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夢千夜  作者: 西野了
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灰色のウサギの脱走と実家の解体に関して思ったこと

 マンションに住んでいるチンチラもどきの灰色ウサギが脱走した。こいつはいつも脱走したくて訪問客が玄関ドアを開けるのを狙っていたのだ。叔母さんがやって来たのを狙ってドアの隙間から逃げた。奴はエントランスの自動ドアもマンションの住人が開けたタイミングを見計らって外に出た。僕は慌ててウサギを追跡し野球のバッグネットのある空き地でゴロゴロ寝そべっているウサギを見つけた。ウサギに気づかれないように近づき何とか捕まえてマンションに帰った。

 マンションに帰ると叔母さんの双子の孫がいた。彼らは自分の名前を名乗るのだが僕は覚えられず「太郎と花子」と言うと孫たちは「違うよう」と言いながら灰色ウサギと遊ぶんでいた。灰色ウサギはだらしなくも沢山フンをして僕はその後片付けをする。長女が訪問客を送るために軽自動車で運動場の脇の細い道を走ると、大きなトラックやトレーラーが前方からやって来た。長女は僕の指示で左側の空き地で巨大な車をやり過ごすことが出来た。

 田舎に帰ると再開発計画で今からすぐに、この実家を出いて行かなければならなかった。愛車のスイフトを役場の駐車場に置いてもよいかと工事担当者に訊くと、その駐車場も解体工事の範囲に入っているので駄目なのだ。僕らは慌てて実家にある貴重品を持ち出した。僕は次女に渡したと思っていたブラウのだが、肝心なパーツを持ってこなかったので僕はキレてしまった。「ボケ!何で持ってこなかったんだ」僕はイライラしているらしく、その後暴言を発したことを反省した。だけど長女は僕の暴言を気にした風もなかった。

 妻は宝石類を持ち出そうとしたが、小さな木箱に中にはろくなものしか入っていなかった。(普段から整理整頓していないからこんなことになるのだ!)と思ったが、それを口に出すのは憚られた。僕は自分を紳士だと改めて思うのだ。

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