↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/18

【劇場版4】猫皇帝も震える『砂糖次元の女帝』襲来!「ティラミスじゃ足りないわ!」の暴走を、ナポリ伝統ドルチェ四天王(スフォリアテッラ・パスティエーラ・ゼッポレ・デリツィア)で完全撃沈!

全銀河の最高支配者である『破壊の猫皇帝』が、俺の作ったイスキア風一角翼兎とブラチョーラの鍋底のソースを舐めたいあまりに、自分で決めた「炭水化物ゼロ」の宇宙法を土下座して廃止し、焼きたての『パーネ・カフォーネ』で鍋を鏡のようにピカピカに拭い取って(スカルペッタして)から数週間が経った。




以来、王都『新ナポリ(ネアポリス)』にある俺のピッツェリアには、ちょっと信じられない光景が日常として定着していた。


なんと十二の宇宙を統べるあの破壊の猫皇帝が、毎週日曜日になると自分の黄金ピラミッド型宇宙船でフラリとやってきて、485℃の銅張り薪窯のすぐ前の温かい石床の上でアンモニャイトのように丸くなり、「ここが一番昼寝に最高なのニャ……ムニャムニャ……」と幸せそうにイビキをかいて寝ているのだ。




その日曜日の午後も、店内はいつもの常連たちで賑わっていた。


大テーブルでは親友の『白銀の暁』の剣聖レオ、タンクのゴラン、聖女エレナ、大魔導士ヴィクトルの四人が、アルデバラン国王や幼いソフィア王女、さらには『創世の魔王』、『海神ネプトゥーノ』、『天界の最高神』、『地底の獄炎王』、そしてテラス席の『恐竜王レクソール』と一緒に、食後のモカコーヒーを飲みながらトランプに興じていた。




一方、カラーラ産白大理石のカウンターの後ろでは、俺と二番手シェフのカイル、そして【無限次元倉庫】を持つ食材管理長のニコの三人が、宝石のように輝く大きなガラス瓶の棚を点検していた。




「アンジェロ師匠」


ニコがガラス瓶の中で透明なシロップに浸かっている、黄金色とオレンジ色の肉厚な角切りを見つめて尋ねた。


「これって、先月『リモンチェッロ』と『グラニータ(氷菓)』を作った時に残った、ソレント産レモンとオレンジの分厚い皮と白いワタの部分ですよね? 捨てずにこんな綺麗な宝石みたいにするなんて、一体どうやって作ったんですか?」




「ソレントの太陽を浴びたレモンの皮を捨てる馬鹿がいるかよ!」


俺はニコの頭をポンと撫でて誇らしげに笑った。


「いいかニコ、うちの厨房にゴミは存在しねぇ! リモンチェッロ用に一番外側の黄色い薄皮だけを剥いて、果汁を絞った後に残る分厚い皮にはな、最高の香りとペクチンが詰まってるんだ。俺とカイルで三日間冷たい湧き水に晒して、三回茹でこぼして苦味だけを抜き、それから毎日少しずつ砂糖の濃度を上げながら一週間かけてじっくりシロップで煮含めたんだよ! よそのお菓子屋が売ってるゴムみたいな着色料の粒とはわけが違う、口の中でとろける本物の『自家製カンディート(オレンジとレモンの砂糖漬け)』だ!」




俺がガラス瓶の蓋をパチンと閉めた――まさにその瞬間だった。




――メリメリメリッ……ドゴオオオオオオオオオオンッ!!!




新ナポリの青い空が、前触れもなく不気味な『ショッキングピンク色』へと染まった!


爽やかだった潮風が、一瞬にして鼻が曲がりそうなほど甘ったるい「焦げたカラメルと生クリームの匂い」に塗りつぶされ、空の雲がすべて巨大なピンク色の綿菓子へと変わったかと思うと、上空一キロにわたって次元の裂け目がパックリと口を開けたのだ!




それとほぼ同時だった。


485℃の薪窯の前で丸くなって昼寝をしていたあの『破壊の猫皇帝』が、電流を浴びたようにガバッ!と跳び起きた!




『ぎゃ、ぎゃあああああああっ!! この甘ったるい次元の匂いは……マズいニャ、あいつが来おったァァァッ!!』




猫皇帝は尻尾の毛をトイレのブラシのようにボワッ!と逆立て、天井のシャンデリアに頭をぶつけるほど高く飛び上がったかと思うと、そのまま顔面蒼白でカラーラ産白大理石のカウンターの下へ滑り込み、なんと【俺の粉まみれのエプロンの裾に四本足で必死にしがみついてガタガタと震え始めた】のだ!




「えっ!? ね、猫皇帝陛下ァッ!?」


創世の魔王と天界の最高神、そして剣聖レオが椅子から立ち上がって目を剥いた。「十二宇宙の頂点である破壊の猫皇帝様が、エプロンの陰に隠れて震えておられるだと!? 一体どこの誰が来たらそんなことになるのですか!?」




『だ、黙れ馬鹿者ども、声を潜めろニャ!!』


猫皇帝は俺のズボンの後ろから半分だけ顔を出して、奥歯をガチガチと鳴らしながら叫んだ。


『あれは余の統べる十二宇宙の生物ではない! 宇宙の外側に存在する異界【砂糖次元(シュガー・ディメンション)】を統べる絶対の怪物……『暴食の女帝・マンマ・ドルチェ』じゃ!! あいつは数百年に一度、恐ろしい【甘味発作(食いわずらい)】を起こす! ひとたび発作が始まれば理性も言葉も一切通じず、目につく惑星や銀河をすべてビスケットやキャンディに変えて丸ごと食い尽くしてしまう、全次元で一番タチの悪いババアなのニャァァァッ!!』




――ズドォォォォォォォォンッ!!!




