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第1話 机の中のノート

はじめまして、余韻えいしゅんと申します。

海外から、日本の青春が大好きな気持ちを込めて書きました。

日本語に拙いところがあるかもしれませんが、温かい目で見守っていただけると嬉しいです。

全15話・完結まで執筆済みです。どうぞよろしくお願いします。

もし誰かが、人類の歴史はニュートンの頭に落ちたリンゴによって変わったと言うなら、俺——鈴木翔太、十五歳、府中高校一年生——はここに厳粛に宣言しよう。俺の青春の歴史は、一個のMONO消しゴムによって幕を開けたのだと。

それは四月第二週の、金曜日の午後のことだった。

昨夜の雨で校庭の桜はすっかり散ってしまい、初夏の陽射しにきらめく瑞々しい若葉にその座を譲っていた。週末を目前に控えた最後の歴史の授業は、恐ろしいほどの催眠力を持っている。教壇から響く先生の単調な声は、まるでお経のようであり、1年B組の半分以上の生徒を深い昏睡状態へと陥れていた。

俺の席は窓際の一番後ろから二番目、前から四列目——あらゆる学園マンガで「主人公の席」と呼ばれるポジションだ。もちろん、体育館の方から吹いてくる涼しい風の恩恵を時折受けること以外、入学して二週間が経っても、俺の高校生活には「主人公イベント」の影すら見当たらなかった。

少なくとも、五分前までは。

俺は左手で頬杖をつき、半目で隣の席を盗み見た。

隣に座っているのは美波——肩ほどの長さのショートヘアで、いつもほのかに柑橘系の香りを漂わせている女子だ。五分前、俺がうっかり年号を書き間違え、筆箱をひっくり返して消しゴムを探していた時、黙って自分の消しゴムを俺の机の端に押しやってくれたのが彼女だった。

消しゴムを返す時、彼女の小指の先が俺の手の甲に偶然触れさえしなければ、どうということもない出来事だったはずだ。

ほんの〇・二秒ほどのこと。

彼女は何も言わず、ただ瞬きをして長いまつ毛を伏せ、黒板の方へと顔を背けた。しかし、この角度からよく見ると、後れ毛に隠れた小さな耳たぶがほんのり赤く染まっていたと俺は断言できる。

ドクン。

胸の奥で、心臓が大きく鳴った。

坊主頭の野郎ばかりだった中学を卒業したばかりの十五歳の男子として、俺の鋭い分析脳は即座に全データを統合した。無言の消しゴムパス? つまり、彼女は授業中ずっと俺の一挙手一投足を密かに観察していたのだ。〇・二秒のタッチ? 明らかに温もりを感じるためにわざと残したのに違いない。そして、あの恥じらいを含んで目を伏せる仕草は?

くそっ。疑う余地などない。

美波は俺の落ち着いたクールな外見に、すっかりメロメロになってしまったのだ。

腹の底から頭頂部へと沸き上がる興奮の波に、上履きの中で足の指が縮こまった。困ったな、高校に入ってまだ二週間しか経っていないというのに。俺の今年の目標は、毎朝の電車通学に慣れ、適度な運動部を見つけることだけだったのに、キューピッドは容赦なく俺の心臓めがけて矢を放ってきたのだ。

歴史の授業中にいきなり立ち上がって歓喜の雄叫びを上げるわけにもいかず、俺は体中を駆け巡る高圧電流を放電する場所を探さなければならなかった。

俺は机の中に手を突っ込み、真新しい茶色いクラフト表紙のノートを取り出した。それは四月の初め、英単語を記録するという崇高な目的のために母親が買ってくれたものだが、今日に至るまで一文字も書かれていなかった。

