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夢千夜  作者: 西野了
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隣の工場

 実家の隣は駐車場だったはずだ。しかし急に工場が立っている。

 しかもそれは柑橘類の加工工場! 実家の部屋にきつい匂いが入ってこないか心配だ。

 近所の人も急に新しい建物が現れたので興味津々だ。1階の窓から中の様子を伺っている。7、8人とかなりの人だかりだ。距離をとって眺めている人たちもいる。

 この工場主は以前この村の住人だった。この村にも同じような工場があったのだ。だけど彼は工場を移転させたはずだったけど。

 僕もみんなと同じように中の様子を伺った。そこには僕が以前勤めていた障害者作業所の利用者さんが寝ころがっていた。みんな気持ちよさそうに横になっている。それを見て僕も一安心した。

 僕の実家にも柑橘類の匂いは入ってこなかった。

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