新ナポリの大地が、大地震のように跳ね上がった。


ピンク色の次元の裂け目から、山のように巨大な「三段デコレーションケーキ型の空飛ぶ巨大帆船」が降りてきたのだ!


そしてその甲板から広場の石畳へとドシン!と飛び降りてきたのは、身の丈八メートル、横幅も八メートルはありそうな、気球のように丸々と太りきった超巨大な老女――『女帝マンマ・ドルチェ』だった!


ピンク色のフリルがついた巨大なドレスを着込み、真っ赤な口紅を塗った巨大な口からは滝のようなよだれを垂らし、その後ろには彼女の専属料理人である『砂糖次元の三大筆頭パティシエ』が銀の泡立て器を構えて控えていた。




俺は窯ベラ(パーラ)を片手にピッツェリアの扉から顔を出し、その八メートルのピンク色の肉塊を下から上まで見上げた。


(……おい待てよ。ピンクの服を着た見上げるような巨体の大女が、お菓子の船に乗って『甘いものを出せ!』って街をぶっ壊しに来るだと……? なんか俺、地球にいた頃に見た海賊の物語かなんかで、こんな食いしん坊のお袋さんを見たような気がするんだが……うちの店は宇宙の迷子センターかなんかか!?)




『マ〜マママママッ!!』


女帝マンマ・ドルチェの鼓膜を破るような高笑いが広場中に轟いた。


女帝は俺のピッツェリアの前にずしんとしゃがみ込むと、煙突から立ち昇る樫の薪と焼けた小麦の香りを大きく吸い込んだ。




『ここね! 私の砂糖次元まで、485℃の薪窯の美味しそうな匂いを漂わせてきた「アンジェロのピッツェリア」っていうのは! さあ、神々や猫皇帝まで夢中にさせたっていうその名物の「ピッツァ」とやらを、今すぐ私に出しなさい!!』




「なんだ、ピッツァを食いに来た客か! よしカイル、すぐ焼くぞ!」


店を踏み潰されてはたまらないと、俺とカイルはわずか八十秒で、水牛モッツァレラとサン・マルツァーノ種トマトとバジルの王道『ピッツァ・マルゲリータ』を十枚焼き上げ、ニコが特大の木のトレイに乗せて女帝の前へと運び出した。




女帝マンマ・ドルチェは、十枚の熱々のマルゲリータを片手でまとめて掴むと、巨大な口の中へ一気に放り込んで三回噛んだ。


『んん〜っ♪ なるほどね、外はパリッとして中はモチモチの生地に、熱いトマトの酸味と水牛ミルクのチーズが溶け合って……なかなか美味しいじゃないの……』




広場の全員が「よかったぁぁっ!」と胸を撫で下ろした。


だが――そのコンマ一秒後だった。


女帝マンマ・ドルチェの巨大な顔が真っ赤に膨れ上がり、その両目がぐるぐると渦巻き状に回って、地割れのような怒号を上げたのだ!




『――だけどこれ、しょっぱいじゃないのよォォォォッ!! お砂糖が1グラムも入ってないわァァァッ!!』




――ゴォォォォォォォンッ!!


女帝の全身からピンク色の暴風が吹き荒れ、彼女の口から垂れた高温のシロップのよだれが広場の石畳をジュウジュウと溶かし始めた!




『しょっぱい、しょっぱい、しょっぱいわァァァッ!!』


女帝は子供のように地団駄を踏んで絶叫した。『美味しいけど、こんなしょっぱいものを食べたら、私のお腹の中の糖分バランスが崩れて【甘味発作】が始まっちゃうじゃないの!! お口直しの甘いものを出しなさい!! ピッツァ職人、あんたまさかこんなしょっぱいピッツァしか作れないんじゃないでしょうね!?』




俺の額に、ビキッと青筋が浮き出た。


「おい、そこのピンクの巨大気球!」


俺はカウンターから怒鳴り返した。「マルゲリータがしょっぱいのは当たり前だろうが! だがな、ナポリの料理人がピッツァしか作れねぇと思ったら大間違いだぞ! ニコ、冷蔵庫から俺の特製ドルチェを出してやれ!」




ニコが【無限次元倉庫】から瞬時に取り出して女帝の前に差し出したのは、かつて次元の穴すら引きちぎった俺の切り札――ナポリ式モカで淹れたほろ苦いエスプレッソと、マスカルポーネと卵と生クリームで作った特大鉢の『黄金ティラミス』だった!




女帝マンマ・ドルチェは、そのティラミスを大さじごと一口で丸呑みした。


モグ、モグ……。


一瞬、女帝の渦巻き状の目がピタリと止まり、恍惚とした表情が浮かんだ。


『まあっ……! ほろ苦い黒いコーヒーの香りと、雲みたいに軽いチーズクリームが溶け合って……とっても美味しいわ!!』




「やったぞ、ティラミスで発作が収まった!」とゴランが歓声を上げた。


だが、違った!


俺のピッツァとティラミスという「本物の味」を知ってしまったことで、女帝の舌のハードルが天元突破し、その甘味発作が【第二形態】へと暴走してしまったのだ!!




『――だけど、こんな一口の冷たいケーキだけじゃ、ぜんっぜん足りないわよォォォォッ!!』




――ドゴォォォォォォォンッ!!!




