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【第一巻発売中】スナイパー・イズ・ボッチ ~一人黙々とプレイヤースナイプを楽しんでいたらレイドボスになっていた件について~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
代理戦争編

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第203話 プリンセス・シキ

「ここが格納庫です」

「わかっているさ」


 僕達は格納庫に到着。

 格納庫では技師さん達がせわしなく働いていた。次の戦いに向けて、急ピッチで機器を組み立てている。


 そんな技師さん達に紛れて、見たことのある毛玉が鉄材を運んでいた。


「にゃっほ! にゃっほ!」

「あ、ソルニャー!」

「んにゃ?」


 ソルニャーはこっちを向き、鉄材をその場にぶん投げて近づいてきた。


「これはこれはシキ殿。にゃっふ~」

「にゃ、にゃっふ~?」


 そんな挨拶あったっけ?


「へぇ。中々じゃないかこの子。AI値が7万を超えている。誰が作ったんだい?」

「えーっと」

「あたしだよ」


 白髪ポニテロリっ子、イヴさんの登場だ。いつも通り煙草を咥えている。


「君、技師としての才もあるのか」

「アンタには遠く及ばないけどな」


 そっか。全然そっち方面のことは考えてなかったけど、ロゼッタさんもイヴさんも開発者および技師としてかなり優秀なんだ。ロゼッタさんに至ってはチャチャさんに並ぶかそれ以上の技術力がある。この2人がいれば大抵のものは作れそうだ。


