表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ざっくりunderstand!?  作者: らいのべーる
2/14

独断と偏見による 手話ってジェスチァーサイン?

さん角帽の屋根が特徴的な喫茶店。日が沈んだ余り混む事のない時間帯に数名のグループが入ってきた。そのグループは騒ぐことも話す声もなく淡々と紙で注文を交わしては、先に会計を申し出た。



「はぁ、喉が痛くて声が上手く出なかったから、ちょっと良かったよ」

「あはは、昨日からおかしかったもんねぇ」

喉を触りながら話すあじゃに、アメリーは笑いながら答えた。

「そんなに痛いなら、ジェスチァーでやったら?」

「えっ?そうだねぇやってみますか」

あじゃはアメリーの言う通りにジェスチァーで話かけた。

「は?わ?、あ?わ?ん?、、わ、た、、、??ムリムリわかんない」

腕や顔、体全部を使って伝えようとするあじゃに対して、アメリーは両手でバツを作り顔を横に振った。

「えーわかんなかった?」

「うん、何て言ったの?」

「ハムスター!!」

「はい?ハムスター?意味わかんない」

「あははは、それにしても伝わらないもんだねぇ」

あじゃは両手を広げて“わかんない”とポーズをするアメリーを見ては笑っている。


「はいはい、遊んでないで片してよね」

話をする二人に、ヨークは少し怒るように声をかけた。二人は、「ごめんなさーい」と謝り、カウンターに置かれるカップや残しものを片付けながら、ヨークに話かけた。


「ねぇヨーク、あじゃが喉痛いって言うから、ジェスチァーでって話になったんだけど、もっと簡単に伝えるのってない?」

「え?それなら、手話とか筆談とかあるじゃない」

「ほーぅ。うん、筆談は解るけど、手話ってよくわからなくない?」

「え?何言ってるの?手話は元々ジェスチァー的な感じで互いに伝えてたのよ」

「え?そーなの?」

アメリーとあじゃは驚いた表情をしては、「どうゆうこと?」とヨークに聞いてきた。

ヨークは、カウンターの上を片付けてはトレーをダスターで拭き、二人の顔を見た。

「えっと、何がわからないの?」

「手話って何?」

あじゃとアメリーは声を揃えた。

「そうねぇ、形よりもまずは、手話の生い立ちからよね。二人共手話は耳の不自由な人達が、全ての人達と話す手段として用いられてるのは知ってるわよね?」

ヨークは二人の顔を目で確認しては、あじゃとヨークは“うん”と頷いた。


「手話は元々、耳の不自由な人達の間で始まったコミュニケーションの一つだったのよ。互いに伝わるようにね。誰かが作った訳じゃないのよ」

「へー」

「だから、全ての人達が解る“手話”ってのは、なかったのよね。」

「なんで?」

あじゃとアメリーは、ヨークの話に前のめり体を寄せてきた。

「なんでって、国や地域の言葉が有るように、手話にも国の手話、家庭の手話が有るのよ。英語やスペイン語に私達の話す日本語のようにね。海外は海外で歴史が有るように、日本にも歴史があるのよ」

「どんなの?」

「日本に手話が始まったのは、明治時代の京都、史上では明治11年に学校を作ったと言われてるわ。最初の頃は、各家庭で使う“手話”つまりジェスチァーよね。身近な人だけが解る“サイン”が使われていたんだけど、全員が解るようにと、その時の先生達が各家庭の“サイン”を用いて学校内での統一をしていったのが、日本の手話の始まりと言われてるわ。世界だと、1760年代、パリに学校が作られ、D,レペ神父が、彼らの“サイン”を使用しながら、読み書きを教えていったのが始まりらしいのよ。それ以前にも沢山の“人達”がいたのだけれど、史実上、残っている文献だと“ここ”が始まりで、各国に広がっていったのよね」

「ほー」

あじゃとアメリーは左手を皿のように広げては右手で拳を握り、右手で左手を叩いては言葉をはいた。

「そうね、そんな感じね」

ヨークは二人のする“サイン”に右手で“OKサイン”を作っては笑みをこぼした。

「でも、“言語”として認められるまでは、かなりの時間、年月がかかってるのよね。解りやすく言えば“差別”よね」

「えー、ひどくない?」

「非道と言えば非道だけど、昔の人達は、固定概念や宗教的な意味合いが強かったから、なんともえいないんだけどね。でも今は、立派な“言語”として確立されているわ。“新しい言語”として取り入れられているの。1960年代に“独立言語”を発表してから、2010年には、ニュージーランドの公用語として認められるまでになったのよ。日本では、ドラマや歌によって広く認知されてきているのよね」

「すごーい。」

「広まり認知されてくるのは良かったんだけど、それと同時に問題が出てきたのよね」

「問題って?」

あじゃとアメリーは首を傾げて互いに顔を見あっては、互いに「わかんない」と顔をしていた。

「それはね、言語と同じで“手話”が“独立”していってしまうの」

「独立?」

「そう、独立。有る一定の“手話”はある程度まとめて“私達”にも覚えられるように作られてきたのだけど、文化や歴史と同じように言語も“手話”も“進化”していくのよ。これから覚えようとする“人達”に“壁”を感じさせてしまって懸念されてしまうのよね。アメリーが言ってたように“わからない”ってなるのよね」

「うー、、、」

アメリーは少し複雑な顔をしてはうつむいた。

「でもね、“手話”は“ジェスチァーサイン”なのよ。どんなことでも“伝える”“伝えたい”って気持ちが“手話”なんだからね」

「うん。そうだよね。“言葉”でも“手話”でも“伝える”“伝えたい”ってのが全ての始まりだもんね」

アメリーはあじゃとヨークの顔を見ては元気一杯に拳を上げては笑顔で笑った。

アメリーは、キッチンで洗い物をしているF.りかに「ねっ」と笑顔で今の“気持ち”を表した。

F.りかはアメリーに対して黙ったまま、顎で指図した。アメリーはF.りかの姿を見ては


「はい、、あいたお皿下げてきます」


と言ってホールに出ていった。



今日も四人のアルバイトが、明日の準備に腕を奮っている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