肘を低くし、前の席に座るやつの広い背中を教壇からの視線を遮る盾にして、ボールペンをカチッと鳴らすと、俺は筆を走らせた。

『極秘ファイル:高校一年生非リア脱出作戦 第一目標:隣の席の女子。 確認されたイベント:金曜日六時間目に消しゴムを借りる。物理的接触時間:〇・二秒。 状況評価:あの目を伏せる仕草は、間違いなく一目惚れした乙女の反応だ。どうしよう? 僕はまだこんなに早く彼女を作る心の準備ができていない。今夜、彼女はさっきの僕との接触を思い出して寝返りを打ち、眠れない夜を過ごすのだろうか? もし明日告白されたら、すぐに頷くべきか、それとも三秒くらい考え込むフリをして価値を高めるべきか? やれやれ、時としてモテすぎる男というのは罪なものだ。クックック。』

三文小説のような文章を書き終え、俺は頬杖をついてそれを三回連続で読み返した。読めば読むほど、自分の文章がなんと豪快で奥深いものだろうと思えてきた。

しかし、文字だけでは視覚的なインパクトに少し欠ける。思い立ったが吉日、ペンをくるりと回し、俺はページの下隅に自分の自画像を追加した。風になびく髪、スッと通った鼻筋、黄金比率のシャープなとんがり顎、そして四芒星が二つ輝く瞳。その横には、短い髪の棒人間が両手で胸を押さえながら後ろに倒れ込む姿を描き、「しょうたくん、カッコよすぎる!」という小さな吹き出しを添えた。

完璧だ。まさに現代アートの傑作。

コマの周りに薔薇の花でも散らそうかと思ったその時、一日の終わりを告げるチャイムが廊下中に響き渡った。キーンコーンカーンコーン。

歴史の先生が教室から足を踏み出した瞬間、あくびをしていたクラス中が一斉に活気づき、市場のような騒ぎになった。後ろの席の男子たちが一斉に立ち上がり、入学式の日から最初に仲良くなった健二が突然背後から飛びかかってきて、長い腕で俺の首を締め上げた。

「おい翔太! コソコソ何書いてんだよ!」

「うおっ! 何でもない!!」

俺は火傷でもしたかのように飛び上がり、生存本能に従って慌てて茶色いノートを閉じ、机の中の奥深くに突っ込んだ。このお節介な友人に、今書いたばかりの衝撃的な秘密を見られるのだけは避けなければ。こいつの顔を押し退けたら、すぐにノートをカバンにしまおうと心に決めていた。

しかし、健二はそんな隙を与えてくれなかった。ヘッドロックの体勢のまま、中学柔道部仕込みの馬鹿力で俺を椅子から引きずり起こしたのだ。

「早くしろ! 今日の午後はバスケ部の練習が休みだ。裏庭のコートを占拠して何試合かやってから、駅前のラーメン屋に行くぞ! 一秒でも遅れたら1年C組のやつらにコートを取られちまう!」

「ちょ、待てって、苦しい! カバンに荷物を……」

「カバンなら俺が持ってやるよ! 行くぞ!!」

健二は興奮気味に叫びながらスクールバッグを俺の胸に押し付け、そのまま首を挟んで教室の外へと引きずり出した。廊下での大騒ぎと、友達が誘うラーメンの香りにすっかり気を取られ、俺はノートを机の中に突っ込んだままカバンに入れ忘れたことを完全に忘却してしまった。

週末の夕暮れの鮮やかな陽光の下、俺は呑気にバスケットコートへと駆け出していった。その運命的な忘れ物が、来週の月曜日の朝に茶色いノートを机の中から蒸発させることになるとは、夢にも思わずに。

◇

「え? ない?!」

週明けの月曜日の朝、俺の悲痛な叫び声はホームルーム前の騒々しい空気の中に掻き消された。

俺は自分の席の横で立ち尽くし、右腕を机の中に深く突っ込んで、指先が奥のザラザラした合板に擦れるまで何度も探っていた。

空っぽだ。

机の中にあるものを全部引きずり出して机の上に積み上げた。角の折れた数学の教科書、先週配られたプリントの束、そして金曜日の夕方に捨て忘れたメロンパンの袋。

茶色いノートの影はどこにもなかった。

アイロンをかけたばかりの制服のシャツの背中が、冷や汗でぐっしょり濡れた。ごくりと唾を飲み込み、教室の床に両膝をついて、暗い机の中に頭を突っ込んで確認した。ない。椅子の下を覗き込む。ない。カバンのチャックを全開にし、筆箱の中身までぶちまける。やっぱりない!

