第245話 全身全霊でお受けしましょう
「アステリズム!」
「六花!」
僕はアステリズム12基を展開し、シーナさんは六花を4枚展開する。ピース同士で競わせ、僕はシーナさん本体を狙う。
右手にスターク、左手にアサルトライフルを持ち、射撃開始。シーナさんは双銃で対抗してくる。
激しい銃撃戦。無数の弾丸が飛び交う。
(あの二丁拳銃、やっぱりいい性能をしている)
シーナさんの持つ赤と青のハンドガンにはそれぞれ特徴がある。
単発式の赤と速射式の青。赤は威力が高く当たったらアウト。受けずに躱さないとならない。一方で青は威力は赤に劣るも弾速が速くて厄介。
2種の銃で絶妙な緩急をかけてくる。さすがだ。
シーナさんは弾をばら撒きつつ、宇宙を漂う岩塊の裏に隠れる。六花も戻した。
特殊外套を羽織ったのか、レーダーからシーナさんの反応が消える。
「何をするつもりだろう? あの裏から使われるとまずい武装は――」
まさか、
「レールガン!?」
レールガンで岩塊を貫通し、僕に当てるつもりだ!
発射のタイミングがわからないのはまずい!
(上から回り込むか……!)
僕は高度を上げ、岩塊の裏を覗く。
岩塊の裏にはワイヤーが巻かれたレールガンがあった。レールガンは上向きで放置されている。こちらに砲口を向けていたレールガンに対し、僕はつい体を強張らせてしまった。
(レールガン……しかない!)
刹那、神眼にレーザーの光が映る。体を傾けるも、レーザーにアサルトライフルを撃たれてしまった。
「くっ!」
壊れたアサルトライフルを捨て、レーザーが来た方向――真下を見る。
青い外套を羽織り、スナイパーライフルを構えたシーナさんが僕に体を向けていた。シーナさんは左手に巻いたワイヤーを手繰り寄せ、ワイヤーを結んでいたレールガンを手もとに戻す。
(レールガンを囮に……!)
シーナさんは六花を展開し、距離を詰めてくる。
「アステリズム!」
僕はアステリズム12基を展開。その内3基をΔシールドにし、2枚の六花をΔシールドにくぐらせる。Δシールドに触れた六花は麻痺し、その場で停止。停止した六花をスタークで狙撃し破壊する。
一方で、シーナさんも双銃の連射で僕のアステリズムを3基破壊した。
「距離20m、ベストな位置。あなたでも受け切れませんよ、このコンボは……!」
シーナさんの持つ双銃、それぞれに刻まれた竜の紋が光り輝く。
「双天竜、最大出力」
あの光……なんだろう。高出力モードみたいなものかな。
「え?」
シーナさんは輝く双銃をなぜか手放し、すぐ傍の宙に置いた。
その後で、レールガンを肩に装備。右手にスナイパーライフルを持つ。更に六花も己のすぐ近くまで戻した。
シーナさんのいま使える全ての武器が、出揃う。
「“Combo:Arms”」
ぞわっと、全身に寒気が走った。
咄嗟に確信する。『このままでは負ける』と。
「仕方ない……! もってくれよ僕の頭!!」
僕は∞の扉を開き、シーナさんを視界に収め瞬きをする。
神狼眼発動。ターゲット→シーナ。
『脳疲労アラート、脳疲労アラート。ゲームを――』
システムメッセージを振り払う。
僕は人差し指を立て、くいくいと挑発するように動かす。
「全身全霊でお受けしましょう」
「面白い……!」
緋縅、アステリズムを展開。まさに全身全霊の防御態勢。
シーナさんは最初にライフルを構えた。
(狙撃ライン予測)
シーナさんはライフルで僕の顔面を狙ってきた。シーナさんによる3発の狙撃、僕はスタークの狙撃でシーナさんの3発のレーザーを撃墜する。シーナさんは間髪入れず六花を飛ばしてくる。
(軌道誘導)
シーナさんは残った2枚の六花を先ほどまでと比べて倍程の速度で動かす。僕もアステリズムを最高速で動かし、レーザーの牽制で六花の動きを制限する。
(包囲、発射)
速度を緩ませた六花をアステリズムで包囲し、レーザーを放って六花を全て撃墜。
いよいよ次が本命かな――
(Δシールド展開、炎纏起動)
シーナさんは光り輝く双銃を構え、連射する。威力を増した赤の弾丸は最大限範囲を絞ったΔシールドで受け、速度が増した青の弾丸は炎纏モードの緋威とスタークの連射で弾き飛ばす。炎纏とΔシールドで弾き返した弾で、双銃を破壊する。
シーナさんは壊れた双銃を捨て、レールガンを構える。
「アステリズム、TripleΔ」
シーナさんはレールガンを発射する。僕はΔシールドを3枚並べて展開し、電磁の弾丸を防御する。Δシールド3枚の内2枚は突破されたが、3枚目で弾を消散させることができた。レールガンの弾はレーザーではないため反射はできなかった。
見事なコンボだった。切れ目が無く、コンボの隙間に攻撃を差し込むことはできなかった。美しいとさえ感じた。でも、
「終わりです」
レールガンを撃ち終え、隙の出来たシーナさんの胸の中心を狙撃モードのスタークで撃ち抜く。
「ここまで完璧に処理されるとは……! 撃ち抜かれて尚、称賛の言葉しか生まれない。あなたの勝ちです、シキさん」
シーナさんは満足気に笑い、散った。
僕もシーナさんと同じように笑う。
「いえ、引き分けですよ。シーナさん」
『脳疲労アラート、脳疲労アラート。強制ログアウトまで残り10秒――』
僕は脳疲労による強制ログアウトをくらい、脱落した。
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