004●まるで、何かの
やっぱり、俺の車はサイコー!
加速がいいよな。この快感は、なかなか他のことでは味わえん。
あれっ、渋滞か?
高速料金を払ってるのに低速道路とは、ケシカラン!
・・・いやっ、待て、何かおかしい!
車の列が続いている。上り坂だから、前の状況がよく見える。
潰れていく?停まっている車が、何かに押し潰されている?
炎が上がった!
なんだあ、ありゃあ?
「アキラから連絡だって?」
ドライブに行くっていってたけど。休暇中なのに連絡って、めずらしいよね。
「はい。渋滞中の高速道路から、ってことでした。複数の車両が’見えない’何か’に押し潰された、と言ってました。でも、どこからかは言わなかったなあ。よっぽど、慌ててたんでしょうねえ。以後、コールに出ませんね。ココア、場所の特定はできるか?」
「オオガミさんの車には、GPSがついていませんが、携帯端末の位置情報で見つけます。」
「’見えない’何か、って、話自体が見えないよね。」
「アキラさんが連絡してくる、ってことは、結構、マズイ状況じゃないですか?」
ジン、あなたが心配するなんて、ココアちゃんの買い出し事件以来よね。
「位置の特定を完了しました。周辺の既存の設置カメラから、ライブ映像を送ります。どうぞ。」
わたしとジンのモニターに、光景が映し出される。
うわっ、これって大惨事だ。
何台もの車が炎上中!左右交互に、一定の間隔で、規則正しく?なんだろう、まるで・・・。
「道路カメラからの映像です。別角度からに切り替えます。」
「・・・これって、まるで、何かの足跡みたいですね・・・。」
そうよ、ジン、わたしも今、そう思った。
「オオガミさんから、コールです。ご無事です!よかったあ!車も無傷ですって。」
アキラ、緊急事態なら、今度から絶対に場所を言ってよね!
ー亜空間転送があったぞ!はっきりと痕跡が残っている。クリア過ぎるぐらいだ。
ー我々以外に、この世界線のこの時間軸に、そのようなことができるものが?
ーいや、我々だって、ここであんな大きな物体に使用することは、基本的にはないぞ。やればできるが。しかも、あの物体、この世界にはない、高度な光学迷彩を施してある。
ーリョウマ、王虎は現地に行って詳細を観測、時間軸も遡れ。わたしはマイロードに報告する。行くぞ!