女帝の咆哮とともに、新ナポリの上空の雲がピンク色の雷を落とし始めた!


『あんたのその「ティラミス」のせいで、私の舌が完全に目を覚ましちゃったじゃないの!! 冷たいクリームだけじゃダメよ! 焼きたてでアツアツのもの、歯で噛んだ瞬間にバリバリッと音がするほど香ばしいもの、油でカラッと揚げたもの、爽やかな果物の香りがするもの……ティラミスを超える【究極の伝統菓子(ドルチェ)】を、今から一時間以内に私の前に山盛りで並べなさい!! もし一時間以内にティラミス以上のドルチェが出てこなければ、この店も、そこの紫の猫も、この銀河も全部まとめて綿菓子に変えておやつにしてやるわァァァッ!!』




広場全体が、今度こそ本当の絶望に包まれた。


「ティ、ティラミスを超えるドルチェを、一時間以内に作れですって……!?」


大魔導士ヴィクトルと聖女エレナ、そして創世の魔王と海神ネプトゥーノが頭を抱えて膝をついた。


「無理だ……絶対に不可能だ!! あのティラミスは、食べた者の能力を+2000%に引き上げた神話級の最高到達点なのだぞ! この世にティラミスより上のドルチェなど存在するはずがない!!」




カウンターの下でも、破壊の猫皇帝が俺の足にしがみついて涙目で叫んでいた。


『お、終わりニャ、アンジェロ! ババアの舌が肥えすぎて暴走しておる! ティラミス以上の菓子など十二宇宙のどこにも存在せん、今のうちに余の宇宙船で別の銀河へ夜逃げするニャ!!』




その時だった。


女帝の後ろに控えていた『砂糖次元の三大筆頭パティシエ』たちが、鼻で笑いながら前へと進み出た。


「フン、たかが田舎のピッツァ職人に、ティラミス以上の高等菓子など作れるはずがありません!」


筆頭パティシエの男が銀の泡立て器を掲げて言った。「マンマ・ドルチェ陛下、その発作、我ら砂糖次元の三大パティシエが今すぐ鎮めてご覧に入れましょう!」




三人のパティシエたちは魔法のコンロを展開すると、その場で超高速の調理を始めた。


だが、その調理風景を見た俺とカイルとニコの目は、一瞬にして氷のように冷たくなった。




なぜなら奴らは、卵を割って卵黄だけを使うと、残った大量の『新鮮な卵白』をそのまま排水溝へジャーッと流し捨て、果物の皮やチーズのホエイ(乳清)もすべて「邪魔なゴミだ!」とゴミ箱へ投げ捨てたのだ!


そして奴らが十分間で作り上げて女帝の前に並べたのは――


一、ただ砂糖のフォンダンを分厚く塗りたくっただけの『単純なスポンジケーキ』。


二、小麦粉とバターと大量の白砂糖だけを混ぜて焼いた『ただの甘いビスケット』。


三、バニラ香料と砂糖水を凍らせただけの『単純なアイスクリーム』の三品だった!




「さあ陛下、どうぞお召し上がりください! 砂糖次元の最高峰、『ケーキとビスケットとアイスクリーム』でございます!」




女帝マンマ・ドルチェは、その三皿をガバッと掴んで口へ放り込んだ。


一秒後。


女帝の顔が、腐った泥でも噛んだかのように醜く歪んだ!




『……ペッ、ペッ!! なんなのよこの安っぽい砂糖の塊はァァァッ!!』




――バゴォォォォォォォンッ!!!




激怒した女帝が片腕を一振りしただけで、三人の筆頭パティシエたちは自分たちの調理台ごと百メートル先の城壁まで吹き飛ばされ、白目を剥いて壁にめり込んだ!




『ふざけるんじゃないわよ!!』


女帝が血管を浮き上がらせて絶叫した。『アンジェロの485℃のピッツァと、あの香り高いティラミスを食べる前の私なら、こんなただのスポンジケーキやビスケットやアイスクリームでも満足してたわよ! でもね、今の私の舌には、こんな「ただ甘いだけの単純なお菓子」なんて砂利を噛んでるのと同じなのよ!! ピッツァ職人、あんたも同じような単純なケーキやアイスを出したら、その場で銀河ごと噛み砕くわよ!!』




俺はカウンターの下でしがみついている猫皇帝の手をペシッと剥がすと、壁に掛けてあった長さ一メートルの『ブナ材の巨大麺棒』を右手に引っ掴み、店の扉を蹴り開けて八メートルの女帝の真ん前に仁王立ちした。




「一つ目! 俺の店の前で食べ物を吐き出すな、このピンクの巨大風船がァッ!!」


俺が麺棒を突きつけて雷のような声で怒鳴りつけると、暴れていた女帝マンマ・ドルチェが目を丸くしてピタリと動きを止めた。




「そして二つ目! そこにいるレオも魔王も猫の大将も、全員耳の穴をかっぽじってよく聞け! 『ティラミス以上のドルチェは存在しない』だと? 俺がピッツァとティラミスしか作れねぇと思ったか!? 笑わせるんじゃねぇ!!」


俺は胸の白いエプロンを拳でドン!と叩いて吼えた。


「俺の故郷ナポリにはな、三千年の歴史を持つ『パスティッチェリア(伝統菓子職人)』の誇りがあるんだ! そこの三流パティシエどもが作ったような、ただ砂糖をぶち込んだだけの単純なケーキやビスケットと一緒にするな! 今からきっちり五十分で、お前のその甘味発作を永久にぶっ飛ばす【本場ナポリ伝統ドルチェの四天王】を同時に作ってやる! お前はそこで行儀よく座って、おしぼりで手を拭いて待ってろ!!」




