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【第一巻発売中】スナイパー・イズ・ボッチ ~一人黙々とプレイヤースナイプを楽しんでいたらレイドボスになっていた件について~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
代理戦争編

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208/272

第207話 艦上の戦い


 アスター2周辺の空域は激戦となっていた。


 左右を敵サブシップ2隻に挟まれ、正面には敵メインシップとサブシップ2隻。

 僕はワイバーンを使い空を駆け、なんとか敵スペースガールを撃破していくも、防衛線はドンドン押し込まれていく。


(ダメだ……いくら倒してもキリが無い)


 敵機はすでに50機以上落としているけど、終わりが見えない。


「……アスター2を捨てて離脱しようか」


 それでスピカ・セーラスと合流――



「離脱はさせないよ」



 僕と太陽の間に、誰かが割り込んだ。

 僕はすぐさまアステリズムで頭上の敵を狙うも、敵はレーザー弾を躱し、手に持った長い機械の棒を向けてきた。


「棍棒……違う!」


 僕はワイバーンで後ろに飛ぶも、逃げ切れない。

 襲撃者は棒の先にレーザーの刃を展開し、突き出してくる。体は躱せたけどワイバーンは穿たれた。


(スピア)か!!)


 僕は傷ついたワイバーンを捨て、ウィングに移行。そのままアスター2の艦上に飛び移る。槍使いも僕を追って艦上に来た。


「可愛い顔して落とし過ぎだよ、おチビさん」


 黒のタンクトップに軍パン。垂れ目で、灰色のロングヘアーの人。首元にはタトゥーがある。

 その瞳は真っ暗で、テンションは低い。けど、なんか色気がある。腕に筋肉がしっかりあって、腹筋も服の上からでもわかるぐらい割れている。身長も170はある。


「……あ、あの……スーツ、着てないんですね」

「私はいいんだよ。この芸風で人気だからさ。あ、これ名刺ね」


 槍使いの人は風に名刺を乗せ、風下にいる僕に名刺をパスする。名刺を受け取り、名を読み上げる。


夜暗(よあん)……さん」


 僕は名刺を手放し、身を屈める。夜暗さんは槍で名刺を突き刺し、僕の残像を貫く。


「視線は完全に名刺にあったのに。視野が広いね」


 僕は体を回転させ、蹴りで夜暗さんの足を払う。

 夜暗さんは前のめりに倒れそうになるも、槍の柄を艦上に押し当て、高跳びの如くジャンプして距離を取った。僕はスタークの速射モードで追撃するも、夜暗さんは槍を回転させてレーザー弾を弾いた。


「……あなたがエースですか?」

「そうだよおチビスナイパー」


 夜暗さんの腰についているアタックピース12基が射出される。小型の端末からレーザーの刃が生え、僕に向かって飛んでくる。

 シールドピース無しのアタックピース全振り。それにしても、


(ピースの速度が速い! シーナさんみたいに脳波強度が高いタイプか!)


 僕もアステリズム12基を展開する。

 僕のアステリズムと夜暗さんのアタックピースは激しい空中戦(ドッグファイト)を繰り広げる。


 僕と夜暗さんも動く。僕はスタークの連射で夜暗さんを狙うも、夜暗さんはレーザーを避けて接近してくる。


(簡単に躱してくれる! このゲームのアタッカーは変態ばかりですか!)


 僕は右手のみでスタークの射撃を続行し、空になった左手を前に出す。


(新武装のお披露目です)


 僕の左手の指の第一関節の連結が外され、第一関節から先が手の甲の方へ畳まれる。5本の指に空いた穴から、僕は()()を噴射する。


 5本の指から射出されたゴムは1瞬で膨らみ、5体の僕の姿をした風船となる。


「デコイバルーンか……!」


 これが僕の新しい武装だ。アサルトライフルを抜いて、このデコイバルーンを入れた。


 夜暗さんは5体の風船に体を覆われる。


 僕はスタークを狙撃モードにし、発砲。風船ごと夜暗さんの左肩を撃ち抜く。バルーンの中には燃焼ガスが詰まっているため、レーザーに触れた瞬間爆発。5体の風船の爆発を夜暗さんは一身に受ける。


「……やってくれるじゃないか」


 ダメージはほとんど無い。燃焼ガスと言ってもこの体に内蔵できるレベルだから、攻撃力は低く、全身の耐久値を10~20減らした程度だろう。爆発はただの目くらましに過ぎない。


(胸の中心を狙ったんだけど外れた。ギリギリ身を捻られたね。本当に……エース級のアタッカーの反応は怖い)


 ちなみにデコイバルーンは1度発射(5体分を射出)すると自動リロードが1分かかる。


「データに無い武装だ」

「す、凄いアタッカーの方が多いので、距離を取るための武装を入れました」


 陽動、追尾切り、死角の確保、レーダーの誤魔化し。

 この武装1つで出来ることは多い。僕の肌に合う。鬱陶しい手がいっぱい打てる。


「あなたが最初の被害者です」

「そうか。光栄だね」


 右腕1本になっても一切気勢は衰えない。すぐさま加速してくる。僕の全力加速をもってしても振り切れない。


(この人もミフネさんと同じだ。ウィングを使っていないのに凄まじい加速力。スラスター能力を上げる拡張パーツでも入れてるんだろうね)


 アステリズムを引かせ、()()を調整する。


「ここだ」


 僕は足を止め、ワンオフ式を手に取る。


「高出力モード……!」


 レーザーサーベルを高出力モードで展開。夜暗さんはワンオフ式の長い刀身を見て、すぐさま回避体勢に入る。僕はサーベルを振り上げる。


「「残念」」


 僕と夜暗さんは同時にそう口にした。

 夜暗さんはレーザーサーベルを横に飛んで躱す。ここまでは計算通り。僕の斬撃はここで終わらない。


 そのまま僕は空中のアタックピースを狙う。


「しまった……誘われたか」


 その通り。わざとアステリズムを引かせて追いかけさせ、ワンオフ式の間合いに入れた。

 僕はワンオフ式の1振りで3基のアタックピースを両断する。アステリズムは充電のため、1度僕の腰に戻る。夜暗さんもアタックピースを自身のもとへ戻した。


「やるなぁ」


 そう言って夜暗さんは槍を肩に抱える。


「女性を堕とすのは得意なんだけどね。中々ガードがお堅いな。おチビさん」

「お……おチビさんでは……無いです。150ぐらいはあります……」

「150は小さいだろ」

「うっ……!」

「残念だけど、悠長にトークしている暇は無いらしい。そろそろ、全開で口説かせてもらおう」


 夜暗さんの纏うオーラが強くなる。

 僕はそんな夜暗さんを見て、にやりと笑った。


「夜暗さん……全力を出すの、少し遅かったかもしれませんよ」 


 アスター2を囲んでいたKnightNightのメインシップが、単独で戦闘空域から離脱した。

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― 新着の感想 ―
150㌢だと小学生か中学生か。どちらにしてもちっこい方だろうからまあ…うん。スナイパーする分には見つかり辛いから(小さくて)
更新お疲れ様です。 ほう、新たな強豪ですか…大したものですね(某漫画並感) 個人的にはミフネより初見の第一印象良いですね…彼女もマジで勝ちたい時は多分手段は選ばないんでしょうけど、なんかミフネと違っ…
落とす手腕が慣れた人来た!やっぱりエース級はキャラが濃くて怖いかもw
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