「さてと、頼んでいた物はできたかな~」

「まだだよ。けど試合開始までには間に合わせるさ。ほれ、今の進捗」


 イヴさんは電磁スクリーンを展開し、ロゼッタさんに見せる。


「おや? ここの責任者は君なのかい?」

「そうだよ。六仙のやつに任された。それにしても変なモンばかり作らせるなぁ、お前」

「真っ当な兵器は面白味に欠ける」

「うにゃ! 指揮官殿!」


 ソルニャーがロゼッタさんの正面に回り込む。


「ソルニャーも大会に出して欲しいにゃ!」

「それは無理だね。AI値が高すぎる」

「さっきも言ってましたけど、AI値ってなんですか?」


 僕が質問すると、イヴさんは咥えていた煙草を指に挟み、


「AIの知能指数ってやつだな。今回の代理戦争、自律AIを搭載した兵器は使用不可ってのは知ってるよな?」

「はい」

「でもこれはAIを使うなって意味じゃない」

「え? そうなんですか?」

「戦艦の砲銃に付いている自動照準機能だって広義じゃAIだろ。でもどの戦艦も普通に使っているじゃないか」


 確かに。


「じゃあどこからを自律AIと呼ぶかって話だ」

「なんの指示も無く動く機械はダメ……ってことじゃないんですか?」

「違うな。それなら戦艦を自動的に修復するあの小型機もダメだろ?」


 確かに。


「じゃあなにがダメで、なにがOKなんでしょう?」

「こういうことのライン決めに使うのがAI値なのさ」

「なるほど……」

「自律型AIってのはAI値が5000以上のモノをいう」

「ソルニャーは100%アウトですね……」

「ついでに言うとアビリティデータを使ったブツもアウトだな」


 シラホシ・コピーのような物は使えないってことか。


「この制限内でどんなAIを作成するか……プログラマーの腕の見せ所さ。不必要な処理はギリギリまで削らないと」


 やっぱりこの代理戦争、技師の質もかなり勝敗に影響するね。


「ほれソルニャー。そろそろ仕事に戻るぞ」

「うにゃ~……ソルニャーも『かめら』に映りたかったにゃ~……」


 ソルニャーは残念そうに肩を落とす。


「そう気落ちするなソルニャー君」


 ロゼッタさんがソルニャーの頭を撫でる。


「君自身を出撃させることはできないけど、君をカメラに映すことはできる」

「ホントかにゃ!?」

「本当だ」

「いやいや、どうやってやるんだよ」


 イヴさんが聞く。


()を変えればいいじゃないか」

「――そういうことね。了解」


 僕には意味がよくわからなかったけど、2人は今の短い会話で意思疎通できたようだ。


「やったにゃ! ソルニャー、おてつだい頑張るにゃ!」


 ソルニャーは鉄材を拾い、格納庫を走り、そして工具に(つまづ)いて転んだ。


 良かった。ひとまず何も問題は無さそうだ。

 このままトラブルなく、二回戦が始まればいいな――


「――ここに居たかシキぃ!!!」

「ひぃ!?」


 覇気のある声が、格納庫に響き渡った。

 技師の人達は、その声の主から逃げるように距離を取る。


 その人は資材の搬入口から続くベルトコンベアに乗っており、足を動かすことなく、ゆったりと格納庫の資材置き場まで進んだ。

 資材置き場に着くとベルトコンベアから下り、歩いて僕に近づいてくる。


「まったく、待てど待てども我がメインシップに挨拶に来ないとはな……この私に足を運ばせるなんて贅沢な奴め」


 金髪で、サングラスを掛けた女性。


「ピーさん!?」

「あははっ! 他のコロニーの王が堂々と敵艦に乗り込んでくるとは……面白過ぎるだろう」

「笑ってる場合かよ。格納庫見せるのはヤバいだろうが」


 技師さん達は敵意に満ちた目線をピーさんに向ける。けどピーさんはそんな視線を一切気にせず、僕の前に来て、そして、僕の右手を掴んできた。


「……えぇ!? なな、なんですか!?」

「シキ。お前を迎えにきた。我がコロニーに来い」

「え――えええぇ!!?」


 そういえば前会った時も誘ってきたっけ。まだ諦めて無かったんだ……。


「そしてお前を――我が国のプリンセスとする!!!」

「ええええええええええええええええっっっ!!!?」


 それは初耳!


「ぷぷぷ、プリンセス!? な、なんで僕が!?」

「決まっているだろう。王に並びうる才能を持つ才女こそ、王の隣に立つべきだ。さぁ行こうではないか! プリンセス・シキ!!!」


 な、何が何やら……!?



「――ちょいと待たれぃ!!!」



 天井付近からナイフが飛んできた。

 僕とピーさんはナイフを避けるため、繋いだ手を解き、手を引っ込めた。僕とピーさんの間の床に、ナイフは突き刺さる。


「てやんでい! てやんでい! 王様だがなんだか知らねぇが? ア! 人の女に手ぇ出すとはどういう了見だいぃ!!!」


 天井近くまで伸びたクレーンの頭に、彼女は立っていた。

 彼女はピーさんの前に飛び降り、歌舞伎役者の如く大見得を切る。


「シキちゃんの手を引きてぇなら……ア! 私の許可が必要ってもんでしょう~がっ!」

「何者だお前は?」

「ふっ。名乗る程のもんじゃありやせん……私はラビちゃん!」


 名乗った!


「つまりお前は……恋敵か!」


 色々おかしい!

今年ラストの更新です! 今年の3月に始まった本作ですが、遂に2025年最後の更新です。後は今年の総括活動報告を今日か明日に公開して、今年の作家活動はジ・エンドです(予約投稿している作品は更新されるけども)。本格的な再開は1月の上旬……の後半の方。


第一巻の発売日も来年2/20に決まり(すでに予約された方ありがとうございます!)、200話&1万ポイントもいきました。全て読者の皆様のおかげです。ここまでお読みいただいた皆様に多大な感謝を。


ちなみにわたくし、すでにシキのイラストを頂いているのですが……やっばいです。想像を超えます。毎日眺めてます。なんかもう…………すっごいです(語彙力不足)。シーナもイラスト効果で人気出そう。イラストを見るためにも第一巻は絶対買った方がいいですぜ。


とにかく、来年2/20が勝負!

今年はやり切った!

スッキリした気持ちで年越します!


それでは皆様、良いお年を!

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スナイパー・イズ・ボッチ 第1巻予約受付中!(2026/02/20発売)

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スピンオフ『シスター・イズ・バーサーカー』もよろしくお願いします。 ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
引く手あまたで実質、副賞が別にあるようなものになっちゃったw 来年度も良いお年を~
今度こそ本年度ラスト更新お疲れ様です。 (シキちゃんを狙う)ハンター多すぎるだろ!?ハンター多すぎるだろ!?(ワッ○ボイス) いや本当に選り取りみどり(?)ですなぁシキちゃん、まさにハーレム系主人公…
良いお年を~&書籍発売楽しみですねえ~ そしてAI値が高すぎるソルニャーを映す方法とは⋯⋯? 気になりますねえ。 そして本日の対戦相手じゃないとはいえ、機密だらけの他コロニーの格納庫にひょこひょこ…
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