「おい翔太、月曜の朝から机に土下座して高得点でも祈ってんのか?」

健二がパンをかじりながら通り過ぎざまに、俺の背中をバンと叩いた。泥棒の現行犯で捕まったかのようにビクッと飛び上がり、俺は慌てて立ち上がって口ごもった。

「い、祈ってねーよ! 全部お前のせいだ! 先週の金曜、お前が急いで引きずり出すから、ノートを机の中に忘れちまったじゃないか! お前……後から戻って俺のノートを隠したりしてないだろうな?!」

「ノート? お前の机の中なんて、ゴミ以外に金でも入ってるってのか?」健二は未確認生物でも見るような目で俺を睨むと、のんびりと自分の席へ戻っていった。

心臓が激しく脈打ち始めた。しかし今回のドキドキは、もはや少年の胸の高鳴りなどではなく、極度の恐怖によるものだった。

終わった。完全に終わった。

昨夜、家で時間割を合わせている時になって、健二に襲撃された際にノートを机の中に突っ込んだことを思い出したのだ。ノートがまだそこにあるようにと、俺は一晩中神仏に祈り続けていた。なぜなら、そのノートには俺の名前——「しょうたくん、カッコよすぎる!」——がはっきりと書かれた『極秘ファイル』のページ丸ごとと、隣の席の女子に対する妄想全開の文章が記されているからだ!

もしあのノートがクラスの男子の手に渡ったら、遅くとも今日の昼休みには、俺のとんがり顎の自画像がコピー機で拡大され、学年全体の掲示板に大々的に貼り出されてしまう! さらに恐ろしいことに……金曜日の放課後、俺がバスケに連れて行かれた時、隣に座っていた美波自身が机の中のノートを見つけて読んでしまっていたらどうする?!

俺は首を硬直させ、ゆっくりと右に顔を向けた。

美波はちょうど教室に入ってきたところだった。カバンを机に置き、椅子を引いて座ると、俺の方を向いて優しく微笑んだ。

「おはよう、鈴木くん」

「お、おはよう!!」

俺は首を絞められた雄鶏のような声を上げ、すぐさま窓の外へと顔を背け、熱くなった両頬を両手で覆った。彼女の態度は完全に普通だった。変態を見るような軽蔑の眼差しもなく、ラブレターを読んだばかりの恥じらいもない。ということは、彼女が持っていったわけではない。

じゃあ誰だ?! 掃除のおばちゃん? それとも、放課後の選択授業でこの教室を使った他クラスの生徒か?

その後の一週間は、まさに生き地獄のような日々だった。

毎朝、府中高校の校門をくぐるたびに、俺は処刑を待つ死刑囚のような気分だった。下駄箱で女子のグループが集まって指を指しながらクスクス笑っているのを見るだけで、足がゼリーのように崩れ落ちそうになった。授業中、先生が黒板で問題を解かせるために「鈴木」と呼ぶだけで、先生が皆の前でノートを読み上げるのではないかと思い、心臓が口から飛び出しそうになった。

教室の後ろのゴミ箱をあさり、落とし物が届いていないか職員室まで聞きに行き、クラスの悪ふざけ好きの連中の机の中までこっそり覗き込んだ。しかし、あの茶色いノートは羽が生えて宇宙へ飛んでいってしまったかのようだった。

その週の日曜日の夕方、ベッドに寝そべって天井を見上げながら、俺はついにすべてを諦めた。おそらく掃除のおばちゃんが、他の紙屑と一緒に処分してくれたのだろう。まあ……永遠に行方不明になる方が、全校生徒の前で展示されるよりはマシだ。

俺はそう自分に言い聞かせ、翌週の月曜日を迎えた。

しかし、神様はそう簡単に俺を許してはくれなかったのだ。

◇

翌週の月曜日の朝。

外はしとしとと春の雨が降っていた。俺は廊下で折りたたみ傘の雨水を振り払いながら、大きなあくびを一つして、のんびりと教室に入った。重いカバンを机に置き、いつもの癖で左手を机の中に入れ、傘を隅に押し込もうとした。

