045●大切な安全運転
4人でサーキットにいる。
ラボ、こんな大規模な施設とも提携してたんだ。
これが工場地帯の地下にあるなんて。
確かに全天候型で、走るにはもってこいだけど。
でも、アキラとジンのバイク対決に、なんで、わたしもココアちゃんも付き合うのよ?
「すいません、エイミーさん、急に呼び出して。’ガソリンバイク’ vs ’電気バイク’の最終実走テストなんです。うちの電動バイク技術で、既存のガソリンバイクを超えられるか、ツーリング時を想定のデータ集積のために、後ろにだれかを乗せて走ることになってるんです。ドライバーと後席に乗るスタッフが、4人とも都合が悪くなってしまって。」
ええっ!先に言っといてよ!
これ、ナナハンじゃないの!
風圧、凄いよね。シャツとジーンズで来ちゃったよ!
「あっ、ご心配いりません。ラボが開発した防刃防弾防圧耐熱服をベースに着てもらいます。その上に着用してもらうライディングジャケット等一式も用意しています。これも高性能ですよ。」
・・・ったく。こうなったら、乗るしかないわね。
心の中でため息をついた。
ラボ特製の装備に身を包むと、意外なほど軽い。これならイケるかも?
わたしはジンの後ろ、ココアちゃんはアキラの後ろね。
アキラ、嬉しさを噛み殺しているの、まるわかり。正直者ね。
さて、と。万全の装備ね。
これなら、万一、クラッシュしても何とかなりそうね。
ガソリンバイクと電動バイクってどうなんだろう?
単純にスタート直後の加速性能だと、電動が有利なんじゃないの?
あっ、もう始まるの?
はい、はい。乗ればいいんでしょ、乗れば。
すご〜い!この加速!
体をもってかれるようなG、
この爽快感はバイク特有よね!
気っ持ちいい!!ジン、もっと飛ばしてよ!
ミラー越しに、爆音を轟かせながらアキラのバイクが迫ってくるのが見える。
うわあ、豪快なコーナリングでインを突く。
ココアちゃんも完璧な体重移動でアシストしている。
くっ・・・負けてられない!熱いものが滾る!闘志の炎が全身を包む!
いくよ、ジン!モタモタしてるんじゃないの!
「いい勝負でしたね。アキラさん、さすがです。凄いテクニック!」
「へっへー。まだまだ、マシンのポテンシャルも、俺のテクニックも、若いもんには負けんぞ!」
ちょっと年上なだけじゃないの。でも、ほんのコンマの勝負で、アキラ、勝っちゃった。
う〜ん、悔しい。
「ねえ、わたしも運転できるの?」
「エイミーさんが?できますけど、免許あるんですか?」
「ふっ、ふっ〜ん!ジン、舐めてもらっちゃ、困るよ。わたし、アメリカでちゃんと取得してんだから。ほら、これ!」
3人に国際免許証を見せる。感心してる。いい気分。
「それじゃあ、問題ないですね。あっ、そうか!この施設内なら、免許証はどうでもいいのか!」
「じゃあさあ、わたしとココアちゃんで対決しない?前後を入れ替えて、同じコースを走るの。データは多いほうがいいんでしょ?」
「それはそのとおりですが。アキラさん、どうします?」
「いいぞ。乗ってやろうじゃないか。バイクにも、その話にも。」
アキラは、単純にココアちゃんと、一緒にもっと乗っていたいだけでしょ?
ちょっと待ったあ、ココア!攻めすぎ、攻めすぎ!
縁石を擦ってる!いくらなんでもやりすぎだあ!
エイミーに負けないぐらい、やってこいって、ジンの指示、守りすぎだあ!
ジン、どうしたのよ?
何の反応もしないのね。
ちょっと、ハングオンに協力しなさいよ!
ココアちゃんは、ちゃんとやってたよ!ジン!
えっ?固まってるの?




