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【第一巻発売中】スナイパー・イズ・ボッチ ~一人黙々とプレイヤースナイプを楽しんでいたらレイドボスになっていた件について~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
代理戦争編

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第229話 SPECIAL MAP

 まさかの宇宙空間。これは予想外だ。


 E級ランクマッチで宇宙を経験しておいて良かった。もしもこれが初宇宙だったら、とてもじゃないけどエース級の人達に太刀打ちできなかった。


(慣れた今はむしろ得意なステージ。これは運が良い)


 僕はワイバーンを使わず、ウィングで艦上まで飛ぶ。

 無重力下ならばワイバーン無しでも問題なく宙を動き回れる。


「……うわぁ。凄いな」


 岩塊(がんかい)漂う暗黒の空間。太陽(光源)が遠くに見える。


 他にも1つ、輝きを放つ物体が見える。アレはコロニーかな?


『全員聞け』


 ロゼッタさんからの全体通信だ。


『このステージは数ある宇宙ステージの中でもスモールコロニーが少ないステージだ。数はたったの4。しかし、厄介なギミックが存在する』


 ロゼッタさんの声はどこか暗い。

 このステージ、もしかして面倒な部類なのかな?


『それぞれのコロニーには『コロニーキャノン』という大砲が積まれている。弾数は1。このコロニーキャノンの威力はスピカ・セーラスの主砲の約3倍。サブシップを1撃で落とせるだろう。射程はステージの半径程、つまりステージの真ん中から使えればステージ上のどこにでも届く』


 え……!?

 そんなバランスブレーカー置いちゃダメでしょ! つ、強すぎる!!


『ただ扱いは難しく、遠くの標的を撃ち抜ける者は限られる。フリーパーチの中で、吾輩の知る限り射手適正を持つのはシーナ君とガーネット君ぐらいだね』


 あの2人の重要度が更に跳ね上がる。


『操縦盤はコロニー内のどこかにある。ここまで言えばわかると思うが……これを敵に握られると非常にまずい。コロニーキャノンの破壊、もしくは操縦盤の確保は最優先事項となった』


 つまり、


『作戦を変更する』


 ロゼッタさんはつらつらと早口で作戦を伝えた。

 基本、どの作戦も僕には関係の無いものだった。


『以上だ。作戦開始』


 1度全体通信が切れる。そのすぐ後、


『シキ君』


 今度はロゼッタさんから僕への個別通信だ。


「は、はい! なんでしょうか?」

『予定通り、君の居るアスター2は本陣より分離する。だが分離する目的は敵を誘い出すためでなく、コロニーを制圧するためだ。現在地から1番近いコロニーを、君とアスター2で制圧してほしい』


 MAP上である地点が点滅を始めた。


『いま君のMAPに目標地点を記した』


 これが僕が狙うコロニーの位置。


「制圧した後、コロニーキャノンを使うのですか?」

『もちろんだ。不測の事態ではあるが、君がコロニーキャノンを握ることができればその後の展開がかなり楽になる。コロニーに辿り着くより前に敵が突っかかってきた場合は当初の予定通り迎撃してくれ。アスター2の艦長にはこちらから事情を伝える』


 コロニーキャノンを使えるチャンスを貰えたのは嬉しい。

 コロニーキャノンの話を聞いた瞬間から実はワクワクしていた。是非とも使ってみたい。どんな感じなんだろうなぁ……! やっぱり、すんごい大きいんだろうなぁ……! コロニーサイズの大砲なんだろうなぁ……! それでサブシップを撃ち抜いたら……うわぁ! 絶対気持ちいいよ!!!


『……プレッシャーをかけるわけじゃないが、コロニーキャノンの存在のおかげで君の『駒』としての重要性は大幅に上昇した。簡単には落ちてくれるなよ』


 コロニーキャノンには恐らく射撃能力が必要なのだろう。

 ラビちゃんもロゼッタさんも、当然イヴさんも狙撃・砲撃ができるタイプではない。自軍の中で、コロニーキャノンに適正があるのは下手したら僕しか居ない。自惚れではなく、客観的に考えて、僕が落ちたらリカバリーにかなりの労力がかかるのは間違いない。


 『生存』に意識を傾けないとね。


「了解です」

『さて、次はまた全体通信をしなければ。まったく、クソマップのせいで忙しくて仕方ないよ。コーヒーを飲む暇も無い』


 コーヒーは試合後に飲んでください。


 通信が切れた。


 僕は艦上に張り付き、周囲を観察する。

 アスター2はメインシップから離れ、孤立。単独で1番近いコロニーを目指す。


 メインシップから離れて1分後、また全体通信がきた。


『あー、あー、あー。新たに作戦を追加した。よく聞いてくれ』


 ロゼッタさんは4つのコロニーにそれぞれABCDのマークを付けた。僕達が目指すのはコロニーA。


 一方で、ロゼッタさんが率いる本陣はコロニーAに1番近いコロニーBに向かっていた。コロニーBのコロニーキャノンは破壊するらしい。操縦盤を押さえたところで扱える射手がいないから破壊するみたいだ。


