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ざっくりunderstand!?  作者: らいのべーる
11/14

独断と偏見による ゴールは人それぞれ  

 三角帽子の特徴な喫茶店では空いた時間に休憩に入っていった。



 休憩中あじゃが何かを作っていると後からアメリーが休憩に入ってきた。


「よくやるわね あじゃも」


「うん やり始めたら楽しくなっちゃってねぇ」



 アメリーは飲み物を片手にあじゃの横に座った。


「ふーん ところでそれってどうするの?」



 あじゃは手を動かしながら聞き返した。


「えっ?どうするってなにがぁ?」


「何って あんたね 一つの作品として作ってるんでしょ?作ったらはい終わりって訳じゃないでしょ?」


「え、、、うん、、まぁ、、でも作ってるだけでも楽しいよぉ?」



 あじゃはアメリーの問いに返し鼻歌混じりに手を動かしていた。アメリーは手を動かすあじゃに「何で?」「どこにもださないの?」と何度も聞き返していった。


 暫くすると休憩室にヨークが入ってきた。



「二人とも休憩時間終わってるわよ」


「あ、ごめーん 今行くよぉ」



 あじゃはヨークの姿に安堵するように造りかけのモノを鞄に投げ入れ、アメリーから逃げるようにホールへと戻っていった。



「ちょっとあじゃ?まだ話終わってないじゃない??」



 アメリーは逃げ去るように戻るあじゃに声を飛ばし、深い溜め息をはいた。



「何々?どうしたって言うの?」



 ヨークは逃げるあじゃを見ては渋い顔をするアメリーに問い掛けた。



「あじゃのやつ、、、そうだヨークって確か歴史好きで色々なこと調べてるよね?」


「え?そうだけど?それがどうかしたの?」


「それって歴史調べて何かをするんでしょ?発表とかどこかに出すとかってさ」


「えっ?うん まあそうだけど」


「でしょ?やっぱりそうでしょ?最終的に目的があるからやるんでしょ?なのにあじゃのやつ、、、」



 アメリーは悔しそうな顔をして戻っていった。ヨークは二人と入れ替わりに休憩を取り、ホールへと戻っていった。


 ホールではアメリーとあじゃが、休憩中と同じように言い争うように話をしていた。



「まったく二人ともまだ言い争ってるの?」


「だってさ、、、」



 ヨークはアメリーとあじゃの間に入り、二人をなだめるように話を聞いた。



「ヨークからも言ってよ あじゃって作るだけで何もしないんだもん」


「作ってるだけで楽しいんだもん いーじゃん」



 ヨークを間に二人は言い合いを始めた。



「もう二人とも落ち着いて あじゃもアメリーも何もそこまで言い合わなくてもいいでしょ?それに作るだけでも ほら行動に起こすってことに意味があるでしょ?」



 ヨークはアメリーに聞き返すとアメリーは直ぐ様言い返してきた。



「何よそれ?それって出場することを目標にメダルを取らないのと同じじゃん やるならメダルとるでしょ普通は」


「ちょっと待って それは違うわよ それは目指す位置をどこに置くかであって 人それぞれでしょ?それに何かの大会に出るのも大変なことよ?」


「けどさ やるなら目指そうとしない?」


「いーじゃん別に 作ってるだけでもさぁ」



 あじゃはアメリーの言葉に言い返した。



「まぁまぁ二人とも落ち着いてね ところであじゃは何を作ってるの?」



 ヨークは話を変えるようにあじゃに聞いた。



「え?うんと、、前から興味はあったんだけど、、、これ」


「これあじゃが作ったの?凄いじゃない」


「でしょ?そう思うでしょ?だから 何で作ってるだけなの?ってことよ」


「作ってるだけでもいーじゃん 別に」



 またしてもあじゃとアメリーは互いに牽制しあうように繰り返した。



「そうね、、、個人的に言えばあじゃの作ったこれは凄いわよ 店に売られてても不思議じゃないもの 」


「でしょ?ほらヨークも同じ意見じゃない あじゃもわかったでしょ?」



 アメリーはヨークの意見を盾にあじゃに詰め寄った。あじゃは「何で?」と困る顔に口を尖らせている。