俺が言い放って厨房へ戻ると、カイルとニコがすでにボウルと泡立て器を構えて待っていた。


「アンジェロ師匠、やりましょう!」とカイルが目を輝かせた。「ナポリの伝統ドルチェ四天王……一体何を作るんですか!?」




「『スフォリアテッラ・リッチャ』、『パスティエーラ・ナポレターナ』、『ゼッポレ・ディ・サン・ジュゼッペ』、そして『ソレントのデリツィア・アル・リモーネ』の4品だ!」


俺は白大理石のカウンターを叩いた。「うちの【無限食材庫・極】にはすでに最高の小麦粉と砂糖、ソレントのレモン、そして俺たちが仕込んだ『自家製カンディート(砂糖漬けの皮)』がある! だが、あの異次元の化け物ババアの舌を一撃で気絶させるには、この宇宙で最高峰の魔力と旨味を持った『5つの究極食材』が必要だ!」




俺はくるりと振り返り、店内で震えている神々、魔王、恐竜王、白銀の暁、そして猫皇帝の全員をビシッと指差した。




「いいか、いつも俺の店でタダ飯を食ってるお前ら全員! 自分の銀河が綿菓子にされるのが嫌なら、今から十五分以内に手分けして、俺が言う『5つの伝説の製菓食材』を獲ってこい!!


一、【天界の最高神】! 今すぐ天界の雲の牧場へ飛んで、世界で一番きめ細かくて甘いミルクから作る『天界の鳩牛(ムッカピッチョーネ)の純白リコッタチーズ』を五十キロ持ってこい!


二、【地底の獄炎王と創世の魔王】! 冥府の溶岩断崖へ潜って、マグマみたいに濃厚で赤い黄身を持つ『深淵ガーゴイルの黄金卵』を百個集めてこい!


三、【海神ネプトゥーノ】! 海底の熱水鉱床へ潜って、温かい海流の中で百年間じっくり熟成されて真珠みたいに柔らかくなった『海底温泉の古代小麦(グラーノ・コット)』を一袋持ってこい!


四、【レオ、ゴラン、エレナ、ヴィクトル、恐竜王レクソール、そしてニコ】! 原生林の最深部へ行って、神話級モンスター『鎧ベヒーモス』を討伐し、そいつの背中の「真っ白な最高純度の背脂」をニコの無限倉庫で持ち帰れ! パイ生地に塗るための、雪みたいに白くて滑らかな極上の『ストゥルット(精製ラード)』を作るぞ!


五、そして最後にそこの【破壊の猫皇帝】!!」




俺はカウンターの下から猫皇帝の首根っこをひょいと掴み上げた。


『ニャッ!? よ、余もパシリに行くのかニャ!?』


「当たり前だ! お前が一番足が速いんだからな! 光の速度で中央銀河の『星霊の花園』へ飛んで、パスティエーラの魂になる秘宝――千の花の蜜とオレンジの花から抽出した『銀河柑橘のミッレフィオーリ(百花オレンジ花水)』の小瓶を一本取ってこい! 十五分以内に戻らなかったら、お前の昼寝用の場所をあの太った女帝に譲るからな! ――全員、出発だァァァッ!!」




「「『りょ、了解だアンジェロォォッ!! 十五分で全部揃えてくるニャァァァッ!!』」」




銀河の滅亡を前にして、十二宇宙の破壊神から天界の神、冥府の王、海神、魔王、宇宙恐竜、そして王国最強の英雄たちまでが、俺のピッツェリアの「出前調達係」となって一斉に空と次元の彼方へと飛び出していった!


きっちり十四分後。


次元の扉と上空から、息を切らした神々とレオたち、そして猫皇帝が同時に飛び込んできて、白大理石のカウンターの上に「全宇宙の至宝」を並べた!




外では女帝マンマ・ドルチェが『あと四十五分よ! 早くおやつを出しなさい!!』と広場を揺らしている。


俺は485℃の銅張り薪窯の薪を端に寄せ、鉄の扉を閉めてダンパーを調整し、窯の温度をピッツァ用の高温から、伝統菓子をじっくり焼き上げるのに理想的な【200℃〜210℃の『落ちゆく窯(フォルノ・イン・カドゥータ)』】へと落とした。




「よしカイル、ニコ! ここからがナポリのパスティッチェリア(菓子職人)の戦争だ! 1グラムたりとも食材を無駄にするなよ!」


「「はいっ、アンジェロ師匠!!」」




■【四天王・第1の王:千枚の黄金の羽!『ベヒーモスの純白ストゥルット(ラード)で作るスフォリアテッラ・リッチャ(Sfogliatella Riccia)』!】


俺はまず、レオたちが狩ってきた『鎧ベヒーモスの真っ白な背脂』を低温の銅鍋でじっくりと溶かし、布で濾して、水分も臭みも1ミリも含まない、雪のように真っ白でシルクのように滑らかなクリーム状の脂――『極上のストゥルット(精製ラード)』を抽出した!




「師匠!」とニコが目を丸くした。「お菓子を作るのに、バターじゃなくて豚の脂(ストゥルット)を使うんですか!?」


「これがナポリの『スフォリアテッラ』の絶対の秘密だ!」


俺は強力粉と水と少量のハチミツと塩だけで硬めに捏ねた生地を、大理石のカウンターの端から端まで――なんと「向こう側が透けて見えるほど極薄の、長さ二十メートルの長い帯状」へと一気に引き伸ばした!