 僕がコロニーAのコロニーキャノンを使った後でコロニーBに移動し、コロニーBのコロニーキャノンも使う……という選択肢もあるはずだ。でもさすがに僕がコロニーBに行くまでの間、本陣をコロニーBに張り付かせるのは愚策か。


『以上。各々作戦通りに頼むよ』


 全体通信が終わる。


 僕達アスター2は孤独に宇宙の闇を進んでいく。

 進むこと1分30秒。遂に、目的のコロニーをスコープで捉えることができた。


 僕はライフルのスコープを使いコロニーAを観察する。うん、スモールコロニーの構造自体はランクマッチで見た物と差異は無い。


「光……?」


 右方面にチカチカと光が見えた。僕はスコープを光の方へ向ける。


「……アレは……!」


 サブシップだ。

 まだ距離はあるけど、敵サブシップがこっちに向かって飛行している。


『お嬢さん』


 頭に通信が響く。


『久しぶりだな。また一緒に、派手に花火を打ち上げようじゃないか』


 アスター2の艦長さん……だと思う。

 この声、どこかで――


「えっと、あの。どこかでお会いしましたっけ?」

『忘れちまったのか? この私、不撓不屈(ふとうふくつ)の艦長、キャプテン=パーロックを』

「あ! あの時の!?」


 ある日のこと、僕はアシア近海に押し寄せたメーティス軍を撃退するために出撃した。パーロックさんはその時、僕の指示に従って特攻してくれた戦艦の艦長さんだ。


『気軽にパロと呼んでくれ』

「あれ、アスター2の艦長は違う人だったはず……」

『前艦長は腹痛とダンスしちまってな。私が代役だ。ふっ、これもデスティニー。私とお嬢さんが組めば勝てない相手はいないさ』


 そんなことは無いと思うんですけど……!


『私はお嬢さんの指示に従う。私からは何も提案しない。さしずめ、私はお嬢さんのマリオネットさ』


 この人、ちゃっかり指示待ち宣言している!


『お嬢さんに全ベットだよ』

「わ、わかりました。では、横のサブシップについてですけど」

『ああ、すでに捕捉している』

「コロニーに行くためにはアレを排除しないといけません。レイ・オブ・サンクション改とテンパチの解凍をお願いします。あと、僕の周囲にプレイヤーは置かないでください。艦上は僕が守ります。その他の運用はお任せします。念のため、ロゼッタさんに現状の報告もお願いします」

『了解した。では行こうか。スリルとロックの匂いがする方へ』


 よくわからないセリフと共に通信が切れた。


「大丈夫かな……」


 艦長は心配だけど、今は言っている場合じゃない。

 サブシップ同士の距離が近づく。


(解凍が間に合わなかったか。これだけ近づくとレイ・オブ・サンクションを使う意味はほとんど無い。先制でダメージを与えたかったけど、仕方ないね)


 敵艦から、スペースガールが展開される。

 集団だ。一番前で、集団を率いているのは――3人。


「そんな……!?」


 先頭をゆくのは、僕が知っている人達。

 3人の内の1人は、フリーパーチチームのリーダーだ!


「どどど、どっかーん! あっばれーるよー!」

「遊びに来たぜぇ! シキィ!!」

「……」


 ガーネットさん、クレナイさん、シーナさんのスリーマンセル!?


 敵スペースガール集団は散開。先頭を走っていた3人だけが僕の居る艦上を目指している。


「なんで……!?」

宇宙では大体みんなフリーチャンネルで通信回線を開いているため、それなりの距離でも声が届きます。

秘密の話をする時はちゃんと閉じてます。仲間内だけで通信する際はフレンド通信あるいはシークレットチャンネルで通信しています。フレンド通信はフレンド同士で出来る通信、シークレットチャンネルはそのチャンネルを作ったマスターが設定したパスワードを入力すれば誰でも入れるチャンネルです。

今回ロゼッタとはフレンド通信、パロとはシークレット通信、ガーネット達とはフリー通信で繋がっていました。ちなみにフリー通信は自分の音声だけ切ることも可能です。それぞれ脳波もしくはスペース・ウォッチ操作で切り替え可能。

さらに補足多くてすまんですが、スペースガールは聴覚が強化されているため、普通の人間より遠くの声を拾えまっせ(ずっと前にシキvsツバサで軽く説明があったはず)。距離があっても会話できているのはこれが原因。以上、通信に関する補足でした。

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― 新着の感想 ―
シキのこと知ってコロニーもあるとすれば自ずとやることの方針は確定するってもんで。 問題は序盤からあちらの主力メンバーとかち合ってしまったことが詰みに近づいて来たことかなぁ
まずいまずい。初っ端から盤面が決定しかねない設置物と攻め手の挟み打ちになっちゃう誤算展開に
まあ、初期位置はランダムだから、このメンバーとぶつかったのは偶然でしょうね。 その上で、『シキを撃破、それが無理でも封殺可能な人員』を差し向けてきたのでしょう。 大荒れも大荒れのスタート、敵的にも『…
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