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episode3 島田琥珀


「数学意味わかんねー」

「うちらはどうせ高2で終わりっしょ?」

1限が終わり、15分の休み時間の時。

みんなで功太くんの周りに集まって話していた。

「海吏は理系だから高3までか〜!どんまいっ!」

「俺は好きで数学やってるから別に。それよりも功太くんは理系?文系?」

みんな同時に功太くんを見た。

「俺は、理系だよ」

「うっし!功太くんと同じー!お前ら仲良く文系してろ!」

「海吏うっざ〜うちトイレ行ってくるわ」

琥珀は櫛で長い髪の毛をとかしながら教室を出た。琥珀と海吏はよく言い合いになる。

「じゃあ〜功太くんは頭いいんだ!ねぇ?前の学校では成績どんくらいだったの?」

私は功太くんの隣に座った。その横には、凪が机にあぐらをかいて座っていた。

「前の学校では、一桁に入るようにはしてた」

「うっそでしょ!?めっちゃ頭いいじゃん!ついに海吏抜かされんじゃないの?」

クラス一位は、鉄壁の海吏。私と凪はワーストに近くて、琥珀はいつも真ん中くらい。

「数学ってガチで将来いつ使うん?」

「さぁ。なんで理系が目の前にいんのに私に聞く?」

「海吏は将来使うだろうけどさ〜。功太は将来何やりたいの?」

「それ、僕も気になった」

本を読んでいた海吏も手を止めた。

「俺は医者になりたいからね」

「い・い・い・い・医者!?マッジで!?」

私と凪は顔を見合わせて驚いた。

「いやいや医者はレベチすぎる。このクラスいないんじゃない?」

「海吏くんは何になりたいの?」

功太くんが海吏に尋ねた。

「僕はサッ処分される犬や猫を助けて健康体に戻す仕事。まぁ獣医の資格を取れれば」

「うちの唯一の英才がついに負けるわ」

「僕は絶対に 3年間一位を死守する!」

「はいはい」



ガラガラガラ



「ほれ〜2限始めんぞー」

担任が教室に入ってきた。担任の担当教科は古典。怒る時は一丁前な態度するくせに、授業は何も面白くない。

「じゃっ」

私は凪たちの席から離れた。

「起立、気をつけ、礼」

歩きながら号令をかけて廊下に出た。こっそりロッカーから教材を取ってバレないように席についた。

うっし気づいてない。

「島田はどこ行ったー?」

島田は琥珀の苗字。琥珀はトイレに行ったきり戻ってこない。

「また帰ったか」

これはいつものこと。

琥珀は学校が面倒になると勝手に帰ることがある。

「福岡連絡しろー」

「はー私が?」

「いいからはよしろ」

私は小さくため息をついた後、ポケットからスマホを取り出して琥珀に連絡を入れた。


『今日海行く?』


まぁ担任が期待するような内容じゃないけど。


『いくーうちの分のアイス買ってきといて。あとで金払う』


『おっけー』


「連絡しときましたー」

「うっしそんじゃ授業始めんぞー。教科書40ページ開けー」

琥珀は地元じゃ有名な不良集団の1人だった。高一の最後に母親が亡くなってからは更生し、元の生活に戻ろうとしていた。

今日は授業が終わったらみんなで海に行く。寒い日だろうが暑い日だろうが口にアイスを頬張って堤防に座る。特に今の時期は暑くないから夕方が一番気持ちいい。

窓の隙間から入る春風が教室を温めて、私は眠たくなった。

後ろから見えるみんなの背中がぴんとしてた。シャーペンを書く音が響いていて。

「んで鴨長明が.....福岡聞いてんのかー?」

「え、あ聞いてます」

「ボーッとすんなボーッと」

そして担任はいっつも私にきつい当たりをする。ガチでやめて欲しい。

早く授業終わんないかなー。

古典とかいつ使うん?

まぁ寝てれば終わるか。

私は机に突っ伏せた。



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