「いいか、バターには約15%の水分が含まれている。だがこの雪みたいに滑らかな『純白のストゥルット(精製ラード)』は、水分がゼロの100%純粋な油脂だ! こいつを極薄の生地に手で優しく塗り広げながら、隙間なく何百層にもクルクルと巻き上げていく! そうすると、200℃の窯に入った瞬間、層と層の間のラードが生地を内側から揚げるように焼き上げ、バターでは絶対に不可能な『ガラス細工のようにバリッパリに弾ける千枚の層』を生み出すんだ!」




俺はラードを塗って太い丸太のように巻き上げた生地を輪切りにし、両手の親指を使って中心から外側へと押し広げ、見事な「貝殻の形」を作った。


その中に詰めるのは、牛乳で炊いたセモリナ粉に、天界の最高神が持ってきた『鳩牛(ムッカピッチョーネ)の純白リコッタチーズ』、深淵ガーゴイルの卵黄、シナモン、バニラ、そして俺たちが皮を捨てずに作った『自家製カンディート(レモンとオレンジの砂糖漬け)』を合わせた温かい黄金クリームだ! これを包み込み、200℃の薪窯へと滑り込ませた!




■【四天王・第2の王:人魚が愛した神話のタルト!『海底古代小麦と銀河ミッレフィオーリのパスティエーラ・ナポレターナ(Pastiera Napoletana)』!】


続いて二つ目だ!


俺は滑らかなストゥルットと砂糖、ガーゴイルの卵黄、すりおろしたソレントレモンの皮でサクサクのタルト生地(パスタ・フロッラ)を作り、型に敷き詰めた。


その中に流し込むフィリングこそ、ナポリの春の奇跡だ。


海神ネプトゥーノが海底温泉から持ってきた、真珠のようにぷっくりと柔らかい『古代小麦(グラーノ・コット)』を、牛乳と少量のラードとオレンジの皮と一緒に銅鍋でトロトロになるまで煮込む。


それを冷ましてから、裏ごしした『鳩牛のリコッタチーズ』、砂糖、ガーゴイルの卵、自家製カンディート、シナモンを合わせ――そして最後の決め手に、破壊の猫皇帝が中央銀河から盗んできた秘宝『銀河柑橘のミッレフィオーリ(百花蜜とオレンジの花の蒸留水)』を三滴垂らした!




その瞬間、厨房の中に、天国の花園がそのまま爆発したかのような「オレンジの花と柑橘とシナモンの気高く甘い香り」が立ち込め、上に七本の格子状の生地を渡して薪窯へ入れると、煙突から出たその香りだけで、外で暴れていた女帝マンマ・ドルチェが「ハァッ……なんていい匂いなの……!」と骨抜きになって座り込んだ!




■【四天王・第3の王:釜焼きと揚げの真髄!『カイル渾身のゼッポレ・ディ・サン・ジュゼッペ(Zeppole di San Giuseppe)』!】


その隣では、『鍋振り師』のカイルが薪窯と揚げ鍋の両方を使って本場の技を披露していた。


水とラードと小麦粉を火にかけて練り上げ、ガーゴイルの卵を少しずつ加えて艶やかなシュー生地を作る。


カイルはそれを星型の口金でクッキングシートの上にドーナツ状に絞り出すと、ナポリの本物のパスティッチェリア(菓子店)に伝わる伝統の製法――軽やかに焼き上げる『窯焼き(アル・フォルノ)』と、そしてもう一つ、最初に【200℃の薪窯に3〜4分だけサッと入れて生地の表面を乾かし、形をピシッと定着させてシートから剥がれやすくした直後に、175℃の落花生油(ピーナッツオイル)へ滑り込ませて黄金色の風船のようにカラッと揚げる】プロの二段階技法を繰り出したのだ!


「最初に窯の熱で表面を軽く焼き締めてから油で揚げることで、生地が余分な油を1ミリも吸わず、外はサクッと香ばしく、中は雲のように軽く膨らむんです!」


黄金色に揚がった熱々のゼッポレの上に、ガーゴイルの赤い卵黄とバニラビーンズとレモンの皮で炊き上げた濃厚な『黄金のカスタードクリーム(クレマ・パスティッチェーラ)』を渦巻き状にたっぷりと絞り出し、頂上に甘酸っぱい深紅の宝石――『ヴェスヴィオ産のアマレーナ・チェリー(野生黒さくらんぼのシロップ漬け)』を三粒ずつ乗せた!




■【四天王・第4の王:ゼロ・ウェイストの結晶!『ソレント産レモンとリモンチェッロのデリツィア・アル・リモーネ(Delizia al Limone)』!】


そして最後の四品目だ!


さっき女帝の三流パティシエどもは、卵黄だけを使って残りの「卵白」を全部ゴミ箱に捨てた。


だが、俺の厨房ではその『残った深淵ガーゴイルの卵白』こそが主役になる!


ニコと俺は、残った卵白を氷水の上で雪のようにきめ細かいメレンゲに泡立て、卵黄と砂糖、すりおろしたソレントレモンの皮と合わせて、ベーキングパウダー(膨張剤)を1グラムも使わずに、卵の力だけで雲のようにふわふわに膨らむドーム型のスポンジ『パン・ディ・スパーニャ』を焼き上げた!




