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【第一巻発売中】スナイパー・イズ・ボッチ ~一人黙々とプレイヤースナイプを楽しんでいたらレイドボスになっていた件について~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
代理戦争編

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第245話 全身全霊でお受けしましょう

「アステリズム!」

「六花!」


 僕はアステリズム12基を展開し、シーナさんは六花を4枚展開する。ピース同士で競わせ、僕はシーナさん本体を狙う。


 右手にスターク、左手にアサルトライフルを持ち、射撃開始。シーナさんは双銃で対抗してくる。


 激しい銃撃戦。無数の弾丸が飛び交う。


(あの二丁拳銃、やっぱりいい性能をしている)


 シーナさんの持つ赤と青のハンドガンにはそれぞれ特徴がある。

 単発式の赤と速射式の青。赤は威力が高く当たったらアウト。受けずに躱さないとならない。一方で青は威力は赤に劣るも弾速が速くて厄介。


 2種の銃で絶妙な緩急をかけてくる。さすがだ。


 シーナさんは弾をばら撒きつつ、宇宙を漂う岩塊の裏に隠れる。六花も戻した。

 特殊外套を羽織ったのか、レーダーからシーナさんの反応が消える。


「何をするつもりだろう? あの裏から使われるとまずい武装は――」


 まさか、


「レールガン!?」


 レールガンで岩塊を貫通し、僕に当てるつもりだ!

 発射のタイミングがわからないのはまずい!


(上から回り込むか……!)


 僕は高度を上げ、岩塊の裏を覗く。

 岩塊の裏にはワイヤーが巻かれたレールガンがあった。レールガンは上向きで()()されている。こちらに砲口を向けていたレールガンに対し、僕はつい体を強張らせてしまった。


(レールガン……しかない!)


 刹那、神眼にレーザーの光が映る。体を傾けるも、レーザーにアサルトライフルを撃たれてしまった。


「くっ!」


 壊れたアサルトライフルを捨て、レーザーが来た方向――真下を見る。

 青い外套を羽織り、スナイパーライフルを構えたシーナさんが僕に体を向けていた。シーナさんは左手に巻いたワイヤーを手繰り寄せ、ワイヤーを結んでいたレールガンを手もとに戻す。


(レールガンを囮に……!)


 シーナさんは六花を展開し、距離を詰めてくる。


「アステリズム!」 


 僕はアステリズム12基を展開。その内3基をΔシールドにし、2枚の六花をΔシールドにくぐらせる。Δシールドに触れた六花は麻痺し、その場で停止。停止した六花をスタークで狙撃し破壊する。


 一方で、シーナさんも双銃の連射で僕のアステリズムを3基破壊した。


「距離20m、ベストな位置。あなたでも受け切れませんよ、このコンボは……!」


 シーナさんの持つ双銃、それぞれに刻まれた竜の紋が光り輝く。


双天竜(ツイドラ)最大出力(フルブースト)


 あの光……なんだろう。高出力モードみたいなものかな。


「え?」


 シーナさんは輝く双銃をなぜか手放し、すぐ傍の宙に置いた。

 その後で、レールガンを肩に装備。右手にスナイパーライフルを持つ。更に六花も己のすぐ近くまで戻した。


 シーナさんのいま使える全ての武器が、出揃う。



「“Combo:Arms(コンボ・アームズ)”」



 ぞわっと、全身に寒気が走った。

 咄嗟に確信する。『このままでは負ける』と。


「仕方ない……! もってくれよ僕の頭!!」


 僕は∞の扉を開き、シーナさんを視界に収め瞬きをする。


 神狼眼(ハティ・アイズ)発動。ターゲット→シーナ。


『脳疲労アラート、脳疲労アラート。ゲームを――』 


 システムメッセージを振り払う。

 僕は人差し指を立て、くいくいと挑発するように動かす。


「全身全霊でお受けしましょう」

「面白い……!」


 緋縅、アステリズムを展開。まさに全身全霊の防御態勢。

 シーナさんは最初にライフルを構えた。


(狙撃ライン予測)


 シーナさんはライフルで僕の顔面を狙ってきた。シーナさんによる3発の狙撃、僕はスタークの狙撃でシーナさんの3発のレーザーを撃墜する。シーナさんは間髪入れず六花を飛ばしてくる。


(軌道誘導)


 シーナさんは残った2枚の六花を先ほどまでと比べて倍程の速度で動かす。僕もアステリズムを最高速で動かし、レーザーの牽制で六花の動きを制限する。


(包囲、発射)


 速度を緩ませた六花をアステリズムで包囲し、レーザーを放って六花を全て撃墜。

 いよいよ次が本命かな――


(Δシールド展開、炎纏起動)


 シーナさんは光り輝く双銃を構え、連射する。威力を増した赤の弾丸は最大限範囲を絞ったΔシールドで受け、速度が増した青の弾丸は炎纏モードの緋威とスタークの連射で弾き飛ばす。炎纏とΔシールドで弾き返した弾で、双銃を破壊する。


 シーナさんは壊れた双銃を捨て、レールガンを構える。



「アステリズム、Triple(トリプル)Δ(デルタ)



 シーナさんはレールガンを発射する。僕はΔシールドを3枚並べて展開し、電磁の弾丸を防御する。Δシールド3枚の内2枚は突破されたが、3枚目で弾を消散させることができた。レールガンの弾はレーザーではないため反射はできなかった。


 見事なコンボだった。切れ目が無く、コンボの隙間に攻撃を差し込むことはできなかった。美しいとさえ感じた。でも、


「終わりです」


 レールガンを撃ち終え、隙の出来たシーナさんの胸の中心を狙撃モードのスタークで撃ち抜く。


「ここまで完璧に処理されるとは……! 撃ち抜かれて尚、称賛の言葉しか生まれない。あなたの勝ちです、シキさん」


 シーナさんは満足気に笑い、散った。

 僕もシーナさんと同じように笑う。


「いえ、引き分けですよ。シーナさん」


『脳疲労アラート、脳疲労アラート。強制ログアウトまで残り10秒――』


 僕は脳疲労による強制ログアウトをくらい、脱落した。

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― 新着の感想 ―
エース同士の激突は勝敗がその他の状況に託されてどうなるやら。取り合えず一方的な敗北はどちらも無さそうだけど決め手も欠けそう。
特科戦力同士の対決は痛み分けのような形に。おんぶ抱っこの方が上手く行けばっと期待を込めて
更新お疲れ様です。 片や撃破されてログアウト、片や無理し過ぎてシステム的に強制ログアウト…変な例えですが双方が『試合に負けて勝負に勝った』みたいな結果になりましたね今回の決闘(?)は。 はてさてエー…
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