コツン。

指の関節が、平らで硬く、少しザラザラした紙の表紙のような物体にぶつかった。

頭の中の眠気は瞬時に吹き飛んだ。二百二十ボルトの電流が体を駆け抜けたように全身が硬直する。息を止め、その物体の端をゆっくりと掴み、明るい場所へと引きずり出した。

それだ。

まぎれもなく、俺の茶色いクラフト表紙のノートだ!

それは机の中の中央に、乾燥して平らな状態で、綺麗に置かれていた。この一週間、俺が毎日五十回以上も手を突っ込んで確認していた、まさにその場所に!

ごくりと唾を飲み、潜入中のスパイのように教室内をキョロキョロと見回した。誰も俺の机の方など見ていない。男子は春の野球大会の話で盛り上がり、女子は教室の後ろで楽しそうにおしゃべりしている。

少し震える手で、俺はノートを机の下の太ももの上に置き、最初のページをこっそりと開いた。

「非リア脱出作戦」の文章と、星の輝きを放つとんがり顎の少年の絵の下に、黒のゲルインクボールペンで書かれた新しい文章が現れた。丸っこくて、整っていて、とても綺麗な字——千分の一秒見ただけで女子の字だとわかる筆跡だ。

『目を覚ませ、このナルシスト変態!! 人間としての最低限の礼儀で消しゴムを貸してあげただけなのに、あんたのその自意識過剰な顔のせいで眠れなくなる人なんて、この世に一人もいないわよ! あんたの書いた文を読んだら、こっちまで鳥肌が立ってきたわ! 本当に気持ち悪い! それに、下にあるあの絵はいったい何なの? 人間の顎っていうより、穴掘り用のピッケルみたいにとんがってるじゃないの?! お願いだから、視覚を汚染するこの有害なノートを、さっさとこの机の中から片付けてちょうだい! 二度と私の目に触れさせないで!!』

焼き肉の網に顔を押し付けられたように、俺の顔はカーッと熱くなった。首から頭頂部へと血が上り、両耳は煙が出そうなほど真っ赤になった。

ど、どこの失礼な女が、俺のノートにこんな侮辱の言葉を書きやがったんだ?!

しかも俺の顎をピッケル呼ばわりだと?! これは九十年代の少女マンガのデフォルメ画法なんだよ、この芸術オンチめ!

クールな仮面を完全に剥ぎ取られた男の自己防衛本能として、俺の五本の指はページの端をきつく掴み、今にもそれを百個の破片に引き裂いて、証拠隠滅のために胃袋に飲み込んでしまおうとしていた。

しかし、ページが裂けそうになったその瞬間、俺の手はピタリと止まった。

待て。落ち着け、鈴木翔太。深呼吸をして、天才的な頭脳を駆使して論理的に推論してみろ。

第一に、この筆跡は非常に丁寧で、悪口の文末の感嘆符の点でさえ、普通の点の代わりに小さな丸が描かれている。百パーセント女子生徒の字だ。そしてこの机は1年B組の俺の固定席なのだから、この女子は習熟度別の移動教室でこの教室を使った1年A組か1年C組の生徒に違いない。

だが、重要なのは第二のポイントだ。時間である。

俺のノートは先週の月曜日の朝に机の中から蒸発した。そして今週の月曜日の朝になって、ようやく再び現れた。

つまり、丸々七日七晩!

もしこの選択授業の女子が、紙に書いたキツイ言葉通り、俺のノートを本当に「有害」で「気持ち悪い」と思っているなら……なぜ読み終わった直後にゴミ箱に捨てなかったのか? あるいは少なくとも、机の中に放置しておけばよかったのではないか? なぜ彼女はわざわざ俺のノートをこっそりカバンに入れ、家まで持ち帰り、丸一週間も手元に保管し、翌週の頭になってからこっそりと俺の机の中に返しに来たのだ?!