焼き上がったドーム型の生地に、俺の特製『ソレント産リモンチェッロのシロップ』を刷毛でたっぷりと染み込ませる。


そして、絞ったばかりのソレントレモンのフレッシュな果汁と、レモンの皮を漬け込んで香りを移した牛乳で作った『濃厚レモンクリーム』に、ふんわり泡立てた生クリーム(パンナ)を合わせて、ドーム型のケーキの周り全体を真っ白で艶やかなシルクのドレスのように包み込んだ!


仕上げに粉砂糖と、すりおろしたてのソレントレモンの皮を散らせば、アマルフィとソレントの太陽の結晶『デリツィア・アル・リモーネ』の完成だ!




◇ ◇ ◇




制限時間の五分前。


ピッツェリアのガラス扉が大きく開け放たれ、俺とカイルとニコの三人は、白い粉砂糖の雪化粧をまとった【ナポリ伝統ドルチェ四天王】が乗った四つの巨大な大皿を抱えて、女帝マンマ・ドルチェの前へと進み出た!




「お待たせ、砂糖次元の女帝様!」


俺はテーブルの上に四つの大皿をドォン!と並べ、腕を組んで見上げた。


「ただ砂糖を固めただけの子供騙しじゃねぇ。これがラードの技術、古代小麦とオレンジの花の香り、窯と油の職人技、そして卵白からレモンの皮まで1グラムも無駄にしないナポリ三千年の結晶――『スフォリアテッラ』『パスティエーラ』『ゼッポレ・ディ・サン・ジュゼッペ』『デリツィア・アル・リモーネ』だ! 好きなだけ食え!!」




女帝マンマ・ドルチェは、目の前の四つの大皿から立ち昇る、これまで嗅いだこともないほど複雑で気高く、甘さと爽やかさと香ばしさが織りなす「天国の香りの交響曲」にゴクリと生唾を飲み込んだ。




女帝は震える巨大な指先で、まず一つ目の大皿から、まだ熱々の貝殻型のパイ――『スフォリアテッラ・リッチャ』を掴み上げ、大きな口を開けて思い切り噛み締めた。




その瞬間だった。




――パリパリパリッ、ザクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!!




女帝の歯の下で、ベヒーモスの滑らかな純白ラード(ストゥルット)によって焼き上げられた「千枚の極薄パイの層」が一斉に砕け散る音が、なんと落雷のような音響衝撃波となって広場全体に轟き、上空を覆っていたピンク色の暗雲の半分を一撃で吹き飛ばしたのだ!!




『な、な、なんなのこの音と食感はァァァッ!?!?』


女帝マンマ・ドルチェの目が、限界まで見開かれた!


『バターのパイみたいに湿気てないわ! 外側の千枚の層がダイヤモンドのガラス細工みたいにバリッパリに弾けた次の瞬間……中から、熱々でトロトロのセモリナと鳩牛のリコッタチーズのクリーム、シナモンの香り、そして「自家製オレンジとレモンの砂糖漬け(カンディート)」の爽やかな甘みが洪水みたいに溢れ出してくる!! 外は極限のパリパリ、中は天国のトロトロ……こんなお菓子、砂糖次元で一万年生きてきて一度も食べたことがないわァァァッ!!』




理性のタガが外れた女帝は、息もつかずに二つ目の皿の『パスティエーラ・ナポレターナ』、三つ目の皿の『ゼッポレ・ディ・サン・ジュゼッペ』、そして四つ目の皿の『デリツィア・アル・リモーネ』を、両手で交互に口の中へと放り込んだ!




モグ、モグ……ジュワァァァァァァッ!!




【最終複合ユニークスキル発動:『ゼロ・ウェイストの錬金術(出力300%)』×『新ナポリ伝統ドルチェ四天王・幸福度10000%』!!】




――ドゴォォォォォォォォォンッ!!!




広場の中央から、黄金色とピンク色とレモンイエローが螺旋を描く巨大な光の柱が成層圏を突き抜け、街中にオレンジの花びらと粉砂糖の光の雨が降り注いだ!




『マ、マ、ママママママアアアアアアアアアアッ!!!』


八メートルの巨体を誇る女帝マンマ・ドルチェが、両手で自分の丸い頬っぺたを押さえ、滝のような感涙を流しながら歓喜の絶叫を上げた!




『私、今まで自分が食べていた「ただ甘いだけのお菓子」が何だったのか分からなくなっちゃったわ!!


この【パスティエーラ】! サクサクの生地の中で、海底小麦のプチプチした食感と濃厚なリコッタ、そして鼻から脳天まで突き抜ける「銀河ミッレフィオーリ(オレンジの花の水)」の神聖な香りが溶け合って、一口食べるごとに魂が洗われるようよ!!


この【ゼッポレ】も信じられないわ! 最初に窯で表面を焼き締めてから油でカラッと揚げた生地が羽毛みたいに軽くて、濃厚なカスタードの甘さを、一番上の「アマレーナ・チェリー」のキュンとする酸味が完璧に引き締めてる!!


