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《 エピローグ 》
深い深い心の奥底は終わりがないから、底まで見下ろすことも、底から何かを掬い上げることも出来ない。
底という表現は少し変だ。終わりがないのだから。
現実的に永遠というものが存在しなくても、心の奥は永遠と深く広がっていくのだろう。深く広い心の中で、様々な感覚が形など求めずに浮遊しているだろう。
これは仮定の話。
心の中は覗けない。形が存在しないから。
きっとこれからもずっとずっと、こうして形あるものを手に取りながら、形ないものへ焦がれたり不安を覚えたりしながら過ごしていくのだろう。
あの子の微笑みの感触は形がなくて、だからこれから、またずっと一緒にとなりに居ることが出来たらと願う。
これは形を求めようと思わないものだった。
fin.