ドクン。

眩い真理の光が脳裏をよぎり、恥辱の暗雲を吹き飛ばした。俺の口角は思わずピクピクと引きつり、そしてゆっくりと、人生の真理を悟ったような薄笑いを浮かべた。

なるほど。わかったぞ。完全に理解した!

普通の女子が、何の下心もなしに男の持ち物を七日七晩も大切に保管するわけがないだろう? 間違いなくこの女子は、廊下や体育館、あるいは自販機でジュースを買っている俺の姿を偶然見かけ、いつの間にか密かに俺に思いを寄せていたのだ!

そして移動教室で偶然俺の席に座り、ノートを開いて見た時、俺が消しゴムの件で隣の女子にアタックしようとしていることに気づいた。彼女は悲しみと嫉妬のあまり、ノートを家に持ち帰り、一週間……枕を抱えて泣き濡れ、その後、俺の隣の席の女子への下心を打ち砕くために「逆ギレ」という手段に出たのだ!

そうだ! 「ナルシスト変態」だの「気持ち悪い」だのという言葉は、俺の気を引こうとするツンデレ女子の不器用な自己防衛の殻にすぎない! 他人のノートを七日間も手元に置いていたなんて、毎晩寝る前に俺の自画像を眺めないと眠りにつけなかったってことだろ?

やれやれ。十五歳の女子というのは、本当に厄介で理解しがたい生き物だ。

相手の「本当の心理」を握った途端、俺の心の恥ずかしさはすっかり消え去り、男としての広大な寛容の心が芽生えた。考えてみろ、俺に話しかけるためだけに、わざわざ一週間もノートを盗み出す計画を練って苦労したのだ。もし今、俺が冷たくノートをしまってしまったら、その脆い乙女心に対してあまりにも残酷ではないか?

そう思い、俺は低く魅力的な声で一つ咳払いをし、次の白紙のページをめくって、ノートを机の上に置き、お返しの筆を走らせた。

『移動教室の匿名の君へ。 口では「気持ち悪い」とか言いながら、僕のノートを家に持ち帰って七日七晩も隠し持ってからやっと返すなんて、どういうことかな? 僕のイケメンぶりに感動して、毎晩このノートを抱きしめて何度も読み返さないと安眠できなかったのかい? それに、あの消しゴムの件への過剰な反応……まさか僕が隣の席の女子を好きになるんじゃないかって、嫉妬で狂いそうだったってわけ? まあいいさ、僕の気を引くためにそんな子供騙しの手を使って恥ずかしがる必要はないよ。次に仲良くなりたい時は、僕の目の前に立って直接言ってごらん。君の誠意に免じて、公式ファン第一号にしてあげるか考えてもいいよ。クックック。』

書き終えると、俺は気前よく、紳士的なウィンクのスマイルマークを文末に描き足し、ノートを閉じて、机の中の最も目立つ場所に綺麗に置いた。

さあお嬢さん、今日の午後か明日、移動教室でこの部屋に来て、名探偵のような僕の鋭い推理を読んだ時、どうやって顔を真っ赤にして誤魔化すのか見ものだな!

しかし、世の中はまたしても俺の予測軌道から外れていった。

火曜日の朝、俺はドキドキしながら机の中に手を入れてノートを取り出し開いてみたが、ページは俺のウィンクのスマイルマークで止まったままだった。一筆も書き足されていない。

「今日は彼女のクラスがこの部屋を使う移動教室がないんだろうな」俺はそう自分を納得させ、退屈な自習時間でペンを持っていたついでに、暇つぶしとして下の余白に適当な言葉を書き足した。

『火曜日:今日は野球部の連中が闘牛みたいに猛ダッシュしたせいで、学食のメンチカツパンが売り切れだった。お腹ペコペコ。もし君が僕の彼女だったら、今頃はタコさんウインナーが入った愛の手作り弁当を食べられていたのにな?』