そして最後のこの【デリツィア・アル・リモーネ】!! 捨てられたはずの卵白だけで焼いたスポンジが雲みたいに溶けて、ソレントのリモンチェッロの香りと、フレッシュなレモンクリームの爽やかな酸味が口の中の甘ったるさを一瞬で洗い流してくれる……だから、どれだけ食べても絶対に飽きないのよォォォォッ!!』




壁の瓦礫から這い出してきた女帝の三大筆頭パティシエたちも、床に落ちたスフォリアテッラの小さな破片とレモンクリームを一舐めした瞬間、その場に泣き崩れて自分たちのコック帽を脱ぎ捨てた。


「わ、我々の完敗だ……! ただ砂糖を大量に入れればいいと思っていた我々と、ラードの物理法則、柑橘の酸味、花の香り、そして捨てられる皮や卵白まで宝石に変えて「甘さの立体構造」を作り上げたこの男とでは、料理人としての次元が違いすぎる……!!」




広場の中央では、女帝マンマ・ドルチェがわずか五分間で四つの大皿の山を最後の一欠片まで綺麗に平らげていた。


そして――最後の『デリツィア・アル・リモーネ』を飲み込んだ瞬間。




女帝のぐるぐる回っていた狂気の瞳が、キラキラと輝く二つの巨大な「ピンク色のハートマーク(♥)」に変わった。


『はぁぁぁぁ……♪ しょっぱいピッツァの後に、こんなに美味しくて幸せなおやつをお腹いっぱい食べられたなんて……生まれてきて一番幸せだわぁぁ……♪』




――ズドォォォォォォォォンッ!!!




なんと、全次元で誰一人として止められなかった暴食の女帝マンマ・ドルチェが、+300%の至福のエネルギーに満たされて赤ちゃんのような安らかな笑顔を浮かべたまま、後ろのケーキ型帆船の甲板の上へと仰向けに倒れ込み――そのまま『スヤァァァ……♪』と幸せそうに大イビキをかいて熟睡してしまったのだ!!




「「『う、うおおおおおおおおおっ!! 一発の攻撃魔法も使わずに、4つのドルチェだけで異次元の女帝を気絶させたぞォォォッ!!』」」




新ナポリの大広場全体から、大陸が揺れるほどの大歓声と拍手が巻き起こった!


すると、今までカウンターの下でガタガタ震えていたはずの『破壊の猫皇帝』が、何食わぬ顔でスッと出てきて、口の周りについたデリツィア・アル・リモーネのクリーム(ちゃっかり後ろからつまみ食いしていた!)を前足で拭きながら、偉そうに胸を張って言った。




『ふ、ふふん! 見事であったぞアンジェロ! やはり余が危険を冒して中央銀河から「ミッレフィオーリ」を取ってきてやったおかげで、宇宙の平和が守られたニャ!』




「おいコラ泥棒猫、五分前まで俺のエプロンにしがみついて泣いてた奴がよく言うぜ!」


俺が呆れて笑いながら、焼きたての『スフォリアテッラ』を一つ放り投げてやると、猫皇帝は「ニャハハ、これが一番パリパリで美味いのニャ♪」と尻尾を振ってゴロゴロと喉を鳴らした。




その日の夕方。


目を覚ました女帝マンマ・ドルチェは、これまでの凶暴さが嘘のように礼儀正しい「ただの優しいお菓子好きのおばちゃん」になっていた。


彼女は「アンジェロちゃん、来週の日曜日もあのおやつを食べに来ていいかしら? ちゃんと聖サン・ジェンナーロみたいに番号札を取って順番を待つわ!」と恥ずかしそうに微笑み、お礼として『砂糖次元と新ナポリを繋ぐ直通の食材献上ゲート』を開いて、最高純度のサトウキビ糖、ブルボン種のバニラビーンズ、極上のセイロンシナモン、そして最高級カカオを未来永劫タダで俺の店へ届けてくれることになったのだ!




日曜日の夜。


俺はカラーラ産白大理石のカウンターの後ろで、頼もしい右腕のカイルとニコと肩を組み、ホールのテーブルで仲良くピッツァとドルチェを分け合って笑い合う剣聖レオたち『白銀の暁』、アルデバラン国王とソフィア王女、創世の魔王、海神、天界の神、冥府の王、宇宙恐竜王レクソール、破壊の猫皇帝、そして砂糖次元の女帝を見渡して、腹の底から笑った。




前菜のトンノラットから、485℃のナポリピッツァ、極上のパスタとリゾット、豪快な肉料理、そして伝統のドルチェと氷点下18℃のリモンチェッロまで――俺たちの『新ナポリ』のフルコースに、もはや敵など全宇宙のどこにも存在しない。




「さあカイル、ニコ! 薪窯の温度を485℃に戻せ! 夜の営業の始まりだ、今夜も宇宙で一番美味いピッツァとドルチェを焼きまくるぞ!! ――Buon appetito(ボナペティート/召し上がれ)!!」




(【劇場版4・最終甘味大決戦】完全大団円・完!!)






* * *






━━━━━━━━━━━━━━━


■ お家で簡単に再現できる!アンジェロの本場ナポリ伝統ドルチェ2大秘伝レシピ ■




【① 焼き&揚げの本場技!『ナポリ伝統のゼッポレ・ディ・サン・ジュゼッペ』(約8個分)】


(※本場ナポリでは「オーブンで焼く(アル・フォルノ)」か「油で揚げる(フリッテ)」の2種類があり、プロの裏技として「最初に少しだけオーブンに入れて表面を乾かし、シートから剥がれやすくしてから油でカラッと揚げる」ことで、油を吸わずに雲のように軽い極上の揚げゼッポレになります!)




