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017●神の領域?

結局、なんだったんだ。あれは・・・。

一度しか遭遇しなかったが、強烈だったよな。

ラボにも再現できない技術って、どんなもんなんだ?

まだ、今のこの世界ではできないって、数世代かかるって、ジンは言う。

ココアと会った時も驚いたが、それ以上だよな。


「アキラ、考え込んでるね。」

「いや、エイミー、そうなんだよな。あんなのが、また出てきたら、軍のレベルだ。いや、軍でも対処できんかもしれん。見えないって、どうすりゃいいんだ?もう、俺たちの出番じゃないけどよ。」

「そうねえ。世界のトップたちが、今回の件で一堂に集まってる。表向きは世界経済の緊急課題の解決に向けて、ってことになってるけど。」

「あの仲の悪い大国同士が、それぞれの勢力範囲の国々の首長と共に、まあ、子分と一緒に同じテーブルに長時間ついてるなんて、考えると歴史的だよな。」


ジンがココアと入ってきた。暗いな。ココアまで、おとなしい。


「相互確証破壊の維持どころではない、外部の仮想敵の出現。皮肉な状況ですよね、これで世界が一時的にでも協調できるとすれば。人類は外的脅威がなければ団結できないということなのでしょうか。」

おい、おい、いきなり難しいことを言うなよ。俺にはジン、あんたの言うことがよくわからん。


「それって、今回のデカブツが現れたから、大国相互が脅威に対して団結せざるを得なくなったてことね。」

「わたしは、内発的動機で維持できる平和が、一番だと信じているのですが。現状では、パワーバランスの存続による平和維持しかないのか、と仕方なく考えていましたね。しかし、デカブツが人類にスクラムを組ませるとは。未知の必要悪の存在が、不可欠なんでしょうか?あっ、エイミーさん、すみません。難しい日本語ばかりですね・・・。」


いや、エイミーに通じているぞ。

俺はそう感じる。

俺が理解できているか、そっちが問題だけどな。


「世界会議だって、最初は罵しりあいで、相手が秘密裏に開発した兵器だろう、って大揉め。軍事バランスが崩れる、ダモクレスの紐を切るのか、って大騒ぎだったみたいね。」

「どんな兵器だって持ってはいても、使わない方がいい。だけど、今は世界中が、臨戦態勢ですよ。ヒューマン・エラーが起きなければいいんですが。恐怖が人を暴力へと駆り立てる、ってマハトマ・ガンディーの言葉でしたね。」

「こんな時はどうすればいいんだろうな。未知の連中と戦争になるのか?もう、神に祈るしかないのか。」

「いいえ、オオガミさん。」


俺の言葉に、これまで、ずっと黙っていたココアが、口を開く。


「戦争をなくす、平和を築く、という願いを叶えるのは、神ではありません。ヒトです。ヒトでしか、その願いは実現できません。」


力強いな。そうだな。そのとおりだ。

諦めない、できることを考えよう。

ココア、あんた、魂をもっているんだな・・・。


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