水曜日、そして木曜日になっても、ノートは誰にも一ミリも動かされることなく、机の中で静かに眠っていた。ノートをそのままにしておくのも勿体ない気がして、クラスで退屈なことがあるたびに、俺はそれを引っ張り出して、本当の日記のようにくだらないことを書き連ねた。

『木曜日:今日の数学の先生、僕を黒板に呼んで二次方程式を解かせた。五分間も黒板の前で立ち尽くして、数字が踊って僕をからかっているような気がしたよ。ちなみに、隣の席の女子が今日また僕の定規を借りていったよ。君も早くしないと、チャンスを逃しちゃうかもね。』

『金曜日:また一週間が終わる。ねえ、君のクラスは今週集団サボりでもしてるの? 月曜からずっと机の中にノートを置いてるのに、返事を読みに来た気配がないんだけど。図星を突かれて、恥ずかしくてこの教室に一歩も入れなくなっちゃったなんて言わないでよ? じゃあおやすみ、また来週。』

金曜日の放課後、カバンを持って帰る前、俺はうんざりしたため息をつきながらノートを机の奥に押し込んだ。どこの女子かは知らないが、彼女のイタズラもここまでで本当に終わりなのだろうと思いながら。

そして翌週の月曜日の朝、俺が教室に入って机の中に手を入れると……。

茶色いノートは、またしても跡形もなく消えていた。

◇

府中高校、1年A組の教室。

そこもまた、校庭の青々とした木々を見渡せる窓際の席に陽光が降り注ぐ部屋であり、前から四列目の席は、高橋蒼の固定席だった。

「ねえ蒼、今日の放課後、駅前に新しくできたカフェに寄って、SNS用の写真撮らない?」

由佳の楽しげな呼び声が、蒼を朝のまどろみから引き戻した。十五歳の少女はビクッとして、SNSのタイムラインを見ていたスマホの画面を慌てて消し、少し引きつりながらも完璧に練習された笑顔を浮かべて顔を上げた。

「うん、いいね! 今日の午後、お母さんに妹の面倒を見るように言われてないか確認してみるね」

女子グループがネットで流行っている曲の話題で盛り上がり始めたのを見計らって、蒼はようやく小さく息を吐き、華奢な肩を落とした。

郊外の小さな中学から高校に進学した蒼は、この新しい学校のオシャレで活発な友人グループにどうやってついていけばいいのか、まだ戸惑っていた。友達のSNSのキラキラした写真と何百もの「いいね」を見るたび、彼女はいつも、自分が取り残されるのではないかという目に見えない恐怖を抱いていた。グループの会話についていけず、浮いてしまうのを恐れて、いつも無理をして周りに合わせようとしていたのだ。

自分の席の横にある窓の方に顔を向けた時だけ、蒼は普通に息ができるような気がした。

それは週明けの月曜日の朝だった。

一時間目の準備のため、蒼は身を屈めて革のカバンを開け、国語の教科書を取り出すと、筆箱を空いたスペースにしまおうと机の中に手を入れた。

コツン。

手に何か見慣れないものが触れた。

蒼は眉をひそめた。先週の金曜日の放課後、帰る前に机の中は綺麗に片付けたはずなのに? どうして今日は、ちょうど真ん中のあたりに何かが盛り上がっているのだろう?

彼女は机の中からその物体を取り出した。それは、かなり地味な茶色いクラフト表紙のノートだった。デコレーションのシール一枚さえ貼られていないクラシックなデザインは、一目見ただけでクラスの女子のものではないとわかる。

(きっと、1年B組か1年C組の男子が、先週の金曜日の選択授業で忘れていったものね)

蒼は心の中で推測した。1年A組の教室は、金曜日の放課後の数学の選択授業で合同教室として使われることが多いため、時折、丸められたメモ用紙や隣のクラスの誰かの鉛筆が自分の机の中に忘れられているのを見かけることがあったからだ。

几帳面な性格の蒼は、他人の私物を勝手に漁るような習慣はなかった。ただ、後で休み時間に隣のクラスへ返しに行けるように、裏表紙に持ち主の名前とクラスが書かれていないか確認しようと、表紙を少しめくっただけだった。

