉を添えてもおかしくないくらいハマっていた。
「ひどい!ここまで私が用意してあげたのに最後まで話を聞きなさいよ!」
ひどく怒るララを見て、ひとまず話を聞くことにした。
「私は3日前に前世の記憶と共に、現在の事を把握済なの。
この家の新しい両親の事。地域。これから通う高校の事。
そこでいろいろわかってきたわ。まず嗣永玲がいる高校に通う事になってないって事。
だって、ライバル高校である正明館学園ある栃木なんだもの。」
正明館学園それは、私が推している「嗣永玲」のライバルがいるチームの学校。
もちろん、こちらもイケメン揃いの学校。
「よくよく考えたわ。漫画では、あちらのヒロインは鈴木愛っていうマドンナ的なマネージャーがいるじゃない…
かぶらせない為に、どうやら、こちらの学校に転生されちゃったみたいで…。神様に交信して文句いったんだけど、もう手遅れで…ね。」
「天国とララは交信できるの!?」
「キキが転生される前の3日間の間だけ許されたけど、もう途切れちゃった。完璧に転生完了しちゃったみたい。」
「そういえば正明館学園には、マネージャーが存在しないものね。
っていうかララ、そもそもあの漫画自体恋愛無しって作者がいってるじゃない。
転生されたところで、生殺しって感じじゃないの?」
「ちっちっ。キキ甘いわね。だからの、この美貌を手にいれたんじゃないの!!!
容姿としてはアチラ側のヒロインに負けず劣らずだわ。いや、私達の方が格上よ!
さすがの嗣永玲だって、少しは振り向くでしょ!」
「でも恋愛出来ない漫画じゃ…」
「キキって本当バカなの?恋愛させるのよ。恋に落ちるのよ。落とすのよ!」
「はぁ…」
「何よ!その間の抜けた回答は!」
私達のハマってる漫画。「ロードバイクに魅せられて」は、ガチガチの少年漫画であり、
あちらの美少女ヒロインでさえ、恋愛対象にされていないのだ。
そんな中、学校も違う私達が、「嗣永玲」に、どう近づくというのか。
まず無理な事だらけだ。
唯一、彼に接点を持てるとしたらインターハイ?
でも、どうやってインターハイで行くわけ?
それに、ライバル校である、私達が通うと言われている正明館学園には
マネージャーがいない。
200人越えの大規模部活。
女マネージャーは取らないのかもしれない。
転生されたところで、意味あるの?これ。って話だけど。
目の前にいるララは、早く話を進めたそうである。
「キキ!言いたいころは分かるわ。」
本当かよ…。
「キキ!女子マネになるわよ!私達がヒロインになるのよ!
恋愛できなくなって推しが見れたらラッキーって思えばいいじゃない!
恋愛出来たら、さらにラッキーよ。
それに正明館学園のキャラを忘れてないわよね。松伏高校に負けず劣らずのイケメ揃いよ。
こんな素晴らしい環境ないわ。」
「ララ、そうは言うけど勝手に漫画の話って変えられるもんなの」
「ああ、そこね。大丈夫。神様と交信終わってて、こちらは架空の「ロードバイクに魅せられて」だから、
お前たちの好きなようにしなさいですって」
か、神様そんな適当でいいの!!!???
「でも、ちょっと難点ね。よくよく考えたらキキをここに転生させてしまったら、私とライバルになってしまったじゃないの。
だって推しは二人ともかぶってるんだから…
まぁいいか、情報交換も、すぐ出来るし…」
とブツブツ独り言いってるララだけど、丸聞こえですけどもね…。
「ララ…。」
ララのぶつぶつ小声で話してる心の声は丸聞こえだった。
話かける前にララは吹っ切れたようだった。
「そうよ!幼稚園の時あんなに楽しかったんだものキキとこうやって双子に転生出来て、高校生活絶対に楽しいに決まってる!」
「で、ララいつから私達高校生になれるの?私が死んだのは高校生になりたてほやほやの1日目だったはずなんだけど」
「うん!そいうことで明日から登校日でーーーす!」
「マジか!スタートダッシュ早いわね。」
ふと、良く考えてみる。
たしかに私は「嗣永玲」推しであるが…
「ロードバイクに魅せられて」の箱推しなのである。
なんせ全員がイケメンである。可愛い弟キャラからお兄さんキャラまで勢ぞろい!
まさに不女子である我らには、素晴らしい少年漫画だ。
そのために私は、ひたすらお小遣いとお年玉をため、ロードバイクを買い
毎日池袋の乙女ロードに通っていた。
松伏山を超えて
埼玉の松伏から約40キロの道のりを毎日!!
箱推しなので
箱推しとは:全員を愛かなでる事なので、
全員のフィギアも缶バッチも買いそろえてるわ。
もちろん他のグッズも…
それが、まぁ、ライバル校とはいえ大好きなキャラクターのいる世界だ。
パラダイスに決まっているではないか。
思わず顔がグニャリとニヤけた。
「ララ…。すごい不細工な顔してるわよ。想像は何となくつくけど…あなた全員好きのDDだもんね。
だからって私が用意した美少女キャラで、頼むから、そんな薄気味悪い顔作らないでちょうだい!」
またまた説明しよう。
DD:DDとは「みんな大好き」の略語である。
これは、面白い話かもしれない。
いや、とても面白い話だ。
自分の体を確認しても、ララが言ってる事は間違っていないようだし。
私は確かに転生されたようだ。
しかも願ったり叶ったりの容姿で。
あれでも、正明館学園って偏差値高い設定でなかった?
私なんかが通えるレベルなのかな?
「あ、学力面のこと気にしてる~?それは大丈夫!なんせヒロインときたら成績優秀でしょ。1年間は偏差値以上の学力を手に入れているわ。
ただ2年生以降は自力で何とかしなさい。第二の人生なのだからと神様に言われちゃった。」
ほほぉ~。
そこらへんは心配いらないと。
え、リアルパラダイスではないか。
マネジャーにならなくとも、学力気にしないで推し達と同じロードバイクに乗れるわけで。
もう最高ではないか!
「キキ、また顔が崩れてる…」
よーし。テンションあがってきたわ。
でも、前の人生も好きだったのよね。残念極まりないわ。
そこで気になったのが助けようとした野良猫だ。
あの子は助かったのだろうか。
「大丈夫。キキあなたは無事に野良猫ちゃんを助けました~!」
「え!また声に出てた?」
「ううん。考えてる事が表情で丸わかりなだけです。
でも、やっと話飲み込んできてくれたみたいね。安心したわ」
「そうね。ララやりましょうじゃない。あなたが敷いてくれたレールで第二の人生楽しむと腹くくったわ!」
「キャー!それでこそキキよ!楽しみましょう!」
私は、死んだというにも関わらず、ものすごいワクワクしていた。
あのキャラ達をまじかで見れるチャンス。
こうなったら新しい世界での高校生活エンジョイして見せる。
「ララ!そうと決まったら明日の投稿の準備よ!それとゴハンと両親紹介して!
挨拶しなきゃ!」
「キキ挨拶ってのおかしいわ。自然にふるまってちょうだい。
ヒロインに相応しい、お金持ちよ!もちろん自分たち専用のロードバイクも用意されてるわ!」
「ララさすがだわ!全は急げという事で!」
と私たちは双子のふり?をしつつ夜ごはんを食べお風呂に入り
夜遅くまでキャラと近づくには、「嗣永玲」に出会うためにはと作戦を練る事になったのであった。
第一話完
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