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王女奪還作戦 大団円

毎日1000文字を目標に続きを書いています。

次回の更新は明日です。

 眼下では、大勢の人達が歓喜の表情で俺たちを見上げている。


 今朝、見送ってくれた人達に無事の帰還を知らせるため、城に戻る前に王都の上空をゆっくりと旋回したので、その情報がいち早く王城にも伝わっていたのだろう。


 中庭では衛兵が最前列に立ち並び、野次馬と化した使用人が中に入れないようにしている。


 中央の開けたスペースには、ライカ、ヒナ、ジョアンは勿論のこと、リカルドや国王の姿もあった。


 国王が待ち切れずに中庭まで出てくるなど、極めて珍しいことだ。


 俺は中庭のど真ん中にワタシを着地させると、ロザリアをお姫様だっこで抱きかかえて、地面にひょいと飛び下りた。派手なアクションのように見えるが、ワタシが気を利かせて頭を低い位置に下げてくれているので、実はそこまでの高低差は無い。


 ロザリアは一瞬だけ驚いて目を丸くしたものの、俺が地面に立たせてポンと肩を叩くと、すぐに我に返って顔を上げた。


 目の前には、父親と兄の姿。


 ロザリアは多くの人前であることも、自分の立場や肩書きも忘れてしまったように、大声で泣きながら父親である国王の胸に飛び込んだ。


 国王は(多分、涙を堪えているのだろうが)怒ったように口を真一文字に結んでロザリアを抱きしめている。


 リカルドも同様に、しかめっ面でロザリアを見つめたり、顔を背けて目元をごしごしと擦ったりしていた。


(取りあえず、一件落着だな)


 ロザリアと同じように、侍女を順番に抱きかかえてワタシの背中から降ろしてやった俺は、大きく伸びをしてワタシの体に寄りかかった。


 すると――――


「はおうまるぅー」


「うわっ!」


 不意に横から伸びてきた手に、服の袖をくいくいと引っ張られた。


「なんだ。ジョアンか……。びっくりさせるなよ」


 何が驚いたって、ジョアンの顔が涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっていたからだ。


「ありがどう、はおうばるぅ」


「お前、どうしちゃったんだよ」


「ありがどう、はおうばるぅ」


 余程、感極まっているらしく、ジョアンは同じセリフを何度も繰り返しては、子供のように俺の腕を掴んで泣きじゃくっている。


 仕方がないので、俺は空っぽになった雑のう鞄から、回復薬を染み込ませるための手拭いを取り出して、ジョアンの顔をごしごしと擦った。


「ほら、綺麗になったぞ。早くロザリアの所に行ってこい」


「ありがどう、はおうばるぅ」


「いいからさっさと行けって」


 そう言って、俺が強引に背中を押すと、ジョアンはよたよたと覚束ない足取りでロザリアの所まで歩いて行った。


「どうしたんだ、あいつ……? 今朝はいつもどおりだったのに」


「仕方ないです。ジョアンさん、今日は一日中、心配で何も手に付かない様子でしたから」


 今度は後ろからライカの声が聞こえた。振り返ると、ライカとヒナの二人が俺のすぐ近くに立っていた。

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