しかし、最初のページが開かれた瞬間、蒼の丸く大きな目は限界まで見開かれ、完全にフリーズしてしまった。

目に飛び込んできたのはクラス名ではなく、滑稽なほど気取った、男子の殴り書きのタイトルだった。

『極秘ファイル:高校一年生非リア脱出作戦』

蒼は一度瞬きをした。そしてもう一度。

理性は「目が潰れる前に今すぐノートを閉じろ」と告げていたが、人間の忌まわしい好奇心のせいで、彼女の視線は自動的にその下の文章へと滑り落ちていった。

『……物理的接触時間:〇・二秒。状況評価:あの目を伏せる仕草は、間違いなく一目惚れした乙女の反応だ……今夜、彼女はさっきの僕との接触を思い出して寝返りを打ち、眠れない夜を過ごすのだろうか?……時としてモテすぎる男というのは罪なものだ。クックック。』

そしてページの隅の締めくくりには、薪割りに使えそうなほどとんがった顎を持つ男子の絵が描かれており、その横には両手で胸を押さえて倒れ込む棒人間と、「しょうたくん、カッコよすぎる!」という文字が添えられていた。

蒼の机の周りの空間を、恐ろしいほどの沈黙が包み込んだ。

一秒。二秒。三秒。

尾てい骨から頭頂部へと駆け抜けた悪寒が、蒼の腕の産毛をすべて逆立てた。皮を剥いていない酸っぱいレモンを間違ってかじってしまったかのように、彼女の顔はくしゃくしゃになった。

「な……なんておぞましいものなの、一体……」

蒼は喉の奥でうめき声を上げ、まるで生きたゴキブリでも持っているかのように両手でノートを持った。

今の時代に、この府中高校に、どんな薬を飲んでも治らないほど重度の自意識過剰病にかかっている生物が存在するなんて?! 消しゴムを貸してもらっただけで、一目惚れされて夜も眠れなくなるなんて妄想するなんて?! その上、「クックック」という笑い声まで自分でノートに書き込むなんて! こいつは石器時代に取り残されているのか、それとも少年マンガを読みすぎて脳がショートしてしまったのか?!

友達の前では常に優しくておとなしいイメージを保っている女子高生として、普段の蒼なら、黙ってノートを閉じ、二本の指でつまんで教壇に持っていくだけだろう。しかしなぜかその朝は、あのナルシストなとんがり顎の絵と、クラスで作り笑いをして無理に合わせてきた日々から蓄積されたストレスが相まって、名状しがたいイライラの炎が彼女の胸の奥で突然燃え上がったのだ。

うっかりこいつに消しゴムを貸してしまった、隣のクラスの可哀想な女子を救済しなければ! こんなナルシスト変態が、一秒たりともこれ以上妄想の世界でのうのうと生きるのを許してはならない!

深く考える余裕もなく、蒼は筆箱から黒インクのペンをさっと抜き出し、ノートを机に強く押し付け、ペン先がページを突き破りそうなほどの筆圧で一気に書き殴った。

『目を覚ませ、このナルシスト変態!! 人間としての最低限の礼儀で消しゴムを貸してあげただけなのに、あんたのその自意識過剰な顔のせいで眠れなくなる人なんて、この世に一人もいないわよ!……』

心の中の鬱憤をすべて書き連ね、ついでにあの「ピッケル」顎を完膚なきまでに罵倒するのも忘れず、蒼はようやくスッキリと息を吐いた。彼女はバタンとノートを閉じ、容赦なくそれを机の中の中央へと押し戻した。

(他人のクラスを借りておいて、精神的ゴミを撒き散らすなんていい気味だわ! 今週の選択授業で、隣のクラスの『しょうたくん』がこの机に戻ってきてノートを取り、この文章を読んだ時、どれだけ恥ずかしい思いをするか見ものね!)