<材料>


・【シュー生地】水:125ml、ラード(または無塩バター):50g、薄力粉:75g、卵:2個〜2個半、塩:ひとつまみ


・【濃厚カスタード(クレマ・パスティッチェーラ)】卵黄:3個分、砂糖:60g、薄力粉(またはコーンスターチ):25g、牛乳:250ml、バニラエッセンス&すりおろしたレモンの皮:少々


・【仕上げ】アマレーナ・チェリー(なければダークチェリーのシロップ漬けやイチゴでも絶品!):8〜16粒、粉砂糖:適量




<黄金の作り方>


1.【カスタードを作る】ボウルに卵黄と砂糖を混ぜ、粉を加えて滑らかにする。温めた牛乳とレモンの皮を加えて鍋に戻し、中火で絶えずかき混ぜながらトロリと濃厚になるまで炊き上げ、バットに移してラップを密着させて冷ます。


2.【生地を作る】小鍋に水、ラード(またはバター)、塩を入れて沸騰させ、火を止めて薄力粉を一気に加えて木べらでひとまとめにする。再び弱火に1分かけて鍋底に白い膜が張ったら火から下ろし、溶き卵を少しずつ加えて「木べらからリボン状にゆっくり落ちる固さ」まで混ぜる。


3.【焼き(またはちょい焼き+揚げ!)】クッキングシートの上に、星型の口金をつけた絞り袋で直径8cmほどのドーナツ状に絞る。


・【A:本場の揚げゼッポレにする場合】最初に【200℃のオーブンに4〜5分だけ】入れて表面を軽く乾かして形を定着させてから、シートから剥がして【170〜175℃の油で両面を黄金色にカラッと揚げる】(絶対に油っぽくなりません!)。


・【B:ヘルシーな焼きゼッポレにする場合】そのまま【200℃のオーブンで約20〜25分】ぷっくり黄金色になるまで焼き上げる。


4.【仕上げ】冷ましたゼッポレの上に粉砂糖を振り、カスタードを渦巻き状にたっぷり絞って、頂上にチェリーとシロップを乗せれば完成!




* * *




【② パイシートとラードで超簡単!お家でバリッパリ食感『ナポリ風・即席スフォリアテッラ』(8個分)】


(※二十メートルの生地を伸ばすのは大変ですが、市販の冷凍パイシートに「滑らかなラード(または溶かしバター)」を塗って巻くだけで、あのバリッパリの千枚の層が自宅で再現できます!)




<材料>


・市販の冷凍パイシート(半解凍):2枚


・塗る用のラード(チューブの純正ラードが本場のバリッパリ感を出す秘密!なければ溶かしバターでもOK):大さじ2


・【中身の黄金クリーム】リコッタチーズ(または水切りヨーグルト+クリームチーズ):150g、卵黄:1個、砂糖:50g、シナモンパウダー:少々、オレンジピール(マーマレードジャム大さじ2で代用しても最高!):30g




<黄金の作り方>


1.パイシートを広げ、表面に柔らかいラード(またはバター)をまんべんなく塗り、端からきつくクルクルと太巻き状に巻いてラップに包み、冷蔵庫で30分冷やし固める。


2.ボウルにリコッタチーズ、卵黄、砂糖、シナモン、刻んだオレンジピール(またはマーマレード)を混ぜておく。


3.冷やした1のロールを8等分の輪切りにし、切り口を上にして親指で中心をグッと押し広げ、縁を伸ばして「貝殻のようなカップ状」にする。


4.中に2のクリームを詰めて口を軽く閉じ、【200℃に予熱したオーブンで約20〜25分】、表面の層が黄金色に開いてバリッパリになるまで焼き上げ、仕上げに粉砂糖を振って熱々を召し上がれ! Buon appetito!!


━━━━━━━━━━━━━━━

【劇場版4・最終甘味大決戦】までお読みいただき、本当にありがとうございました!

皆様の温かい応援のおかげで、本作はついに全18エピソード・合計16万文字を超える大長編として、前菜からピッツァ、パスタ、リゾット、肉料理、そしてナポリ伝統ドルチェ四天王までフルコースすべてを描き切ることができました!心より感謝申し上げます!


「猫皇帝がエプロンの下に隠れるシーンで笑った!」「ティラミスからのナポリ伝統ドルチェ四天王とスフォリアテッラの音でお腹が空いた!」と少しでも思っていただけましたら、すぐ下の【ブックマーク登録】や感想・リアクション等で応援していただけると、著者にとってこれ以上ない励みになります!


━━━━━━━━━━━━━━━

■ あわせて読みたい!同作者のランキング上位&おすすめ作品 ■


現在、現役イタリア人シェフである著者の知識を詰め込んだサバイバル・グルメ・ヒューマンドラマが各ジャンルでランキング上位に入っております!すぐ下の【作者名(マイページ)】または以下のURLから今すぐ読めますので、ぜひ覗いてみてください!


▼ ①【パニック〔SF〕日間・週間・月間第1位(三冠達成)!】

『『カテゴリーD(廃棄物)』と切り捨てられたコンビニ店員のリアル・ゾンビサバイバル』

https://ncode.syosetu.com/n8187mw/


▼ ②【パニック〔SF〕連載中上位!待望の第2部(全12話)&第3部(全12話)!】

軍用犬クロと9頭の群れ、そして絶海の要塞『青ヶ島』へ渡る大長編続編!

https://ncode.syosetu.com/n5272mx/


▼ ③【パニック完結済5位!】豪華客船×重度ゲーマーの34歳シェフ孤島無双(全6話完)

https://ncode.syosetu.com/n0295mx/


▼ ④【宇宙〔SF〕短編3位!】エリア51の料理人、猛毒エイリアンを極上グルメに解体調理!

https://ncode.syosetu.com/n0796mx/


▼ ⑤【純文学ランキング上位!】『厨房にゴミはない ~高級店を辞めた『残飯シェフ』と、カウンター十席の奇跡~』

https://ncode.syosetu.com/n8593mw/

━━━━━━━━━━━━━━━


また次の美味しい物語でお会いしましょう!グラッツェ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。