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1960年代から1980年代3

  1960年代から1980年代へ



1969年4月8日、欧州で突然大きな事態が起こった。

ドイツが何かやらかしたのかって?

まさかのドイツが原因ではなかった。

ブルガリアとユーゴスラビアに対して、ギリシャが宣戦布告したのだ。

原因はユーゴスラビア(セルビア)の特殊部隊がギリシャのアテネでテロを起こし、その隙にギリシャ中央銀行を襲ったのだ。

これにギリシャは激怒。

ギリシャが被った被害総額は現在の円に換算すると1500億円。

さらに、ユーゴ軍の一部部隊が大セルビア主義に基づきギリシャ領アルバニアとマケドニアを取り返すと言って宣戦布告をしたのだ。

ギリシャは当時、隣国のブルガリアとの領有権争いをしていてブルガリア国境に精鋭部隊が配備されていて、ユーゴ国境側にはあまり部隊が配備されていなかった。

これにはいくつかの原因があると現在では考えられているが、当時のユーゴ政府は後の国連の聞き取りから、戦力を隠蔽していたことがわかった。

まぁそんな理由であっという間に隙を突かれたギリシャはユーゴスラビア軍によってどんどんと押された。

さらに、悪夢は続く。

これに便乗した国があった。

そうブルガリアだ。

調子に乗ったブルガリアはギリシャに宣戦布告。

まさに全方位を敵に囲まれた四面楚歌状態。

ギリシャは絶体絶命だった。

しかし、そこにキープレイヤーが現れた。

そうギリシャ因縁の相手であるトルコである。

先の大戦で味方だったといえ、ギリシャの長年に渡る因縁と不信感はかなり強かった。

しかし、ギリシャには今どのような結果になろうとも、トルコの手を借りるしか手はなかった。

バルカン半島はヨーロッパの火薬庫。

まぁその通りで、列強諸国はこの不安定な地域に介入することを拒んでいた。

ドイツとアメリカ及び日本の国連での対立に加えて、情勢不安定な欧州に大規模な部隊を展開したくないという日本、アメリカの本音が垣間見得ていた。

ドイツも、オーストリアを越えた国に支援するのはなかなか面倒なので、手を出さなかったし、イギリスも面倒なので無視していた。

フランスもイタリアもスペインもみんな無視していた。

ギリシャ軍はマケドニア、アルバニアで連戦連敗だった。

17日にマケドニア、22日にはアルバニア地域が陥落した。

28日にはテッサロニキ周辺にまでユーゴ軍が迫った。

しかし、ギリシャ政府はここで、英断を下した。

トルコ政府からの援軍を借りたのだ。

もちろん、トルコ軍は一気に攻めかかっていく。

オスマン朝崩壊時に失った領土を回復するために、ブルガリアに侵攻。

さらに、ギリシャには恩を売り、さらにはその先の自国を守るために一気にテッサロニキに向かい、敵軍をめっためったにした。

イスラム世界最強の空軍を保有するトルコ空軍にはユーゴのドイツ製空軍機と言えども練度の関係もありトルコ軍の圧勝で終わった。

制空権が失くなるとギリシャ陸軍も一気に反撃を始めた。

さらに、別にギリシャは頼んでもいないのだが、5月2日にオーストリアがユーゴに宣戦布告した。

クロアチア及びその周辺地域の奪還を掲げて、対ドイツ戦を意識した精鋭部隊が一気に侵攻した。

これにはユーゴもたまらない。

11日にはユーゴスラビアの首都ベオグラードにトルコ軍、オーストリア軍が侵攻した。

ギリシャ軍の一部精鋭部隊もまた現地に到着し、ベオグラードを包囲した。

ユーゴでは徹底抗戦か、降伏かに大きく揺れた。

まさか、トルコやオーストリアが宣戦布告してくるなど夢にも見ていなかった政府中枢は大騒ぎだった。

さらに、連合軍は48時間以内に結論を出さないとベオグラードに火砲と航空攻撃により火の海にすると最終通告が出された。

結局、12日の19時16分にユーゴスラビア政府は降伏した。




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