しかし、その後数日間、奇妙なことが起こり始めた。

火曜日の放課後、帰る前にドキドキしながら机の中を覗き込むと、茶色いノートは全く動かされた形跡もなく、そこに堂々と鎮座していた。

水曜日、木曜日、そして金曜日の放課後も……ノートはまるで感情のない石ころのように、同じ場所に置かれたままだった。

蒼は不可解に思い始めた。まさかあの「翔太」というヤツは、今週はずっと病欠で、この教室の選択授業に来なかったのだろうか? それとも、誰かがこの席に座ったのに、机の中を覗こうともしなかったのだろうか? 本やノートを入れる邪魔になるから、いっそゴミ箱に捨ててしまおうかと何度も思ったが、他人の物を勝手に捨てるのは少しやりすぎだと思い直し、金曜日の放課後、帰る前にノートを机の中の隅へと押しやっておくにとどめた。

そして翌週の月曜日の朝、蒼が教室に来ると、茶色いノートは本当に消えていた。

(ふぅ……ようやくあのバカも、ノートを取りに来る気になったのね)

蒼はホッと胸をなでおろし、「消しゴム作戦」という名の奇妙な事件もこれで完全に終わったのだと考えた。山のような小テストや、放課後の友人グループとの集まりの中で、彼女はそのノートの存在をすぐに忘れてしまった。

そのまた次の週の月曜日の朝までは。

それは連休明けの最初の授業だった。蒼は1年A組の教室に入り、耳からイヤホンを外しながら、体操着の袋をしまおうと机の中に手を入れた。

コツン。

彼女の指先が、再びあのトラウマになるほど見覚えのある、ザラザラした硬い表紙に触れた。

蒼の唇の笑顔が凍りついた。彼女はゆっくりと身を屈め、机の中を覗き込んだ。

茶色いノート。

またそこにあった。彼女の机の中の中央に、まるで成仏できない呪われた幽霊のように!

「嘘でしょ……」

蒼は目を丸くし、ノートを勢いよく引っ張り出して次のページを大きく開いた。そして、自分への返信として書かれた殴り書きの文字を読んだ瞬間、十五歳の少女の血圧はレッドゾーンまで跳ね上がった。

『移動教室の匿名の君へ。口では「気持ち悪い」とか言いながら、僕のノートを家に持ち帰って七日七晩も隠し持ってからやっと返すなんて、どういうことかな? 僕のイケメンぶりに感動して、毎晩このノートを抱きしめて何度も読み返さないと安眠できなかったのかい?……』

ノートを持つ蒼の手がブルブルと震えた。

何よこれ、信じられない!

この……この頭スッカラカンの最低男、一体どうなってるの?! 誰があんたのゴミみたいなノートを家に持ち帰って、七日七晩も隠し持つっていうのよ?! 一週間ずっとこの机の中にデカデカと置かれたままで、誰も拾いもしなかったのに。それがあんたの水浸しの脳みそを通すと、私が……あんたに密かに恋をして、隣の席の女子に嫉妬して、毎晩あんたのノートを抱いて寝ていることになっちゃうわけ?!

しかもその下には、このイカれたヤツが能天気に、ノートを自分の毎日の食事や勉強の愚痴をこぼす場所に変えているじゃないの。学食のメンチカツパンが売り切れただの、私にタコさんウインナーのお弁当を作れだの、隣の席の女子がまた定規を借りていったと自慢して私を怒らせようとするだの!

「私……絶対にこのナルシストを殺してやる! あいつの妄想を粉々に打ち砕いてやらなきゃ気が済まない!」

高橋蒼の普段の優しくて控えめな姿は、窓の外へと正式に吹き飛んでいった。担任の先生が教室に入ってこようとしていることすら忘れ、蒼はギリギリと歯を食い縛り、黒インクのペンに飛びついて、次の白紙のページに怒りの雨を降らせ始めた——それは、当事者である二人が、その木の机の中に隠された本当の秘密を少しも知らないまま幕を開けた、府中高校史上最も奇妙な口喧嘩の始まりだった。


お読みいただき、ありがとうございます!

本日は第4話まで、19時20分から30分おきに更新します。

以降は毎日19時20分更新、全15話で完結します。


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