「ちょっとアメリー違うわよ 私が言ってるのそうじゃなくて作品を見ての率直な感想を言ったわけで、、、」


「でもさ ヨークだって売られてたら買うでしょ?」


「買うかもしれないわね 確かに」



 ヨークはアメリーの問いに思わず頷いた。



「でしょ?なのにあじゃはそうゆうこともしないで一人で楽しんでるのよ?」



 アメリーはそんなヨークに立て続けに口を動かした。



「そうね、、って ちょっと待って アメリーはあじゃのこの作品を出してもらいたいってこと?」



 ヨークはあじゃの作品を見ながらアメリーに聞いた。



「え、、まあそうだけど?」



 アメリーは当たり前でしょと言わんばかりにキョトンとした顔をした。



「えー、、、やだよ恥ずかしいし それに誰も見ないよぉ」


「やってみないとわからないじゃない あじゃっていつもそう 楽しい楽しいって言ってそこで終わり もっと先を見ようとしないの?」


「だって 自分じゃ出来てないって思うし 他の人のがもっと凄いじゃん?だからさ、、、」


「何でよ?アタシもヨークも凄いって言ってるのに何でそうなるわけ?」


「えーだって、、まだまだだと思うし、、、」



 作ったら見せるというアメリーに対しあじゃはしどろもどろに不安な心を覗かせていった。



「そうね 先の って話だけど あじゃはあじゃで見ているのよね」



 ヨークはあじゃを見ながら口を挟んだ。


「は?どういうこと?」


「それはね 確かに作品としては私もアメリーも凄いと思ったし 売られれば買うと思うわ けど作者としてはまだダメってことなのよね そこには売り手と買い手 うんうん 造り手、、職人といった方がいいかもしれないわね 職人は職人としてのこだわりがあるわけで それはその造り手にしかわからないものなのよね けど私とかからしたら もう出来上がりなわけでそれが作品の完成品なのよね それって目指す位置が私達とは違うとこにあるってことなのよね」



 アメリーはなんとなく腑に落ちない顔をした。



「でもさ 買い手と売り手ってなったら 買い手は買うじゃない?職人がどうこう言った所でアタシ達は知るよしもないじゃない こだわりがあるなし関係なく 買い手としては買いたいわけ だから作ったのならそこで終わりにしないでって話よ」



 造り手と買い手との話にアメリーは正直な思いを語った。



「そうよね そもそもあじゃは何で作ろうと思ったの?」



 ヨークはアメリーの話を耳にあじゃに問い掛けた。



「え?、、それは興味があって作れないかなぁって、、、」


「簡単ではなかったでしょ?」


「うん 何回も何回も失敗して ようやくこれが出来たの」


「そうよね 始めから出来てたらやり続けないわよね 失敗したから次はって繰り返して作りつづけたのよね それってメダルとるよりも困難なことなのよね」


「なんで?」



 アメリーは疑問に感じた。



「それはね 失敗や挫折と言ったものを繰り返し味わいながらやるってことなのよ それはかなり辛いものよ 自信を失ったり飽きたり 嫌になったりってね 見てる側は あーうー って一喜一憂するだけだけど 当人はかなり大変なのよね」


「けどさ、、」


「アメリーの言いたいこともわかるわ 作品として良いって思うから勿体ないって思うのよね 良い作品なのにってね けど造り手としては不安なわけで 良いのか悪いのかもわからないんじゃないかな?でしょ?」


「うん、、自信なくて、、それに他の人の見ると余計にダメって、、」


「もう そうやってあじゃは なんでそうなるのよ 良いって言ってるんだから受け入れなさいよ たがら出しなさいよ」


「でもぉ」


「でもじゃなーい」



 アメリーとあじゃは最後まで言い争っていた。



「まったく二人とも、、、何でああなるかな?」



 ヨークはキッチンにいるF.りかに問い掛けた。



「きっかけは些細なことからってね」



 今日も四人は明日の準備に腕を奮っている。




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