独断と偏見による 悩み と 考え
三角屋根の特徴な喫茶店。日が沈みお客のまばらな店内では、カウンター前で他愛もない会話を繰り広げている。
「あーもう。。。意味わかんないよ」
あじゃは頭を抱えては顔をくしゃくしゃに下唇を前にだしては嘆いている。
「いったいどーしたのよ?」
「あ、アメリー聞いてよこの前さ、、」
あじゃはアメリーに答えのでない思いを話し始めた。
「まぁ、それは大変だろうけど、そのて
の話はワタシにはわからないよ」
「えー聞いてくれてもいいじゃん。。」
「だって、あじゃ自身の問題じゃなーい。ワタシにはどーすることもできないよぉ」
アメリーはあじゃの話すことに、手助けはできないと伝えては困った顔をした。
「あらあら、どーしたの?二人して」
ヨークは倉庫から補充用品を両手一杯に持ってはあじゃとアメリーに話しかけた。アメリーは手に持つ補充用品をヨークから受け取ってはカウンター上に置き、一つ一つ棚にしまっていった。
「ヨーク聞いてよ。アメリーにも話したんどけどさぁ」
「え?なに?どーしたの?」
ヨークはあじゃの顔を見ては首を傾け聞き返した。
「うんとね、どうしたらいいのか分からないことがあってね、それには対してどうすればいいのかって。。。」
「ちょっと待って、それって自分のこと?それとも誰かのこと?」
「うーん。どっちもかな、、、」
あじゃは困り顔をしては、頭を抱えて下をむいた。
「そうねえ。だとしたら私は、何もできないわね」
「えー。。ヨークもそうなのぉ?」
「だって、あじゃ自身の問題でもあるし、他の人の問題でもあるんでしょ?なら、私は何もいえないわよ」
「そんなー。。。」
アメリーは同じように言うヨークを見てはあじゃに問いかけた。
「あじゃは、どうしたいの?それによってはアドバイスも出来るかもよ?」
アメリーはあじゃの体を触っては「ね?」とヨークに向かって呼び掛けた。ヨークは「そうねぇ」と顎に手を添えては「その前に」とあじゃに問いかけた。
「あじゃはさ、その問題に対してどう思ってるの?」
「うん。出来ることなら助けたいけど、助けたところで、相手がどうなるのかって思うと、、やっぱり出来なくて。。。」
あじゃはヨークの質問にしどろもどろに答えている。
「。。。そうね、あじゃは“迷って”いるのね?」
「え?ヨーク、いまさら?始めから言ってるじゃない」
「そうじゃないのよ。アメリーも落ちついて。私が言いたいのは“悩み”と“考え”は違うってことなの」
「は?なにそれ意味わかんない」
アメリーはヨークの言葉に不快感をみせては、ヨークに聞き返した。
「“悩み”だろうと“考え”だろうと迷ってるんだからさ」
「そうよね。そうなるのよね。。。。そうね、まずは私の言う“悩み”と“考え”の話をさせてね。」
ヨークはアメリーの顔を見ながらあじゃの体を触り、一呼吸置いては話し始めた。
「私が言う“悩み”と“考え”って、両方とも同じようで同じじゃないの。何かを“求め”ている時ってアメリーはどうする?」
ヨークはアメリーに聞いた。
「そんなの決まってるじゃない。答えを探す」
「そうよね。。答えを探すわよね。“答えを探す”ってことが“考える”ってことなのよ」
アメリーは「は?」と口を開けては目を細めている。
「私が言いたいのは、答えを出すまでの“過程”の話なのよ。“悩み”と“考え”では、まったく異なることなのよ。いい?悩みと考えでは、答えが“出るか出ないか”の違いじゃなくて、“出す”か“そのまま”かの違いなのよ」
「え?」
「例えば、、そうねえ、お腹が空いててご飯を食べるとするじゃない?そこで、食べるか食べないかって“悩む”?それとも“考える”?」
「そんなの“考える”までもないわよ」
アメリーは腕を組み、鼻息を荒くしては、当たり前と言いたげに答えてきた。
ヨークは「クスっ」と笑っては話を続けた。
「そうよね、“考える”までもないわよね。だって“答え”がもうわかって、あるものね。お腹が空いてるってね。」
「あーもう、、そんなことより、私の話ぁ」
あじゃはアメリーとヨークに“聞いて”と頬を膨らませては眉間に皺を寄せて見てきた。
「まあまあ。。。で、それならあじゃの場合どうなるの?」
「そうねえ、、、」
ヨークはあじゃの方を見ては、軽く頷き言葉をだした。
「あじゃは、実際“どう”したいの?」
「自分じゃわからないから、相談してるんだよぉ」
「何かしようとしてるの?」
「うん。だけど、どっちをすればいいのか、、、」
「じゃぁ、どこまでかは答えはあるの?それならアドバイスは、できるわよ?」
「。。。それってどうゆうこと?」
あじゃとアメリーは口を揃えて聞いてきた。
「そうねえ。“悩み”って言うのは螺旋階段をぐるぐる回ってるように、同じ“場所”に居続けるようなもので、行動する“前”のことなのよ。答えなんて出てこないのよ。それで、“考え”は、行動した“後”のことを思うの。実際、“そうなったら”こうで、こうなったらそうで、ってね。」
「うーん、、、もっと簡単に言ってよー」
「そうねえ。。。悩みは、話したい、聞いてもらいたいって、自分の中の思ってることを列べてどうしようかって答えを“増やして”いくことで、、考えるは、こうなる こうやろうって自分の中の選択肢を一つに“絞って”いくことよ。」
「ほうほう。なるほどねぇ」
「それなら、私にもできるはず。まずは、、、」
あじゃは一人で“答え”を出そうとぶつぶつと“考え”始めた。アメリーはあじゃの話を聞こうとあじゃの顔近くに体を寄せた。
「あっそれと、相談するってことは、、、もう、、、ってきいてないわね。。。」
ヨークは二人を見ては両腕の力を抜くように下げては呆れるように軽くため息をはいた。
「F.りか。。。私の話って“わからない”かなぁ?」
ヨークはキッチン内で整理するF.りか心の内をふった。
「ん?、、、そりゃー“いつものヨーク”ってことでしょ」
「んんん、、、そうなると“答え”は出ないわよね。。。」
F.りかはヨークに切り返しては、冷蔵庫の中身を確認している。ヨークはF.りかの言葉に頭を“悩ませ”ている。
今日も四人のアルバイトが、明日の準備に腕を奮っている。




